総合転職エージェントのワークポートは、全国の転職希望者の男女(20代〜40代)586人を対象に、「職場のジェンダーハラスメント」についてアンケート調査を実施しました。
Contents
現在の会社は男女平等だと感じるか…
「現在(直近)の会社は男女平等であると感じるか」と聞いたところ、「とても感じる」「やや感じる」と回答した人は合わせて49.1%、「あまり感じない」「まったく感じない」と回答した人は合わせて50.8%となったことなどがわかりました。
昨年、同社が行なった同じ内容の調査では、51.4%の人が「男女平等だと感じる」と回答していましが、今回の調査では2.3%減少し、半数を切る結果となりました。
また、「現在(直近)の会社でダイバーシティの推進や男女平等に繋がる取り組みはされているか」という質問では、「はい」と答えた人が20.1%、「いいえ」と答えた人が43.3%、「わからない」と答えた人が36.5%となりました。
会社が行なっている取り組み/これから取り組んでほしいことは
前出の問いで、「はい」と答えた人に取り組みの具体的な内容、「いいえ」「わからない」と答えた人には会社に取り組んでほしいことを聞きました。
▼会社で行われている具体的な取り組み
「男女問わず育児休暇、子どものための休暇の認可、推進」(20代・男性・事務アシスタント)
「推進部署を設立し、理解促進のための教育や研修の提供」(30代・男性・管理)
「昇進・昇給の評価が平等。ハラスメントに対する処罰内容がハッキリしている」(20代・女性・システムエンジニア)
「LGBT支援団体を招いての講演・ワークショップ」(20代・女性・企画、マーケティング)
「従業員が多国籍なため、互いの文化や特徴を尊重するようマナーが書かれたハンドブックを作成」(30代・男性・営業)
▼会社に取り組んでほしいこと
「女性役員をもう少し増やし、女性にお茶汲みなど昭和的な価値観を押し付けないでほしい」(30代・男性・事務アシスタント)
「360度評価とコンプライアンス基準の明確化」(40代・男性・コールセンター)
「男性の育児休暇取得の推進」(30代・女性・クリエイター)
「産休をとると役職が降格になるのをやめてほしい」(30代・女性・クリエイター)
「男性、女性で思っていることの意見交流会のようなものを開催してほしい」(40代・男性・システムエンジニア)
「男性/女性だから…」と言われた経験は?
「現在(直近)の会社で『男性/女性だからこうするべき』といったことを言われたり、強制されたりしたことはあるか」と聞いたところ、「よくある」「たまにある」が合わせて30.4%、「あまりない」「まったくない」が合わせて69.6%となりました。
▼実際に言われたこと
「結婚の強制やプライベートな交際経験の執拗な詮索」(30代・男性・営業)
「男は力仕事、女性はお茶汲み、洗い物やごみ捨てをやる」(30代・男性・営業)
「男だから遅くまで残業しても大丈夫などの考えを押し付けられた」(20代・男性・クリエイター)
「面接で子どもを生むのか生まないのか聞かれた」(40代・女性・コールセンター)
「女性だから気が遣えなくてはならない、細かいことが得意でなくてはならない、と言われる」(20代・女性・クリエイター)
ジェンダーハラスメントを見たことは?
「女性/男性がジェンダーによるハラスメントを受けているところを見たことがあるか」聞いたところ、女性については28.5%の人が「はい」と回答、男性についても21.8%の人が「はい」と回答。男女ともに20%以上の人がジェンダーハラスメントの現場を見た経験があることがわかりました。
▼女性に対するジェンダーハラスメントについて
「産休から復帰し時短勤務になる女性は強制的に契約社員にさせられていた」(30代・女性・クリエイター)
「女のくせにやかましい、黙って従えといった発言」(40代・女性・接客販売)
「性別による昇格試験の結果の差」(20代・女性・その他)
「年齢や容姿を含めた差別的な発言」(30代・男性・営業)
「未婚の女性を複数人でバカにして笑いものにする」(40代・女性・建築土木)
性別による役職や業務の制限、女性に対する固定観念の押し付けといった意見が挙がりました。
▼男性に対するジェンダーハラスメントについて
「育休取得、時差出勤の不許可」(30代・男性・教育)
「女性の上司が男のくせにナヨナヨして、と陰口を言っていた」(30代・女性・営業)
「女性ばかりひいきされている」(40代・男性・営業)
「同期入社の社員に対し、男女でケアに差がある」(30代・男性・営業)
「男性は重い荷物を自主的に運ばなくてはならない」(20代・女性・接客販売)
また、「男性だから〇〇」「男性のくせに〇〇」といった発言が日常的に聞かれるといった意見も多く、ジェンダーハラスメントは女性に対してだけではなく、男性に対しても根強く染み付いていることが伺えました。
自分のハラスメントには無自覚かも…
調査を行なったワークポートは、無自覚なジェンダーハラスメントを行っている可能性があると考察します。
「今回の調査では対象者のうち約30%がジェンダーハラスメントを受けた経験があると回答していましたが、対象者に現在(直近)の会社で、相手に男女差別と捉えられるようなことを言ってしまったことはあるか聞いたところ、『はい』と答えた人は5.3%でした。結果から、ジェンダーハラスメントと捉えられる発言をしている人の多くが無自覚である可能性も考えられます」
職場でのジェンダーハラスメントを改善するためにも、自分が他者に対して「男だから/女だから」と価値観を押し付けていないか考えてみる必要がありそうです。
■調査概要
調査内容 :職場のジェンダーハラスメントについて
調査対象者:株式会社ワークポートを利用している全国の転職希望者(20代~40代の男女)
有効回答 :586人
調査期間 :2021年2月12日~2月22日
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
- 読書の秋に。小島慶子が推薦するジェンダー問題と向き合うための2冊
- オトコってこういうもんでしょ…に対する違和感【ジェンダーとメディア表現】
- どうしたら“いっしょに妊活”できるようになるの? 【妊活ジェンダーギャップ調査】
- 夫の浮気を許すのが “いい女”?【アルテイシア】
- カマラ・ハリス次期アメリカ副大統領、日本の女性ファッション誌『エル・ジャポン』初表紙
- “男が知らない男のあだ名”を作るのが無駄にうまい私たち【清田隆之×ジェーン・スー】
情報元リンク: ウートピ
面接で妊娠の可能性を聞かれた、男だから残業できると思われる…職場のジェンダーハラスメント