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食べすぎ、ストレス、冷え? 胃もたれを漢方でセルフケア【専門医に聞く】

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飲み会後や、揚げ物や焼き肉をおなかいっぱいに食べた後だけでなく、仕事中や夜になぜだか胃がもたれて重苦しいことがあります。

消化器内視鏡専門医で臨床内科専門医、漢方専門医でもある吉田クリニック(大阪府八尾市)の吉田裕彦院長にその理由を尋ねると、「胃もたれの原因は、食事の内容や食べる量、食べかたのほか、ストレスや疲労、冷えなども考えられます」ということです。

詳しいお話しを聞いてみました。

消化機能の低下が胃もたれを引き起こす

はじめに、胃もたれの症状や原因について、吉田医師はこう説明をします。

「飲食物の消化には、食べたものによって1~5時間 ほどの時間を要します。ただし、何らかの理由で胃の活動が低下していると、消化に時間がかかるようになります。食べすぎの場合は、胃の中に飲食物が残っている時間が長くなり、胃がもたれる、重く感じるなどの不快感につながります。

しかし、胃の不調の原因はそれだけではありません。胃もたれやみぞおちの痛みがあって、検査をしてもとくに器質的な異変が見られない場合、以前は神経性胃炎や慢性胃炎と呼ばれていました。現在、これは『機能性ディスペプシア(胃腸症)』と診断されています。

胃の不調は、もたれるほか、膨満(ぼうまん)感、慢性的に痛む、空腹時に痛む、吐き気や下痢を伴うなどさまざまですから、消化機能が低下している理由を見つめる必要があります」

どれも思い当たります。吉田医師は胃の消化機能が低下する理由について、次のように挙げます。

(1)暴飲暴食

暴飲暴食や早食いをすると、消化不良になります。とくに肉や揚げ物などの脂肪が多い食事は消化吸収に時間がかかり、胃の負担が大きくなります。胃が不調のときは肉や揚げ物は避けましょう。食事は常によく噛み、時間をかけて食べてください。

(2)香辛料やお酒、タバコなど刺激物を多量に飲食する

香辛料やアルコールなど、刺激が強いものを多量に飲み食いすると、胃の粘膜が荒れやすくなり、炎症を起こす場合があります。少なめを意識しましょう。

(3)睡眠不足やストレス

睡眠不足が続いている、精神的なストレスが強い生活が続くと、胃や十二指腸の働きを調整している自律神経のバランスが乱れます。十二指腸は、胃で消化したものをさらに消化しますが、ストレスがあるとその働きも低下して胃もたれなどの不調を強く感じることがあるでしょう。内視鏡検査などで器質的な病気が見あたらなくて、胃の不調が継続的、断続的にあると、機能性ディスペプシアの可能性が高いでしょう。

胃腸による消化吸収は、自律神経の1つである副交感神経が優位に働くリラックス時に活発になります。また、消化吸収が抑えられるのは、もう1つの緊張時や興奮時に働く交感神経が優位になっているときです。商談中や試験中、運動中など緊張や興奮する場面でトイレに行きたくならないのは、そういう自律神経の働きがあるからです。

ストレスがあると神経が緊張、興奮しているため、交感神経のほうが優位になって消化吸収は抑えられます。すると、胃腸の働きは低下します。対策には、休息をとって睡眠の量と質を充実させ、栄養のバランスがとれた食生活を送り、軽い運動を試みてストレスや疲れを溜めない習慣を日ごろから心がけましょう。

(4)冷え

冷たいものばかりを食べている、薄着、寒い場所に長くいる、冷えやすい体質などで体が冷えると、血流が滞って胃腸の活動は低下します。冷えを感じる前に対策をとることが重要ですが、冷えたと感じた場合はすぐに、衣服やカイロで体を温める、温かい食事をする、風呂につかる、足湯をするなどしましょう。

(5)運動不足

運動不足だと血流が悪化する、筋力が衰えるため、胃の消化吸収の機能は低下します。胃の不調を感じたら、ウォーキングやストレッチなど、軽めの運動を継続的に行いましょう。

胃もたれは「気」の不足と「水」のめぐりの滞りから

続いて吉田医師は、漢方医学の視点から、胃もたれについてこう説明をします。

「漢方では、ヒトの生命活動に必要な要素を『気(き)、血(けつ)、水(すい)』とし、これらのめぐりのバランスによって健康状態が左右されると考えます。

胃がもたれる、重苦しいのは、そのうち、『気』が不足している状態と考えられます。『気』は元気のもと、生きるエネルギーや自律神経の働きを表し、ストレスなどで『気』が不足すると元気がない状態となります。

また、『水(すい)』は、血液以外の水分や胃液など体液のことを言いますが、胃がもたれるのは、そのめぐりが悪くなっている状態とも考えられます。『気』と『水(すい)』は互いに影響し合っています」

そこで、「慢性的に胃もたれがある場合は、漢方薬を試すという選択肢もあります。漢方薬は、自分の体力や体質、また胃もたれ以外の症状も合わせて選びましょう」と話す吉田医師に、胃もたれを緩和する漢方薬を教えてもらいました。

●六君子湯(りっくんしとう)

体力が中等度以下で、胃腸が弱い、食欲不振、疲れやすい、みぞおちがつかえる、手足が冷えやすい、消化不良、おう吐などがある場合に向きます。胃の血流を促し、胃腸を温めます。

●四君子湯(しくんしとう)

体力が虚弱で、体格はやせ型で顔色が悪い、食欲不振、疲れやすい、胃腸が弱い、おう吐、下痢などがあるときに向きます。胃の血流を促し、消化機能を改善します。

●安中散(あんちゅうさん)

体力が中等度以下で、機能性ディスペプシア(神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱)の症状によく用いられます。胃腸が弱い、食欲不振、胸やけ、げっぷ、おう吐、胃痛があるときに向きます。胃の血流を促し、自律神経のバランスを整えます。

●半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

体力が中等度で、機能性ディスペプシアや神経症の症状によく用いられます。胃腸が弱い、ストレスを感じやすい、みぞおちがつかえる、げっぷ、消化不良、胸やけ、おう吐、下痢があるときに向きます。ストレスで滞っている「気」を改善します。

●胃苓湯(いれいとう)

体力が中等度で、冷え、下痢、おう吐、口が渇く、尿量が減少があるとき、急性の胃炎に向きます。胃の余分な水分を排出します。

最後に吉田医師は、「胃もたれが長引く、痛みや吐き気、胸やけが激しい場合は、消化器官やそれ以外でも何らかの病気の可能性があります。早めに内科、消化器科などを受診してください」とアドバイスを加えます。

胃もたれは、食べたものに原因があるとばかり思っていました。食事はもちろん、運動や睡眠、リフレッシュなど日ごろの生活習慣を整えることが予防につながるということです。まずはストレスの状態などを自問自答し、原因を自覚して適切にケアしたいものです。

(取材・文 藤原 椋・品川 緑 / ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
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