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かつては日本と同じ状況だった…34歳の女性首相誕生のフィンランドに学ぶ「女性活躍」

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「世界幸福度報告」の幸福度ランキングで2018、19年と2年連続で1位を獲得したフィンランド。そんな“世界一幸せな国”の秘密を仕事や日常という視点から探った『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ社)が1月10日に発売されました。

フィンランドと言えば、昨年12月に34歳の世界最年少の女性首相が誕生したことも話題になりました。

ムーミンやマリメッコ、サウナ、オーロラなどその文化や自然、ライフスタイルは多くの日本人を魅了していますが、著者でフィンランド大使館広報の堀内都喜子(ほりうち・ときこ)さんは「日本でも働き方改革が叫ばれ、ワークライフバランスという言葉もここ数年で浸透してきました。そんな日本が目指す先にフィンランドがあるのでは?」と力を込めます。

日本に暮らす私たちがフィンランドの働き方やライフスタイルから学べることは? 堀内さんに話を伺いました。前後編。

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女性は“期待されてない感”を感じとっている?

——フィンランドと言えば、昨年12月に34歳のサンナ・マリンさんが首相に就任したことが日本でも大きなニュースになりました。女性の首相誕生が日本でこれだけ話題になるのは日本が男性中心社会だからなのではと肩を落としたのですが、フィンランド国内での反応について教えてください。もしかして国内では「最年少で女性の首相? そこまで驚くことじゃないよ」という感じなのでしょうか?

堀内都喜子さん(以下、堀内)ええ、フィンランドよりも世界での注目度が高いですね。12月20日の時点でマリン首相も400社を超える社からインタビューリクエストがあったと聞いております。世界で話題になり、改めてフィンランドでも話題になっているようです。

ただ、フィンランド人も、「若くて」も「女性」でも能力さえあれば要職に就ける時代になったことに誇りを感じていると思います。

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——フィンランドでは女性の首相は3人目ということですね。

堀内:そうです。確かに年齢も歴代の首相の中で一番若いのですが、過去には1991年に36歳の男性の首相(エスコ・アホ首相)が誕生しました。マリン首相も、ここ数年は党内のナンバー2の位置にいたので、そういう意味では必然というか自然なことかもしれません。

——フィンランドでは同世代の首相が誕生しているのに、日本では政治は父親世代の男性で占められています。先日発表された「ジェンダー・ギャップ指数」も日本は153カ国中121位で史上最低を更新しました。順位を下げたのは女性の政治参加の低さが要因でした。フィンランドは3位でしたが、日本が少しでもフィンランドに近づくためにどんなことが必要だと思いますか?

堀内:日本はすごく年齢重視の部分があるし、まだまだ女性がトップに立つことが見慣れていないですよね。女性がトップに立つと周りもつい「この人で大丈夫なの?」と思ってしまう。まずは、女性に期待することがもっと必要だと思います。女性自身も期待されないからやる気がなくなってしまう部分はあると思います。

というのは、私の前職はフィンランドのエンジニアリング企業だったのですが、会社に「エンジニアリングのことなんて女性は分からないでしょ?」という空気が何となく漂っていました。会社も女性に優しいし、もちろんハラスメントはないのですが、女性社員は“期待されてない感”をうっすら感じていました。

そうすると女性自身も「表舞台に出るよりはサポート役に回ろう」と判断してしまったり、会議でも「私の意見は大して重要じゃないだろうから」と後ろの席に座ったりしてしまう。それはそれで居心地がいいから「まあ、いいか」と思ってしまうんですよね。

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——女性自身も「責任がないほうが楽」と考えている部分もあると思います。周りの友人に聞いても「管理職なんてやりたくない」という女性は多い気がします。

堀内:本当に女性活躍と言うのであれば、まわりは女性にもっともっと期待すべきだし、女性も期待されたことに対して応えていかないといけないと思います。自信がなくてもやってみる思い切りの良さは女性にも必要だと思います。

——同時に環境も整えてということですよね。

堀内:もちろんです。それぞれライフイベントがいろいろとあると思うので、ワークライフバランスも含めて無理せずに続けていかれる環境を整えていかなければいけないと思います。男性ももっと家庭のことをやるべきですね。フィンランド人がよく言うのが「外も男女平等なら、家も男女平等であるべき」。女性は男性にもっと任せるべきだし、男性もやるべきだと思います。

——フィンランドの家庭は男女平等が徹底されていますか?

堀内:フィンランドでも一世代前は女性が家事を担う家庭が多かったのですが、今の20代、30代は平等を望んでいます。男性も「子供と一緒に時間を過ごしたい」ときちんと主張します。

本にも書いたのですが、小学生の子供を持つ親は、男性のほうが子供と過ごす時間が若干長いんです。私のフィンランド人の男性上司は子供が2人いますが「僕も父親だから子供と一緒に過ごす権利がある」と言いますね。

——「権利」と言うんですね。

堀内:はい。子供に忘れられてほしくないですし、子供の父親としての存在感を持っていたい意識の表れだと思います。

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国会はいろいろな人たちがいる世の中の縮図

——先ほど「一世代前は〜」とおっしゃっていましたが、フィンランドも男女平等ではなかった時代もあったのですか?

堀内:ありました。1960年代、70年代に女性が少しずつ社会に進出して働きはじめました。当時は、家事も育児も女性がするべきと思われていて、保育園も足りなかったんです。まさに当時、今の日本と同じ状況でした。

——どんなふうにその状況を変えたのですか?

堀内:やはり政治ですね。女性たちの声を代弁する政治家が増えていきました。女性の政治家はそういった声をすくい上げるのが上手なので、それで徐々に変えてきたという状況ですね。

——日本もとにかく女性の議員やリーダーを増やすのが先決でしょうか?

堀内:そう思います。もちろん政治だけがすべてではないですが、近道ではありますよね。制度にしても、何にしても。世の中にいろいろな人たちがいる中で、その縮図が国会にあるべきだと思います。

——マリン首相が誕生した際に、エストニアのヘルメ内相が、貧しい家庭に生まれレジ係として働いた経験を持つマリン首相に対して「売り子」と中傷したことが問題になりました。マリン首相は自身のツイッターで「フィンランドをとても誇りに思う。ここでは貧しい家庭の子供でも教育を受け、目標を達成できる。レジ係が首相にもなれる」と投稿していたように、世の中のいろいろな人の声を拾い上げるのが政治の役割だと思いました。

堀内:フィンランドの社会保健大臣も40代の女性です。先日、彼女が来日した際に「いろいろな人が議員になれるべきであって、いろいろな人の代弁者がいるのが国会だ」と言っていました。私も本当にその通りだなと思います。

(取材・文:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:矢野智美)

情報元リンク: ウートピ
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