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「疲れたら栄養ドリンク」は間違い! 疲労の医学博士に聞く“飲んではいけない”理由

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残業が続くとき、睡眠不足や疲れでどろんとした気分のときに、栄養ドリンクやエナジードリンクを飲んでパワーアップを試みる人は多いのではないでしょうか。

しかしながら、疲労医学の第一人者で、ベストセラー『すべての疲労は脳が原因』(集英社)シリーズの著者の梶本修身(かじもと・おさみ)医師によると、「それらのドリンクは、ほんの一時的に、しゃきっとしたかのように脳を錯覚させているだけです。常用すると、疲労はむしろたまる恐れがあります」とのことです。

詳しいお話を聞いてみました。

梶本修身医師。

梶本修身医師。

カフェインとアルコールの作用で興奮するだけ

——栄養ドリンクやエナジードリンクを飲んでは元気になったような気がしていましたが、それは勘違いなのでしょうか。

梶本医師:そうです。栄養ドリンクやエナジードリンクには、成分として大量のカフェインが含まれています。カフェインは寝る前にとってはいけないと言われるとおり、目を覚ます、興奮する、血圧を上昇させる作用があります。

また、微量のアルコールが配合されているタイプもあります。これも興奮や気分を高揚させるように働きます。お酒が苦手な人が飲むと、その作用は大きく現れるでしょう。

こうした成分の作用で眠気がとれて疲れが軽くなったと感じることはあるでしょうが、それは錯覚であり、疲労が回復したのではありません。

——アメリカでは、栄養ドリンクやエナジードリンクの飲みすぎによる健康被害や、影響を否定できない死亡例もあると聞きます。日本ではコンビニやスーパーで売っているので、危険性を意識しない人は多いと思います。

梶本医師:日本では、栄養ドリンクとエナジードリンクでは扱いが異なります。栄養ドリンクは成分と含有量によって、医薬品、医薬部外品、清涼飲料水に分類されています。製品によって、栄養補給や滋養強壮を目的とした成分のビタミン類、アミノ酸、生薬・漢方由来成分などを配合しているとCMでうたっています。

エナジードリンクは「清涼飲料水」に分類され、「炭酸飲料」として販売されています。どちらもほかのジュースなどとともに、コンビニやスーパーの棚、また自動販売機にも並んでいるでしょう。

ただ、両方ともカフェインの覚せい作用を利用して、「元気になった」、「疲れがとれた」と錯覚させる点では共通しています。たしかに疲労感をマスクする、隠す作用はありますが、栄養ドリンクもエナジードリンクも、疲労を回復させる効果は実証されていません

本当は疲れているのに、こういったドリンクを飲むことで疲労感だけをとるのは、疲労を見すごして無意識のうちに蓄積させるため、非常に危険なのです。

——エナジードリンクは缶のデザインも目を引くタイプが多く、何やら気になって手に取っては飲んでいましたが、「錯覚だ」と指摘されますと思い当たります。

栄養ドリンクは栄養不足の時代の遺物

——栄養ドリンクは、「栄養」とつくからには、健康にとって何かしら役に立つのでしょうか。

梶本医師:そもそも栄養ドリンクとは、いまから半世紀あまり前に日本の人々が栄養不足だったころに生まれた製品です。ビタミンB1が欠乏して脚気(かっけ)という病気が流行したとき、ビタミンB1を補給すれば元気になったことに端を発しています。

しかしながらいまの時代、ビタミンB1は食事で十分に摂取されていますから、医学的には栄養ドリンクは過去の遺物と言ってよいでしょう。

——栄養ドリンクの成分としてよく耳にするタウリンはどうなのでしょうか。

梶本医師:タウリンは肝臓で胆汁の生成を促進するなど、肝臓に働きかける作用が知られていますが、現在のところ、疲労を回復するという医学的な根拠はありません。これもCMの文言をよく聞くと、「タウリン〇㎎配合」とうたってはいますが、「疲労が回復する」とは言っていません。何かに効きそうな勘違いは、CMの影響によるところが大きいと考えられます。

——自分の疲労の蓄積に気づかずに、栄養ドリンクを飲んで残業を続ける……、過労が待っていそうで恐いです。

鶏の胸肉に豊富なイミダペプチドが疲労回復に有用

——鶏の胸肉に含まれる成分が疲労回復に効果があると耳にしました。

梶本医師:はい、医学的に立証されているのはイミダペプチド(イミダゾールジペプチド)という成分です。これは、鶏の胸肉や、マグロやカツオの尾びれに近い筋肉にも豊富に含まれています。

疲労の原因は、脳の細胞が活性酸素による酸化ストレスでダメージを受けることですが、イミダペプチドにはそれを軽減する抗酸化作用があることが明らかになっています。

——鶏の胸肉などであれば、日常的に食べることができそうです。

梶本医師:イミダペプチドは、1日あたり200㎎を2週間ほどとり続けると疲労回復効果が現れます。鶏の胸肉の100gに含まれる量です。

鶏の胸肉は安価で調理もしやすいでしょう。イミダペプチドは水溶性なので、蒸す、ゆでるなどした場合は、残り汁もスープにして食べると、成分をあますところなく摂取できます。

また、近ごろではコンビニやスーパーでサラダ用に加工されたタイプも販売されているので、手に入りやすいでしょう。毎日食べるのが辛い場合は、サプリメントが市販されているのでうまく利用すると良いでしょう。

疲労を改善するには、こういった成分に注目した食生活を送り、また睡眠の量と質を充実させながら、ストレスをためない日々を考えるべきです。

——ありがとうございました。鶏の胸肉という身近な食材に疲労を回復させる成分が含まれていて、日常的に簡単に摂取することができるとは、ありがたい情報です。疲れたからといって栄養ドリンクに走るよりも、まずは日ごろの食事を見直すことから始めたいものです。

(取材・文 海野愛子 / ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
「疲れたら栄養ドリンク」は間違い! 疲労の医学博士に聞く“飲んではいけない”理由

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