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余裕がないもの同士の私たち。弱さを打ち明けるための準備運動とは【Dr. ゆうすけに聞く】

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「もう大人なんだから、弱い自分は隠しておきたい」「余裕があるように見せたい」。でも、ほんとうは仕事で自信を持てずにいるし、人間関係でも疲れている——そんな自分を誰かに打ち明けたいと思っている人も多いのでは?

心療内科医で秋葉原内科saveクリニック(東京都千代田区)の鈴木裕介院長は、著書『メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本 』(大和出版)のなかで、「他者に弱さを開示したほうが、ラクになれるはず」と話します。

SNSでは「Dr. ゆうすけ」として積極的に情報を発信している鈴木さん。全4回にわたってお届けするインタビュー第1回は「ツラいはずなのに、弱さを打ち明けられないのはなぜ?」という疑問に答えていただきました。

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余裕がないもの同士の私たち

——悩みがあるときに、誰かに相談するのはいい手段だと思います。でも、「気にしすぎだよ」と言われたり、面倒な人だなと思われたりして終わりじゃないか……って私、自己肯定感が低いのでしょうか?

鈴木裕介さん(以下、鈴木):弱さの開示って、マウントされたり一方的に評価されたりする可能性があるので、リスクが大きいんですよね。だから、できるなら避けたいと思うのは当然だと思います。

——弱さの開示はそもそもリスクが大きい、と。

鈴木:そうです。あとは「弱音をはかずに耐えるのが美徳だ」という風潮が社会に根強いのも、言いづらい原因の一つかもしれません。

でも、社会規範って所詮は時代の産物でしかない。時代が変われば「美徳」も変わります。僕は、たとえ深刻な悩みであっても伝えて、支え合える関係をつくった方がラクなんじゃないかなって考えているんですよね。

——確かに。ただ、いきなり深刻な悩みを打ち明けても、相手は困ってしまうかも。例えば、唐突に「もう死にたい……」と伝えたとして、受け止めてもらえる自信はありません。

鈴木:そうですね。「そうなんだね、話してくれてありがとう」って否定せずに受け止めるのは、慣れていれば難しいことじゃないんですよ。ただ、「死にたい」という気持ちに慣れている人が少ないから、それができる人は少ないのが現状でしょう。「適切なアドバイスをしなきゃ」「思いとどまらせなきゃ」と思ってしまう人が多いから。

——アドバイスしたり、思いとどまってもらおうとするのは、普通のリアクションですよね?

鈴木:「死にたいと言うなんて良くないことだ」という考えが先に来てしまうと、「話してくれてありがとう」とは言えなくなってしまうんですよ。それで、ついつい「死ぬなんてダメだよ」とか、ひどいときには「あなたよりもツラい人がいるから、もうちょっと頑張ってみたら」とか「そんな小さなことでツラいって言ってたら、生きていけないよ」とか返してしまう。

——そのフレーズ、よく聞く気がします。私自身が深刻な悩みを打ち明けられた場合も、困ってしまうことが多いんです。忙しいときはゆっくり話を聞くことも難しいし。

鈴木:困っている人の相談って、自分に余力がないときに受けられるものじゃないですからね。今の社会の中では、相談する側も、受ける側も基本的に余裕がないと頭に置いておくといいと思います。だからこそ、カウンセラーや臨床心理士のような、プロとして話を聞くことを生業にしている人を積極的に活用してほしいですね。

『ウレタンマット』の上で弱さの開示の「準備運動」を

——たしかに。まずは話を聞くスペシャリストを頼る。

鈴木:そうそう。使える資源は使いましょうっていう。専門性も高いですし、むやみやたらに傷つけられるリスクは低いはずです。

もちろんスペシャリストではなく、親やパートナーといった身近な人にこそツラさをわかってほしいって気持ちもあるでしょう。でも、「わかってほしい人にこそ伝わらない」というのはよくあるケースで。影響力が大きい分、ミスコミュニケーションで傷つくリスクも高くなっちゃうんですよね。

だから、僕は「身近な人に開示するよりも先に、まずは『ウレタンマット』の上で練習をしたほうがいいですよ」と患者さんに伝えています

——『ウレタンマット』……?

鈴木:いきなり大切な人に弱さを開示するのって、コンクリートの上で初心者がバク転をするようなものなんですよ。秘密を打ち明けて関係性が壊れたら、それこそ首の骨を折るようなものなので。

だからまずは、自分を否定せずに受け止めてくれる技術のある人に聞いてもらう。例えば先程伝えたような専門職とかね。これを僕は「ウレタンマットでの練習」って呼んでいます。

話す練習をして受け止めてもらえる経験を積むと、伝え方も徐々に洗練されます。その次のステップで、本当に伝えたい人に打ち明けたらいいと思います。

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打ち明ける以前に、弱さを自分で認められない人

——「死にたい」とまでいかなくても、悩みを抱えている人ってたくさんいますよね。

鈴木:そうですね。僕のところに訪れる人は、「職場でずっと成果を出し続けてないと不安だ」とか「自分はパートナーに釣り合わないんじゃないか」といった恐れをもっていることが多いですね。

でも最初は、本人がその恐れに気づいていないこともあって。「頭が痛い」「眠れない」「会社に行こうとすると吐き気がする」といった身体症状だけを訴えて来院する方も多いんです。でも、実は本人も気づかないうちに精神的にまいっていたというケースは少なくありません。

——身体症状が表れているのに、自分の悩みには気づいていなかった……?

鈴木:そうです。「弱さは隠さなきゃいけない」っていう価値観を強く内面化している方も多いと思います。そもそも、自分の弱さなんて認めたくないですよね。

——それを乗り越えて開示をするにはどうしたらいいんでしょうか。

鈴木:「人間は不完全なところがあるのがデフォルト」くらいに思っておいたほうがいいかもしれません。凸凹のボコがない人なんていないはずですから。

——うーん、感覚的にはわかります。でも、それ自分で言っていいのかなぁって思ってしまいます。なんだか開き直っているような罪悪感が……。

鈴木:そういう場合、僕は「自分で自分の弱さを認めるのは難しいから、他者に認めてもらうほうがいい」と伝えています。あなたが嫌で嫌でしょうがないコンプレックスは、他者から見ると、意外とそうでもないし、むしろ魅力的に映ることだってある、と。

例えば、仕事もプライベートも完璧な超人みたいな上司が、ある日寝ぐせだらけで遅刻してきたとき、なにか安心したり、親近感が湧いたりしませんか。

弱さが見えると人間味を感じますし、それはその人の本質的な魅力と切り離せないと思うんですよね。そんな側面を「いいね」と認めてくれる人たちと一緒にいる時間を増やす。どんな自分でも大丈夫だと思えるようになれば、悩みを打ち明けるハードルも低くなっているはずです。

第2回は8月25日(火)公開予定です。
(構成:岡本実希、撮影:青木勇太、聞き手、編集:安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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