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「誰でもいいわけじゃない」って言うけれど…それでも女性の数を増やしたほうがいい理由

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エッセイストやタレントとして活躍中の小島慶子(こじま・けいこ)さんと、BUSINESS INSIDER JAPAN統括編集長の浜田敬子(はまだ・けいこ)さんが執筆に参加した『足をどかしてくれませんか。―メディアは女たちの声を届けているか』(亜紀書房)の出版記念イベントが、2月4日に「代官山 蔦屋書店」(東京都渋谷区)で開催されました。

日本のメディアの現状について、インサイダーでもある2人が熱く語ったイベントの様子を、前後編にわたってお届けします。

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最近のメディアや広告はなぜ炎上するのか?

小島慶子さん(以下、小島):今、フェミニズムの本がたくさん出版されているということで、この本にも関心を持ってくださってる方が多いようです。

「最近のメディアや広告は、なぜジェンダーやマイノリティ関連で炎上することが多いのか?」「なぜ炎上するコンテンツが世に出てしまうのか?」ということを、ネガティブな文脈ではなく、建設的に話し合ってみようという研究会のシンポジウムから、この本が生まれました。

浜田敬子さん(以下、浜田):私はウェブメディアに携わっていますが、女性が「これはおかしい」と声を上げたときに、男性側からのバッシングがあまりにもひどい。特に、ジェンダーのことに関して発言したときに、異常な反発を受けていると感じています。

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小島:そうなんですよね。そして、テレビや新聞といったオールドメディアは、作り手側の多様性が異常に少ない。つまり、馬車馬のように働く体育会系の男性の価値観が圧倒的に優勢な世界なので、その狭い世界から見たときに価値があるもの、ウケるもの、女性像、男性像が、どうしてもコンテンツに反映されてしまう。

以前はそんなコンテンツでも世間が許容してくれましたけど、「多様化の時代だ」と言われている中で、「何かズレてるのでは?」という声が上がるようになり、炎上が増えてきたのだと思います。

マイノリティへの差別や偏見を助長するような表現や男尊女卑的な価値観の押し付けに異議を唱える声が番組や広告を批判し、それに対して「被害者ぶるな」「文句言うな」と弱者たたきが起きる。これも社会の閉塞感が生み出す反応だと思います。

小島慶子さん

小島慶子さん

男性社会で生きるためにやってきたこと

小島:それから、女性専用車両についての放送*のような、女性の分断をあおるようなやり方ですね。女は女が嫌いで、女同士はドロドロしているという話が、あるあるネタとして世間や特に男性に刷り込まれている。

ある女性の放送作家さんが、「テレビの企画会議は、謎のおばちゃん像を元に企画が進められていくことが多い」と嘆いていました。**男性の作り手たちが何の疑いもなく、「視聴者=難しい話が嫌いなバカなおばちゃん」だと思っている。

あるいは、男性目線で「朝は爽やかにビキニの女の子に体操してもらおう」という企画が普通に出てくる。それを聞いた彼女が、「三角ビキニの男性が体操したら爽やかでいいですね」とあえて発言したら、みんなハッとしたそうです。

* 2020年1月にTBSやテレビ朝日の情報番組で電車の女性専用車両でのトラブルや「女性専用車両に乗りたくない女性たちが増えている」といった特集が相次いで放映された。ネット上では「トラブルは一般車両でも起きる」「専用車両をネタにした女性たたき」などと炎上した。

**参考記事「テレビ業界に蔓延する“謎のおばちゃん像”って?」

浜田:そういうことって、小島さんがテレビ局社員だったころからありましたか?

