美容・健康の最新記事

育てるって大変。後輩との付き合い方で頭を抱えているあなたへ【小島慶子】

投稿日:

(PCのみ)投稿ページタイトル下




恋のこと、仕事のこと、家族のこと、友達のこと……オンナの人生って結局、 割り切れないことばかり。3.14159265……と永遠に割り切れない円周率(π)みたいな人生を生き抜く術を、エッセイストの小島慶子さんに教えていただきます。

第28回は、後輩との付き合い方について。新入社員が入社してくるこの時期、社内で新しい人間関係を築くのはお互いにとってストレスフルなもののはず。小島さん、会社員時代、そしてフリーランスになった今、新しく入ってくる人との付き合い方、どうしていますか?

新入社員との出会いにそわそわ

新年度になると、職場に新しい人たちが入ってきます。新たに後輩が増えた人もいるでしょう。新しい人が来るたびに、好かれたいなとか、嫌われたくないな、ってみんなそわそわしますよね。私は会社にいた頃、毎年春になると、そのそわそわする同僚や先輩を見てくすぐったい気持ちになっていました。

そんなふうに期待や不安で揺れるのは、人間関係には悩ましいこともつきものだから。後輩との付き合い方で頭を抱えている人は、私の周囲にもたくさんいます。いい子なんだけど仕事ができない……仕事はできるけどどうしても合わない……仕事もできないし相性もイマイチ……など、みんな苦労しているようですね。

15年ほど会社員をしていたので、私にも先輩後輩の経験はあります。たくさんの後輩を引き連れて「飲みに行くぞ!」ということはしませんでしたが、相談事を持ちかけてくる後輩とは、二人で会ってご飯を食べて話を聞いていました。その時に課した自分ルールは「それを誰にも言わない」ということ。自分を信用して話してくれたことは、他言しないのが人としての鉄則ですよね。

思えば私も先輩たちに随分助けてもらいました。アナウンサーの仕事はカメラの前で失敗しながら学んでいくしかないのですが、失敗が続くと精神的にかなりやられます。そんな時に、同じようなところをくぐり抜けてきた先輩の話は、本当に心強かったです。だから私も、後輩にとってそんな存在になれたらなとは思っていました。

忘れていた新人時代にドン引き

入社5年目ぐらいからは、新人研修の講師もしていました。アナウンスの技術やカメラの前に立つ心構えなどを教えなくてはなりません。難しいですが、やりがいのある仕事でした。自分がかなりの問題児だったので、どの新人も他人とは思えないというか、むしろ当時の自分よりもよほどまともだな、と思うことが多かったな……。

どれくらい問題児だったかというと、吉川美代子さんのニュース原稿読み研修の最中に、同期と「鼻にあぶらとり紙をつけて自然に落ちた方が負け」というゲームをやったり、他の人が原稿読みの指導を受けている間にそれを聞かずに手紙を書いたりしていたそうです。そうです、というのは私がそれをすっかり忘れており、後年吉川さんに「そうだったのよ」と教えて頂いて我ながらドン引きしたのです。ひどいですよね……。

アナウンサーの新人研修では発声練習や早口言葉や原稿読みの他に、フリートークの練習もします。決められた時間内に、あるテーマで話をしてもらうのですが、これがなかなか大変なのです。講師は、なぜその人がうまく話せないのか、話がまとまらなかったのかを分析して指摘します。的確な指摘をするためには、その人の脳みそのくせや、心のありようを探らなくてはなりません。

なぜその話をしようと思ったの? 一番伝えたいことはなんだったの? そうか、ではその時にどう考えたの? なぜその表現にしたの? などと質問するうちに、その人自身も気がついていない面白い視点や、強い動機が見えてきます。「それを話せばいいんだよ、あなたの話がもっと聞きたいよ」と伝えると、文字通り顔が輝きます。その瞬間に出会えると本当に嬉しくて、苦労も吹き飛びました。

