毎日寒い日が続く冬本番。朝、時間通りに目が覚めても、あまりの寒さになかなか布団から出る気が起きない……という人は多いのではないでしょうか。
ただ、起床時に室温が低すぎると、健康面でもリスクがあるとされており注意が必要。元気に冬を乗り切るためにも、室温を意識して快適な起床を心がけたいところです。
そこで今回は、睡眠の専門医の坪田聡先生とパナソニック エアーマイスターの福田風子さんに、寒い朝の起床時に気をつけるべきことや、快適に起床するためのエアコン活用術について、お話を伺いました。
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室温15℃以下で高血圧の危険も…
そもそも、起床時に室温が低いとどのようなリスクがあるのでしょうか。実は血圧が関係しており、「人間の体は就寝時に血圧が下がり、起床時に上がるとされ、特に冬場は布団の中と室内の温度差が大きいので、さらに血圧が上がりやすくなる」と坪田先生。
また、起床時に室温が15℃を下回ると、60歳の男性で高血圧になるという研究結果*もあるそうで、「高齢の方や若くても高血圧の方は心筋梗塞や脳血管障害には注意が必要です」と警鐘を鳴らしています。
*「起床時収縮期血圧と室温のマルチレベル分析 住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査」日本建築学会
こうした研究結果を踏まえると、冬場は最低でも16℃以上に室温を保っておきたいところ。坪田先生は「信州大学の実験によると、起床1時間前に室温を20~22℃程度に暖めてから起床すると、日中の手足の皮膚温を冬でも高く保てます」と実験データをもとに、適切な室温を推奨しています。
ちなみに部屋が寒いからといって寝具(パジャマ、掛け布団)を厚くするのは重さで寝返りがしにくくなり、睡眠の質が下がってしまうためおすすめしません。
1日を快適に過ごせるテクニック3つ
坪田先生によると、起床した後にも、1日を快適に過ごすために実践できるテクニックがあるそうです。まずひとつめは「布団の中でストレッチ」で、血流を良くするためにストレッチのほか、両手を胸の前で同じ力で押し合ったまま維持する「アイソメトリックス(等尺性筋収縮)」で基礎代謝をアップ。ただ、運動時に呼吸を止めると血圧が上がりやすいので、高血圧の人は注意が必要としています。
また、「明るい光を浴びる」のもおすすめ。太陽光が理想ですが、部屋の照明をつけるだけでも大丈夫。睡眠ホルモンはLEDから発せられるブルーライトで減りやすくなるため、起床後すぐにスマートフォンを見るのも効果的だそうです。
「朝食はアミノ酸を摂取」する、というのも試してほしい工夫。朝食に牛乳、豆、肉、バナナ、アボカドなど、アミノ酸(トリプトファン)が多く含まれている食品を摂取すると、脳が活性化されると坪田先生は指摘しており、朝にアミノ酸を多く摂取している子どもほど、目覚めがスッキリで、夜はぐっすり眠れるといった研究結果も出ているそうです。
「タイマー」と「スマホの遠隔操作」を活用して快適な室温に!
最後に、毎朝快適に起床できる“エアコン活用術”もご紹介します。パナソニックのエアーマイスター福田さんによると、ポイントは「タイマーの有効活用」と「スマホの遠隔操作」です。
まず「タイマーの有効活用」については、「起床1時間前に室温が20~22℃」になるようにタイマーを設定するのがおすすめ。福田さんによると、エアコンのタイマーは、予約時刻に設定温度になるよう、それよりも前から運転がスタートしているそう。
「朝7時に起きる場合は、6時にタイマー設定しておくと、坪田先生も推奨する『起床1時間前に室温20~22℃』に暖められ、快適な環境で目覚めることができます。なお、タイマー設定の際、風量を弱めに設定しておくと、エアコンの立ち上がり時の音が気になりにくいのでおすすめです」
また、「スマホの遠隔操作」も、寝室以外の部屋のエアコンを作動させることができるので、布団の中にいながらリビングなどを温められる便利なテクニックです。
「無線LAN内蔵のエアコンも増え、朝目覚めた時、布団にいながらリビングのエアコンをスマホで運転させることもできたりと、寒い時期には活躍します。さらに一部のエアコンは生活パターンに合わせ曜日別に『オン/オフ』の時間を設定できる機能を備えています。ご使用のエアコンを確認し活用してみましょう」
布団でのストレッチやエアコンテクニックを駆使して冬を快適に!
起床時に部屋が冷え切った状態では、布団から出るまでに時間がかかるうえ、健康面でのリスクもあります。寒い冬を快適に過ごせるよう、ぜひ今回ご紹介したようなエアコンテクニックや布団の中でできる簡単な工夫を実践してみてください。
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情報元リンク: ウートピ
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