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会社に従業員向けのコンシェルジュがきたら、仕事の質はどう変わる?

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ひとつひとつは小さくても、積もり積もれば膨れ上がって、仕事にまで悪影響を及ぼす日常の小さな悩みごと。「こんな時、私に秘書がいて雑務をバリバリこなしてくれたら……」と思ったことがある人、家と会社を毎日往復する中で、ワクワクすることが遠ざかってしまう生活に疲れてしまっている人もいるのでは?

誰もが一度は感じたことのある思いや願いをヒントに、「コーポレート・コンシェルジュ」という新しいサービスを立ち上げたマニヤン麻里子さん。2018年7月から、国内初の従業員向けコンシェルジュサービス「ユア・コンシェルジュ」が本格的にスタートしました。

今回はサービスの概要と、マニヤンさんが提案する仕事とプライベートを切り離さずに考える「公私融合」についてお話いただきました。

“働きがいのある会社”はすでに始めている

——コーポレート・コンシェルジュというサービス、初めてお聞きしました。企業内にコンシェルジュが駐在して、従業員のお願い事を聞くそうですが、日本ではまだ「自分のことは自分で」とか「公私は分けるべき」という考え方が根強いかなと思います。

マニヤン:そうかもしれません。日本では、男性が仕事、女性が家庭、と性別に応じた役割分担をもとに公私を切り離してきました。しかし、今の職場にはあらゆる性、国籍、家庭環境の人材が一緒に働いていますので切り分けは不可能です。

フランスや欧米では労働時間の長さではなく質も大切にする「Quality of Working Life=職場における勤労生活の質」の文化があって、従業員のプライベートをサポートする企業もあるんですよ。例えば、Fortune’s 100 Best Companies to Work For(働きがいのある会社ランキング)の報告によると、選出された100社のうち32社に従業員向けのコンシェルジュサービスが提供*されていますし、フランスの大企業の6割以上**でも活用されています。導入の理由は主に2つあり、多様な人材プールから優秀な人を採用するため、そして短い時間の中で仕事に集中し生産性を上げるためです。

* These 32 Companies Offer Concierge Services to Employees

**フランス:時価総額上位40銘柄「CAC40」の60%以上が導入(TPO調べ)

——そのサービスを、マニヤンさんが日本で展開しようと思ったきっかけは?

マニヤン:私自身が子育てと仕事の間で困っていたことがきっかけです。外資系企業で働いていた頃、生活が家と保育園と会社の行き来だけになってしまって。仕事では絶えずコミットを求められるし、子育てもノンストップで続く。そうなると、リラックスや美容にかける時間、友達に会う時間から削られ、心が少しずつ疲弊していきました。そして、仕事に全力を注ぎたくてもできなくなってしまって。毎日、「ちょっとしたサポートがあれば自分の時間が持てるのに」と思っていました。

また、業界特有の古い慣習が残る、シニア男性だけの職場に入り、大きな挫折を経験しました。初めて、女性であること自体がデメリットになったり、年功序列というシステムの中でもがくという事態に直面したのです。成果主義のなかで、育児をしながら活躍する先輩女性社員や上司の背中を見て働いてきた私にとって、その環境は精神的にとても過酷なものでした。

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多様な人材の持つ多様な悩みやニーズを理解して欲しい…

——その悩みや課題を解決するためにひらめいたのが「秘書がいればいいな」ということ?

マニヤン:はい。何かひとつでも負担を減らすことができたら、そして誰かが味方となって一緒に考えてくれているということが分かるだけで嬉しいはず。本当は家庭に一人秘書がいればだいぶラクになると思うのですが、それは現実には難しい。であれば「会社にそういう人が常駐してくれていればいいじゃない!」とひらめいたんです。

その話をフランス人の友人にしたところ、「まさにコーポレート・コンシェルジュだね」と。役職も性別も国籍も関係なく、企業で勤めている人たちが全員使えて、それぞれが抱える悩み事やニーズに沿ったサービスを提供する。小さな困り事が減るだけで、仕事にも集中できるようになるはずですよね。そうすれば、会社も従業員もwin-winな関係になります。

——いいですね。具体的に、コーポレート・コンシェルジュにはどんなサービスを提供してもらえるのですか?

