「自分がイッたかわからない」「パートナーの前戯が物足りないけど言えない……」性にまつわるモヤモヤ。話したいけれど、友達にも話せないという人は多いのではないでしょうか。
9月26日、代官山にあるライブハウス「晴れたら空に豆まいて」(東京都渋谷区)にて、女性向けセルフプレジャーグッズ「iroha RIN」の発売を記念したトークライブ「快楽解体新書~女性の身体のナカとソト~」が開催されました。
ゲストに、女性器の美容形成に特化した「なおえビューティークリニック」院長の喜田直江さん、恋愛メディア「AM」の編集長の金井茉利絵さんを迎え、TENGA広報の西野芙美さん、工藤まおりさんも登壇。
女性のオーガズムのしくみから、セックス中のコミュニケーションにいたるまで、実体験を交えながら、トークが展開されました。イベントの一部を編集してお届けします。
セックスでイケないのは変ですか?
工藤:まず、一体どのくらいの方がオーガズムを経験しているのか、一般女性にアンケートをとりました。データによると、全体で約6割の女性の方がオーガズム自体は経験があるという結果になっていますね。
西野:金井さん、AMの読者層と比べてこの結果はどうですか?
金井:似たような質問をした時の結果と似ています。イカなかったセックスのほうが多い人が39%で、1回もイカなかった人が30%とかで。達したことのある人が想像していたより多いなと感じましたね。
西野:一方、「4割は達したことがない」わけですが、クリニックには「オーガズムに達したことがない」ことを相談にくる女性はいらっしゃいますか?
喜田:多いですね。特に自分ではイケるけれども、セックスだとイケないので自分の身体はどこかおかしいですか? という相談が多いです。
工藤:オーガズムに達したことがあるという方々に、どの部位への刺激でオーガズムに達したことがあるかを聞きました。
工藤:膣内への刺激10.1%、クリトリスなど女性器の外側への刺激51.8%、どちらも38.1%という結果になりました。基本的に外で感じる人が多いようですね。
金井:そうだと思います。中イキは未知の領域という人が多い。
西野:膣内への刺激でオーガズムに達してみたいと思いますかと聞くと、なんと92.6%が「はい」と答えています。ほぼほぼ100%の人が達してみたいと思っている。この、中か外か問題はクリニックでも相談されることはありますか?
喜田:はい。中でイクことにこだわっている人は多いです。ただ、それにこだわる必要はないと今日はお伝えしたいです。
中イキも外イキも感じるところは同じ
工藤:ぜひ詳しく聞きたいです。AMの読者も中イキに憧れている方は多いですか?
金井:多いですね。タイトルに中イキと入れるとめちゃくちゃ読まれます。憧れと向上心が混ざっているのかもしれません。
工藤:今回、喜田先生に監修いただきまして、女性器の仕組みをイラスト化しました。喜田先生、そもそも外と中って違いがあるんでしょうか?
喜田:長いこと議論されているテーマではありますね。ただ、クリトリス(陰核)って、外に出ている部分だけだと思っている方がほとんどだと思いますが、実は陰核は、体の奥の方まで伸びているものなんです。
体外で見えているのは、陰核亀頭。でも実はもっと奥のところにある陰核体部というところと繋がっていて、さらにその先に足が2つに分かれているようにみえる陰核脚部があります。陰核というのは神経の塊のようなものなので、オーガズムを得るためにすごく大事な器官。でも、中の性感帯も外の性感帯も実は同じ器官なんですよ。
西野:金井さん、この「感じるところは同じだった問題」どうですか?
金井:びっくりしています。私、Gスポットってクリトリスの裏なんじゃないかって思っていたのですが、そういうことですか?
喜田:確かに指南本などで説明されるGスポットの場所は、陰核脚部があるところに近く、神経がたくさんあるところです。ただ、その1箇所だけに集まっているという表現をされるのは違っていて、(感じる部分が)尿道周りや膀胱の周り、あるいは膣全体に広がっている人もいます。みんながみんなGスポットを触ったら気持ちいい、というものではないんですよね。
一同:へぇー!
医学的にも謎に包まれたオーガズム
西野:中イキの方がより気持ちいいとか、より深いオーガズムがあるという話を耳にすることもありますが、その点はいかがでしょうか?
喜田:オーガズム自体は脊髄反射と言われています。例えば、熱い物を触った時に手が勝手に動くのと一緒で、頭で理解しないでも勝手に体が動くようなものなのです。なので、中だから外だからというのは関係なくて、気持ち的な問題が大きいのかなと思います。
西野:そもそもオーガズムの仕組みというのは?
喜田:まずは触覚とか視覚、聴覚などから、大脳が気持ちいいことをされているな、しているなと感じて、その刺激が脊髄のほうに行って、その反射としてオーガズムが得られると考えられています。でも、オーガズムについて全てが解明されているわけではないんですよ。まだ研究段階ですが、神経回路が他にもあるのではないかという説もあります。
工藤:謎に包まれているんですね。体感としては、膣が収縮しているなという感じがあるのですが、その仕組みとは?
喜田:オーガズムの反応自体が筋肉の収縮なので、オーガズムを得た時は必ず筋肉が細かく収縮します。
顔と膣の老化はセットと心得て
西野:膣のことについてもう少し聞きたい。以前、喜田先生のところに伺った時に、「膣の老化」という気になるワードが出てきました。膣ってなかなか目にすることもないし、「私の膣、老けてる?」って思うこともないですよね。
喜田:毎日鏡を見ているので顔の変化は気付きやすいと思いますが、膣は見えないところにあるので、毎日触っていないと変化がわかりません。でも、顔がたるんできたと思ったら膣もたるんでいると思ったほうがいいですね。
西野:顔の老化と膣の老化はセットということで覚えていただきたい、と。
喜田:はい。実際に診断をしていても、30歳を超えて40歳も超えると、弾力がなくなってきて、使い古したクッションみたいになるんです。
一同:えー! ヤダ!!!
西野:たとえが衝撃的過ぎて、ショックを受けています。膣の潤いを保つコツはあるのでしょうか?
喜田:20代、30代のうちは女性ホルモンがたくさん出ているのですが、閉経を迎えると急激にホルモンがなくなってくるので、膣を放置しておくとカチカチになってしまいます。けれど、クリニックにいらっしゃる方の中には60代になってもすごくふっくらとしていて、潤いがたくさんある女性もいらっしゃいます。そういう方にお話を聞くと、定期的に性交渉をしていますね。
クリニックにいらっしゃる女性の傾向として、30代で出産した後、セックスレスになって、子育てがひと段落する40代、50代で十数年ぶりに性交渉をしてみたら痛くてできなかった、というものがあります。機械のレーザーも入らないくらい膣が縮んでしまうと、治療期間も長くなるので、そうなる前に加齢で膣は変化するものだと知っていただきたい。日本の性教育ではなかなか教えてもらえないところですが、女性のみなさんには自分の身体について知ってほしいと思います。
(構成:ウートピ編集部 安次富陽子)
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情報元リンク: ウートピ
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