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森崎ウィンの仕事のモチベーション「努力する姿が誰かの支えになればうれしい」

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10月4日(金)から公開される『蜜蜂と遠雷』(石川慶監督)の主要キャラクターとして出演する森崎ウィンさん(29)。森崎さんは、ミャンマー出身で、10歳の時に家族で日本に移り住み、18歳で俳優としてのキャリアをスタートします。

昨年、スティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』でトシロウ役に抜擢されハリウッドデビューを果たしました。また、ダンスボーカルユニット「PRIZMAX」のメインボーカルを務めるほか、ミャンマーのテレビ局で冠番組を持つなど多彩な輝きを放ちます。

オーディションではマサルを演じることにためらいがあったと明かしてくれた前回に引き続き、後編では20代ラストを迎えた森崎さんに、これからのことについて聞きました。

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目の前に集中すること、続けること

——今年29歳になられた森崎さんですが、30歳に向けての展望はありますか?

森崎ウィンさん(以下、森崎):あっという間に29歳になったという感じがあります。20歳のとき、ある先輩に「男は30歳からだよ」と言われたんですけど、9年間どこに行った!?みたいな(笑)。

俳優デビューから10年以上経って、昨年は『レディ・プレイヤー1』(スティーヴン・スピルバーグ監督)でハリウッドデビューも経験しました。でも、僕が思い描いていた30歳の大人の男性像にはまだまだほど遠いなという感じです。最近はそこにたどり着くために、日々を一生懸命に生きなければと思うようになりましたね。

もちろん、目指すビジョンは持っているのですが、遠い未来よりも、まず目と鼻の先にあるものに対して全力で取り組む。帰宅したら、「あー疲れた」って寝てしまうくらい、出し切りたいんです。

——目指すビジョンとは?

森崎:音楽人としては3年くらいかけてアジアツアーを回りたいです。役者としては、ハリウッドに1本だけ出演して満足するのではなく、5年以内にもう一度出演したいです。

(『蜜蜂と遠雷』の石川)監督には現場で「10年後にはアカデミー賞、オスカーを取りますから」と話したんですけど、監督は「10年役者を続けられたらいいね」って。撮影が終わってしばらくはあまり深く考える時間がなかったのですが、今改めてその言葉の重みを感じますね。続けるには運もあるし、自分ひとりではどうにもならないことも多い。簡単じゃないけれど……うん。頑張ります。

劇中より

劇中より

明日は遅刻します!と言い切る俳優を見て思ったこと

——森崎さんは、日本だけでなくアメリカやミャンマーでも活躍されていますよね。異文化で仕事をする面白さについて聞きたいです。

森崎:まず純粋に、いろんな場所に行けるというのが楽しいです。他の国の文化に触れると、それがまた森崎ウィンを作っていく。表現の幅にもなりますし、それがすごく面白い。それに、違うやり方を知っているというのは、すごく得しているなという気持ちになります。

——海外で仕事をして驚いたことはありますか?

森崎:そうですね……。驚かされることばかりなんですけど、ミャンマーだと役者が普通に遅刻してきます。あるとき、午前0時近くまで撮影があって、翌日は午前6時入りだったんです。アナウンスを聞いて、僕は「わかりました!」って了承したんですけど、一人の役者が急に「俺は明日ジムに行くから6時はムリだ」と言って。

——ジム!

森崎:僕は心の中で「その役に身体づくりは必要ないじゃん!」って思ったんですけど(笑)。スタッフが「じゃあ何時なら大丈夫ですか?」と聞くと、「9時だったら」と悪びれもなく言うんです。僕は撮影スケジュールが優先って思うんですけど、スタッフは「わかった」って一言。

——おおらか(笑)。日本だとめちゃくちゃ怒られそう。

森崎:怒られないにしても、次から呼ばれなくなっちゃうんじゃないかなって思いますよね。ミャンマーでそんなハプニングがあると「ああ、そういうのもアリなんだ」って思うんですよ。「こうでなきゃいけない」って思う自分の枠やこだわりにも気づくし、ほかの選択肢もあるんだってことも知れますよね。

森崎ウィンと仕事をしてよかったと思ってほしい

——ミャンマーでインタビューを受けている動画を見たんですけど、際どい質問に、質問返しをするあのスタイルがいいなと思いました。

森崎:うわー。調べてくれたんですか? ありがとうございます。グイグイくるインタビュアーっているんですよね。ミャンマー、日本関係なくですけど。ちょっと意地悪というか、答えにくいことをズバッと投げかけてくるとか。でも、それが彼らの仕事で、僕は演者としてうまく返すことを期待されているわけですよね。どうしようかなって考えた中で出てきたのが、巻き込んでみることでした。

——「恋人にするならどの国の女性がいいですか?」という質問に「お姉さんは僕と付き合いたいですか?」って返したんですよね。

森崎:はい。そうしたら周りも盛り上がったし、際どい質問も回避できるし、いいなって。真面目な質問にはちゃんと真面目に回答しますけどね。ふふふ。「森崎ウィンにインタビューしたら楽しかったな」って思ってほしいんです。

——神対応……。そんな森崎さんの仕事のモチベーションとは?

森崎:なんのために芝居をしているの、なんのために歌っているのと聞かれることもあるんですけど……。なんのためなんだろう。もちろん好きだからやっているというのはあります。つまり自分のためなんですけど……。

でも、ミャンマーでの仕事が増えて見えてきたことがあって。それは、僕の存在が誰かに影響を与えているということ。たとえば、「ウィンが頑張っているんだからあなたも頑張って」ってお母さんが子どもに言うらしいんですよ。もっと頑張っていいお手本にならなきゃなって思いましたね。自分の目標に向かって頑張る姿を見せることが、誰かの元気や勇気になったら最高ですよね。

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『蜜蜂と遠雷』

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10月4日(金)全国公開
キャスト:松岡茉優 松坂桃李 森崎ウィン 鈴鹿央士(新人)
原作:恩田陸「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎文庫)
監督・脚本・編集:石川慶
配給:東宝
©2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会
オフィシャルHP:https://mitsubachi-enrai-movie.jp/

(ヘアメイク:KEIKO(Sublimation)、スタイリスト:森田晃嘉、取材・文:安次富陽子、撮影:面川雄大)

情報元リンク: ウートピ
森崎ウィンの仕事のモチベーション「努力する姿が誰かの支えになればうれしい」

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