マニヤン:従業員に毎日のハピネスをもたらすことでしたら、基本的にはどんなことでも構いません。企業に常駐しているコンシェルジュのところへお越しいただき、要望を伝えていただければ。例えば、子どもの習い事のリサーチや、週末のお出かけのプランニング、ペットの病院予約の電話代行や、親御さんへのギフト選び……。ニーズから新しく提供できることが生まれることもあります。

——すごい……。正直、そんな小さなことでもいいの? という感想です。でもよくよく考えると、仕事の合間にやろう思ったら、時間と精神力が削られるようなことばかりですね。

マニヤン:もっと細かいところで言えば、スーツのボタン付けひとつだってお受けします。私たちの目的は、必ずしも問題を解決することだけじゃないんです。コンシェルジュのところへちょっと立ち寄って、お話をすることで、リフレッシュしていただくことも重要だと思っていて。

コンシェルジュのサービスは、実用的なサービスの提供だけではなく、日々のやり取りや各種プログラムを通して、仕事や生活に新しい視点や考え方をもたらすべくマインドセットにアプローチします。

先ほどもおっしゃっていましたが、日本人って、「こんな小さなことは他人には頼めない」とか「家族の悩みは会社に持ち込むべきではない」という考えがすごく根付いていますが、本人だけでなく周囲の人のマインドセットに働きかけることを意識しています。

上司の悩みを聞いて安心した

——たしかに、子どものこととか、親のこととか、人に相談できない小さな悩みが忙しい毎日の中でどんどん膨らんでいく、といったことが常態化していますね。

マニヤン:私がフランスで働いていた時は、みんな仕事中に何度もコーヒーブレイクで席を立って、男女序列関係なく、家族の相談をし合っていたんですよね。 すごく活躍している上司の女性が娘さんとの悩み事をポロっと話してくれて、私すごく安心した経験があるんです。

こんなにすべてがうまくいっていそうな人でも、家族のことで悩みを抱える普通のお母さんなんだ、と。聞く側もすごく共感できるし、話す側も悩みごとを発散できる。そういう風にブレイクをとって、また席に戻るとみんなすごい勢いで仕事に集中していく、みたいな。

——気持ちを吐き出すと、スイッチの切り替えがしやすくなることってありますよね。聞く方だって、何気ない会話から仕事のアイデアが生まれることも。

マニヤン:だから本当は、人の助けってもっとどんどん借りていいと思うんです。ただ、日本でその考えが根付くのはもう少し時間がかかると思うので、まずは環境づくりをお手伝いしたくて。私たちは、企業のニーズや課題に合わせたオーダーメイドのサービスを展開しています。

——オーダーメイド?

マニヤン:はい。「リリース」「リチャージ」「エンゲージ」という3つの柱で、職場で働く人の「時間の質」を上げるようにサポートしていくのです。

HPより(画像提供:TPO)

HPより(画像提供:TPO)

まず、不安に思っていることや負担に感じていることを取り除くことが「リリース」、そこでできたちょっとした時間の余白を使ってモチベーションを上げてもらうことが「リチャージ」、そして元気になって新しい人や知識と出会ってもらうことが「エンゲージ」といった具合です。それぞれの柱が実用的サービスとマインドセットに働きかけるソリューションを内包します。

「公私融合」が生産性を上げる

——時間から解放されるだけでも助かりますけど、さらにモチベーションのケアまでしてくれるのはうれしいですね。

マニヤン:はい。職場にみなさんを元気にするちょっとした仕掛けがあるのって素敵だと思いませんか? 例えば時間がなくてボロボロになったネイルを、昼休みの時間にネイリストにきれいにしてもらうとか。もちろんそれがマッサージでも瞑想の時間でもいいんですけど。そうやってリチャージした後で、 ワークショップなどを通じて社内外の交流を生み、新しい学びの機会を作る。ちょっとしたきっかけが新しい事業アイデアに繋がったり、気持ちの切り替えに役立ったりするので、そこまでサポートしていきたいんです。

——自分の職場にコーポレート・コンシェルジュがいない人も、リリース、リチャージ、エンゲージの考え方はすぐに使えそう。

マニヤン:そうしていただけたら嬉しいですね。今私が必要だと感じているキーワードは「公私融合」です。

——融合?

マニヤン:はい。「公私混同」と言ってしまうと、ネガティブなイメージが強いので、新しいワーディングで広めていけたら、と。そもそも、人生を、仕事とプライベート、真っ二つに切り分けるのは難しい。

限られた時間でどうやって生活を豊かにしていくかと考えたら、仕事もプライベートも同時にハッピーに変える方が生きやすくなると思うんです。それに、仕事の生産性は、実は幸せを感じている時、ワクワクしている時こそ格段に上がるものだと私は思います。

(取材・文:波多野友子、撮影:青木勇太)

 

情報元リンク: watapi 会社に従業員向けのコンシェルジュがきたら、仕事の質はどう変わる?

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