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ストレスがたまったときにとるべき栄養素とメニューは?【臨床内科専門医が教える】

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生活や仕事のありようが変化して思うように行動ができないいま、心身ともにストレスフルな日々が続きます。そこで、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に、連載にて、有事のストレスとの向き合いかた、予防法やセルフケアについてお尋ねしています。

最終回の今回は、ストレスと栄養バランスが整った食事について教えてもらいました。なお、これまでの内容は次の記事を参考にしてください。

【第1回】リフレッシュできずストレスがたまってつらい…原因は?
【第2回】ストレスがたまったときの対処法と予防法は?
【第3回】ストレスフルと思ったら…臨床内科専門医が勧める2つの方法

理想の食事は、主食・主菜・副菜・汁物が揃った和定食

第2回の記事で正木医師から、「可能な限り、栄養のバランスが整った食事を1日3食、毎日同じ時間にとりましょう」とアドバイスがありました。まず、どういうメニューがよいのでしょうか。

「栄養バランスの整った食事は、主食、主菜、副菜、汁物を組み合わせた、1食分の必要な摂取カロリーを超えないメニューのことを言います。主食はごはんなどの穀類、主菜は肉料理や魚料理、卵、大豆などタンパク質のおかず、副菜は野菜やきのこ、海藻などのビタミンやミネラル、食物繊維が含まれるもの、汁物は味噌汁やスープです。これらがバランスよくそろったメニューが理想です。

定食屋のメニューにある、お膳にそろった和定食をイメージしてください」

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ストレスケアに重要な栄養素とは

次に正木医師は、「逆に栄養バランスが偏った食事は心身に不調をもたらし、ストレスがたまる原因になります」と言い、ストレスケアに重要な栄養素を挙げます。

(1)ビタミンB群
これが不足している場合、食事でとる栄養素をスムーズにエネルギーへと変えることができなくなります、また、老廃物が代謝されにくい、脳の神経系が正常に働きにくくなり、記憶力や集中力が低下する、不眠、疲労がたまりやすくなります。

ビタミンB1は豚肉・豆類・穀類の胚芽(はいが)・レバーなど、ビタミンB2はレバー・うなぎ・納豆・卵・乳製品など、ビタミンB12は魚介類・レバーなどに豊富に含まれています。

(2)タンパク質
メンタルヘルスに関係が深い、脳から分泌されるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質はタンパク質からつくられます。肉類・魚介類・卵・大豆製品などに豊富です。

また、タンパク質を構成する要素のアミノ酸の一種に「ギャバ」があります。これはストレスや高血圧を抑えるとされる成分で、発芽玄米・発酵食品・小魚・トマトやナスなどの野菜・ミカンやブドウなどの果物に多く含まれています。ただし、サプリメントとして多種が市販されていますが、過剰摂取すると動悸(どうき)や唇のけいれんが起こることがあるので注意してください。

(3)カルシウム
カルシウムは脳の神経の興奮を抑えます。牛乳・乳製品・小魚・大豆製品に豊富に含まれています。また、カルシウムの吸収をよくするビタミンD(魚介類やきのこ類に豊富)とともに日ごろから積極的にとりましょう。

(4)ビタミンC
ストレスが増えるとビタミンCや(3)のカルシウムは多く消費されます。これらが不足すると脳がストレスの影響を受けやすくなります。レモンやミカン、グレープフルーツなどのかんきつ類・イチゴやキウイなどのフルーツ・ブロッコリーやダイコン、ピーマン、ゴーヤなどの野菜に豊富に含まれます。

(5)テアニン
緑茶に含まれているうまみ成分で、アミノ酸((2)参照)の一種です。心身をリラックスさせる作用や、ストレスの抑制作用があるという研究報告があります。

朝食をとると体内時計が整い、ストレスケアになる

さらに、ストレスケアにとって「毎日一定の時間に食事をすることも重要」という正木医師は、その理由についてこう説明をします。

「第1回で、ヒトの体には、心拍や血圧、体温、ホルモンの分泌など、生命維持に必要な機能を調整するために自律神経のバランスが重要になること、そのためのひとつに栄養のバランスが整った食事があるとお話ししました。

さらに、体内時計に注目してください。体内時計は概日(がいじつ)リズムやサーカディアンリズムとも呼ばれ、約24時間の周期で生じる精神的・身体的状態の規則的な変化のことです。自律神経の働きと影響しあって働いています。ヒトの体内時計の周期は1日の24時間より少し長くなりますが、そのズレを調整するのが朝の日光と食事です」

感覚的に朝に日光を浴びて朝食をおいしく食べると元気がアップし、逆に昼過ぎまで寝ていて朝食を抜くとだるさを感じることがあります。どういうメカニズムなのでしょうか。

すい臓から分泌されるインスリンというホルモンを耳にしたことがあると思います。ごはんやパン、果物などの糖質を食べて消化吸収されるとブドウ糖になりますが、このときにすい臓からインスリンが分泌されます。

このインスリンは、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして利用するために必要なホルモンで、体内時計のありように強く影響します。食事のサイクルが一定になると、日中の活動や睡眠時間も自然に整い、ストレスコントロールに直結します。

食事の時間が毎日違う、1日1食や2食だけ、肉類ばかりや麺類ばかり食べているなどで摂取栄養素が偏ることが続くと、インスリンの分泌量や作用がうまく働かずに、体内のリズムが崩れるのです」(正木医師)

最後に正木医師は、「温かい食事」を取り入れようと、こうアドバイスをします。

「朝食をとると体温が上がることを実感するでしょう。逆に血流が悪くなると、セロトニンなどの神経伝達物質の生成が低下します。体温は内臓への働きや新陳代謝にも関わります。そこで冬だけではなく夏でも、朝食はもちろん、昼食、夕食でもできるだけ温かいものを選びましょう」

栄養バランスの整った食事を毎日同じ時間にとることは、理にかなったストレスによる心身の不調を改善する方法であるようです。ストレスと向き合うために、自律神経のバランスを整えて体内時計を毎日適切に稼働させる生活習慣を身につけたいものです。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
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