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健康診断で「血圧が高い」と言われた…その基準は?【臨床内科専門医が教える】

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高血圧という言葉を聞くと、中高年の悩みというイメージがあります。しかし、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美医師は、「30代や大学生でも健康診断などで高血圧だと判断されること、また、要注意を指摘される人はとても多いです」と話します。

高血圧とはいったいどういうときの何の数字を言うのか、なぜ高血圧になるのか、体にどう悪いのか、セルフケアや予防法など、連載で詳しくご紹介します。今回はその第1回として、高血圧の診断基準などについて正木医師に教えてもらいましょう。

血圧とは血液が血管の壁を押す力

31歳A子さん(会社員)は「これまで自分は低血圧と思っていたけれど、会社の健康診断で『血圧が高いです。医療機関を受診してください』と言われました。去年は正常だったこともあり、びっくりしています。血圧についてはまったくノーマークで何もわかりません」と話します。

正木医師は、「驚かれたかもしれませんが、よくあることです。これは体からの警告だと考えて高血圧を予防しましょう」と話し、まず、高血圧とはどういった状態なのかについて説明します。

「血圧とは、心臓から送り出される血液が血管を流れる際に、血管の壁を押す圧力のことを言います。心臓は常時、「縮む」と「広がる」をくり返しているため、血圧が生じます。

血管が柔軟な筋肉によって自在に収縮すると、血圧は一定に保たれます。しかし血管が硬い、細い、血液量が増えているなどで、血管の壁を押す圧力が安静時でも、慢性的に高い状態を高血圧と呼びます」

次に、血圧を示す数値の、「上」と「下」について、正木医師はこう説明を続けます。

「血圧の数値は、心臓から押し出される血液の量(心拍出量)と、血管のしなやかさ(血管抵抗)で計測されます。

『上』とは収縮期血圧のことで、心臓が縮んで血液を送り出すときの圧力であり、もっとも血管に圧力がかかっているときの数値です。このとき、太い血管である大動脈はふくらんでいます。

『下』とは拡張期血圧のことで、心臓が広がって血液が戻ってくるときの圧力です。心臓から血液は出ないでふくらんでいた大動脈が元に戻り、血液は全身へとゆっくりと送られている状態です」

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診察室で「上が140以上、下が90以上」が高血圧

自分の血圧が高いのか健康なのか低いのかを見極めるにあたり、正木医師は、「医療機関で血圧を診断する際には、日本高血圧学会が公表している診断基準を目安にしています」と話し、その基準をこう示します。

「ヒトは病院やクリニックなどで血圧を計測すると、家庭で自分で測るよりも高くなる傾向があります。そこで同学会では、前者を『診察室血圧』、後者を『家庭血圧』と分類して基準となる数値を示しています。

診察室血圧での高血圧は、上(収縮期血圧)が140mmHg(水銀柱ミリメートル。以下略) 以上、または下(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合、また、家庭血圧では上が135以上、下が85以上とします。

また、診察室血圧でも家庭血圧でも、『上』と『下』のどちらか一方が高いという場合でも高血圧となります」

健康な状態とは、上が120以下、下が80以下を保っている場合としています。詳細は次の表を確認してください。『Ⅰ度高血圧』以上が高血圧となります」

日本高血圧学会ガイドブックより

日本高血圧学会ガイドブックより

血圧はそのときどきで大きく変動すると聞きます。診断時にたまたま高くなっているということはないのでしょうか。

「大いにあります。そのため、いずれも1回の測定ですぐに高血圧だと診断することはありません。診察室血圧の場合はその人の既往症や生活習慣を問診して数回の計測をして医師が診断します。

家庭血圧の場合は、5~7日の測定値を平均して判断します」

「高血圧」と「高値血圧」はどう違う?

表を見ると、耳慣れない言葉もあります。高血圧と高値血圧とはどう違うのでしょうか。正木医師は、次のように説明をします。

「正常高値血圧とは、正常な範囲内ですが高めなので高血圧に移行する可能性がありますよ、という目安の数値です。表の数値のとおり、診察室血圧では上が120~129の間、下が80以下を指します。

高値血圧とは、まもなく高血圧に移行しますよ、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの重い病気を発症する危険性もありますよ、という黄色信号の範囲です。診察室血圧では上が130~139の間、下が80~89の間を指します。

血圧は環境や体調、年齢で変化するので、多くの可能性を考えて設定されています」

日本高血圧学会による診断基準2019年版は5年ぶりに改訂された最新版ということです。家庭血圧の正常血圧とは、「上が115以下、下が75以下」と示されています。さて、皆さんの血圧はいかがでしょうか。まずは自分の現状を知っておきたいものです。

次回は、診察室血圧と家庭血圧のどちらを優先して判断すればいいのか、高血圧だとどう具合が悪いのかなどについて紹介します。

(構成・取材・文 品川 緑、藤原 椋/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
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