小島:入社してすぐに「ヤバいな」と思いましたよ(笑)。最初は、「女子アナ」という言葉が気持ち悪かったですね。そこで初めて、ジェンダーの問題に目覚めました。どこに行っても、「女子アナらしくしろ」「女子なんだから」と言われて……。よく考えてみたら、めちゃくちゃ男が多い職場だなと。当時は明確に言語化できませんでしたが、「この業界、ヤバくないか?」と思っていました。

浜田:私も新聞社に28年間在籍していましたが、新聞社もめちゃくちゃ男性が多くて。でも、入社したての1990年代は、恥ずかしながら「この業界はおかしい」と思っていませんでした。もちろん、今振り返ってみると、「あれはセクハラだったな」と分かるんだけど、当時は、「長時間労働とおじさんからのベロベロに耐えて、良いネタを取らないと!」という気持ちがすごくて。感覚が麻痺(まひ)していたと思います。

そんな状況のなかでも、同期でジェンダー意識の高い女性記者が、いろいろな問題に対して声を上げていたんです。すると、「あいつ、面倒くさいな」と言われていて、正直怖かったです。「私はレッテルを貼られるのは絶対に嫌だ」と思って、自覚的に男性グループの中に入るようにしてました。

浜田敬子さん

浜田敬子さん

小島:それをやると心が折れませんか? 私もやりましたけど……。「どうすれば職場の男性たちにウケるのか」ということを、いつも考えていましたね。

例えば、私はすごく胸が薄いんですけど、それをからかわれたときに、「そうなんですよ~。乳首は前後の確認のために付いてるんです」って。どっとウケるんですよね。笑わせたら勝ちみたいな気持ちはありましたね。

当時は、「貧乳を自虐ネタで面白くできる私って、なんて才能あるのかしら」なんて思っていましたけど、今思えば、何でわざわざルッキズムを強化して笑いを取っていたんだよと。腹が立つし、気付いていなかった自分を悔いてます。

ただ、当時もこの業界で生きるために、こうせざるを得ない悲しみは常に感じていました。だから、いつも心の中では怒りながら笑わせていました。ずっと自分が怒っていることは知っていたし、「何に怒っているんだろう?」ということは常に考えていました。

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女性の数を増やせば空気は変わる

浜田:私は、1999年に男性記者ばかりだった『週刊朝日』から、女性記者の比率が高かった『AERA』に異動したのですが、そこで先輩の女性記者たちが、専業主婦の生き方や苦しみといったテーマを取り上げていました。

最初は正直、「なんでこんなことをやっているのだろう?」と思っていたけれど、議論をしていくうちにどんどん自分が変わっていったんです。ある程度、女性の人数がいるところで自分たちの問題を議論することで、自分の考え方が変わり、働く女性の問題を取材するようになりました。

数がいるってすごいことなんです。数がいると、自分たちの問題を言えるようになる。当時も、女性の生き方路線で紙面を作成したら、部数がグンと伸びましたね。女性の主張を載せたら売れるということが分かったんです。「男中心の政治経済こそニュースで、女子供のコンテンツはニュースじゃない」と主張する男性記者たちとの路線闘争もありましたが、「人の内面こそがニュースで、自分たちが一番関心あることがニュースだ」と確信しました。

人数がいると、作り手の意識を変えることができるし、メディア全体を変えることができる。これは、テレビ局が抱えている問題にも通じると思うのですが。

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小島:そうですね。もし今私に何億円か資金があったら、会社をつくって、女性の人材発掘と育成事業をやって、で、どこかと組んで、制作者と出演者の最低50%は女性が占めるオンライン放送局を立ち上げたいです(笑)。

こう言うと必ず「女性を増やせって言うけど、女性なら誰でもいいというわけではない」と言う人もいる。でも、そうじゃない。だって、「女性は全員、優秀な人をそろえろ」って言われたら、「じゃあまず、男性全員を優秀な人にしてくれませんか」ということになりますよね。男は雑多でいいけど女性はとびきり優秀な人だけとか、若くて可愛い人だけ、では不公平でしょう。

まずは数なんです。数がいれば幅が出ます。男性にも優秀な人とそうでない人がいるように、女性も同じで、いろいろな才能、いろいろなレベルの人がいて、その中から優秀な人物が育つようにすることが大事ですよね。

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情報元リンク: ウートピ
「誰でもいいわけじゃない」って言うけれど…それでも女性の数を増やしたほうがいい理由

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