フリートークの研修に限らず、多くの問題は不安に起因します。どんな不安を抱えているのか、それは何が原因なのかを一緒に考えるのは、その人が一番いい状態でパフォーマンスできるようにする手助けです。仕事にはダメ出しが必要な時もあるけど、ダメ出しする時は、絡まった糸をほぐすような気持ちでやるといいかも

「小島さんが相手だからミスをしてしまう」

だけどそれがうまく伝わらないこともありますよね。後輩ではないのですが、会社を辞めて独立した後に出会った、ある現場スタッフがそうでした。その人はテレビ業界とは違うところから芸能事務所に転職してきたので、業界のイロハから教えなくてはならなかったのです。

先述したように、アナウンサー時代の後輩との関係は、新人研修の時は別として、同じ出演者として年次は関係なく実力勝負でしたし、その分、個人として付き合える自由さもありました。ところが現場スタッフとは、タレントと事務所のスタッフという関係なので、その人のミスが私の仕事に直接影響します。自分の仕事以外に、現場で一つ一つ業務連絡のやり方、礼儀などの話をしなくてはならず、相当なエネルギーを使うのです。当時は大手芸能事務所に所属していたのですが、どうも周囲の話を聞いていると、ある程度経験を積んだタレントには、そういう人材育成的な任務が回ってくるようでした。

中途採用だったこともあり、そのスタッフも若いなりに自負もありますから、何も知らないところからあれこれ教えられるのは鬱陶しかったのでしょう。ある日、ケアレスミスが絶えないので改善してほしいと伝えたら「相手が小島さんだからミスするのです。ミスしちゃいけないと思うからミスしてしまう」と話してくれました。それは問題です。このままだと相手も私も精神的にしんどくなってしまう。私の担当を外れた方がお互いにいいかもしれないけどどうしたいかと話したら、できれば外れたいとのことだったので、スタッフの上司に掛け合って、希望を通してもらいました。その後は楽しく働いているようです。私もとても楽になりました。

これまで現場スタッフについた人は10人ほどいますが、そんなことは後にも先にもありませんでした。どうすればよかったのかと、悔いが残っています。でも、我慢せずに「小島さんの担当を外れたい」と正直に言ってくれたことには感謝しています。だからそれ以降、新しい人がつくたびに「私は最善を尽くすけれど、それがあなたのやり方と違ってしんどい時もあるかもしれない。その時はどうか我慢せずに、遠慮なく私や上司に言ってほしい。しんどい思いをしながら働いていると壊れてしまうから」と話しています。

「ハラスメントだ」と言われたら

もしかしたら、似たようなことを経験した人もいるかもしれません。不安もありますよね。一生懸命指導していたのに、後輩から「先輩の指導はハラスメントだ」と言われたらどうしよう……と。

まず第一に、ハラスメントされたと感じた人のことを否定するべきではありません。あなたに全くそのつもりがなく、あるいは周囲から見て問題がなくても、「自分はハラスメントされた、しんどい目にあった」という人に「そう思うのはおかしい」と言ってはならないのです。

ただそれと同時に、ではその言動が客観的に見てハラスメントに相当するようなものであったかを第三者が介入して判断することも重要です。立場の差を利用して、相手に不利益を与えたり、不快な思いをさせたり、脅威を与えたり、尊厳を傷つけたり、侮辱したりしていないか。相手が声をあげられないのをいいことに、いじめたりからかったりしていないか。

もちろん、そんなことはしていないし、するつもりもないのに「先輩といるとつらい」と言われたら心外ですよね。でもそこは堪えて言い分を聞き、お互いに快適に働ける方法を、第三者を入れて考えるのがいいでしょう。

長く働いていると、昔はダメダメだった後輩が立派に成長しているのを見る喜びにも恵まれます。人を育てるのは簡単な仕事ではないですが、かつての自分を思い出せば、長い目で見てあげようと思えるかもしれませんね。                     

情報元リンク: ウートピ
育てるって大変。後輩との付き合い方で頭を抱えているあなたへ【小島慶子】

記事下1:アドセンス+忍者

スポンサードリンク

スポンサードリンク

-美容・健康の最新記事
-

Copyright© 独女の健康・美容テレビ番組ニュース , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.