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セックスとリレーションシップの専門家が50歳を過ぎて飛躍できた理由

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8月21日、日本シネアーツ試写室(東京都新宿区)にて、映画『おしえて!ドクター・ルース』と、「iroha*」のコラボレーションイベントが開催されました。

*irohaは株式会社TENGA発の女性向けセルフプレジャーアイテムブランド

イベントには、社会学者の田中俊之さん、iroha広報の西野芙美さんが登場。「男/女らしさ」が性生活に与える影響について語りました。イベントの様子を前後編でお届けします。

誰もがオリジナルの人生を歩む

西野:ルースが性を語る女性として注目を浴びたように、TENGAで働く私たちも、取材を受けることが増えています。そのたびに、従来の女性観、たとえば、男性を立てるべき、慎ましくあるべきみたいな価値観が変わりつつあるなと感じます。

同時に従来的な男性観も変化しているのではないかと思い、今回は「男性学」の先駆者である、田中先生とのトークイベントを企画しました。田中先生、映画をご覧になっていかがでしたか?

田中:このような伝記物の映画を観ると、「自分の人生はどうだったか」を考える一つのきっかけになるなと思います。僕らはルースじゃないから、映画を撮ってもらえるわけではないけれど、誰の人生もオリジナルで唯一無二のもの。せっかくなので、自分の人生を振り返ってみてもいいんじゃないかなと思います。

西野:そうですね。私は大学時代、ナチズムについて勉強をしていたのでルースが自身の両親の消息を辿るシーンに心が揺れました。ホロコーストは、ユダヤ人を人じゃなく扱っていたのだなと再確認しましたね。たとえば、髪の毛を資源として扱う、とか。そういう恐ろしい考えもあった中で、ルース先生の紙一重の運命に背筋が寒くなりましたし、死を隣に感じていた人だからこその強さというのがあるのかなと思いました。

田中:それはすごく感じますよね。この映画の中で強調されていることは、教育の大切さです。ルースは、第二次世界大戦中に少女時代を過ごしますが、疎開先で「女の子だから」という理由で勉強させてもらえなかった。けれども、彼女は同じ施設にいたボーイフレンドの本を借りて、夜な夜な一生懸命に勉強を続けます。それが礎となって将来に繋がっていくわけです。

西野:素晴らしいですよね。

田中:それから、50歳を過ぎて大躍進するところもいいなと思いました。なぜ彼女にチャンスが巡ってきたかというと、彼女が学ぶことを止めなかったから。その努力が花開いて、現在の活躍があるわけですよね。ルースは91歳になった今も学び続けています。その姿勢が素晴らしい。

西野:ルースから学ぶ喜びが溢れて見えたのがとても印象的でした。性のお悩み相談というと、下世話なことを想像する方も多いと思うのですが、ルースの回答は、非常にキレがあって、知的でユーモアというスパイスも加わっている。教養というか、学びが土台にないとできないことだと思います。

田中:TENGAの「性を表通りに」というキャッチフレーズもそうですが、性の解放というと、ともすれば“フリーセックス”と勘違いしがちです。けれども、「何でもアリ」「ただ野放し」の状態では、別に性自体の喜びも楽しみもそこにはないわけですよね。

そういう意味でいうと、西野さんがおっしゃったように、教養に裏打ちされて、その上で性をどう楽しむか。ルースのメッセージはそういうステップを踏んでいるのだろうなと思います。

劇中より

劇中より

セックスとリレーションシップの専門家

田中:ルースが深夜のラジオ番組からスターになったところもいいですよね。僕が思うに、ラジオは相談に向いているんですよ。日本でもそうですけど、ラジオに投稿して答えてもらうと、自分に向けて耳元で話してくれているような親近感が生まれやすい。ラジオというメディアはそういう特性があると思うんです。

西野:そうですよね。ラジオというメディアが持つ魅力が最大限生かされていたかなと思います。先ほど弊社の「性を表通りに」をあげていただきましたが、われわれも、「フリーセックスを推奨している」とか「性って隠してこそエロいのに」と言われることがあるんです。

でも、TENGAグループが大切にしているのは悩んでいるときに、誰かに相談をして適切な答えを得られるとか、悩みを口にしても、偏見の目で見られたり、存在が脅かされたりしない環境を作ることなんです。そのために、性にまつわることを丸ごとタブー視するのではなく、誰もが適切に話ができて情報交換ができる環境を作ろうと活動している。それが、「性を表通りに」という言葉の本質なんです。

田中:なるほど。西野さんが今おっしゃったこと、すごく大事だと思います。ルースは、英語では「セックスとリレーションシップの専門家」だと紹介されているところに気づきましたか? それを聞いて僕は、やっぱり性って、関係性の中で生じていることだと思いましたね。関係の中でいかにオープンにしていくか。日本のカップルでそれができている人は少ないんじゃないかな。

西野:本当にそうですね。そもそも自分の性的な快感とか、喜び、プレジャーという部分を言語化する、そのプロセスが日本だとなかなか難しいなと感じます。けれどその過程を経ないと、結局自分や相手が何を望んでいるのか、キャッチボールするのが難しくなるんですよね。

田中:なるほど。リレーションシップって、心のレベルで交流をしないといけないわけじゃないですか。でも、多くの男の子は感情を抑制するように育てられてきているんですよ。

例えば、3歳になるうちの長男の同級生は、公園で転んで泣いていても、父親に「男の子だから泣くんじゃない」って言われるんですよ。つまり「痛くても、男の子は泣いてはいけない」そんなふうに刷り込まれて育つわけですよね。

すると、感動して泣きたくなっても、きっと涙を堪えるようになる。僕もあんまり人前では泣かないんですよ。感情を抑制するように育てられてきているから。

それって、要するに自分の心を観察する機会が少ないということでもあるんですよね。自分の心を観察したことない人が、他人の心を慮ることができるのかっていうと、非常に難しいなという気がします。

■新刊情報
2019年7月20日に田中俊之先生の新刊が発売されました。男子が10代のうちに考えておきたいこと (岩波ジュニア新書)

■映画情報

ADR_POSTER

『おしえて!ドクタールース』
8/30(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
配給:ロングライド

(構成:安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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