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「私が頑張ればいいんです」自己犠牲から卒業するためのライフハック【アルテイシア】

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ひがみ、ねたみ、そねみなのか、無邪気なのか。アドバイスかクソバイスか……。私たちをモヤっとさせる言葉を収集する「モヤる言葉図鑑」。

作家のアルテイシアさんと一緒に「モヤる言葉」を観察していきます。今回は「私が頑張ればいいんです」です。

新刊が、出ます!

新刊『モヤる言葉、ヤバい人』が6月中旬に発売される。こちらには本連載と「マイナビウーマン」の連載に加筆修正したコラムと、書き下ろしコラムを収録している。

新刊にはモヤる言葉に言い返す方法や、ヤバい人から身を守る方法など「言葉の護身術」を詰め込んだ。

明菜返し、エジソン返し、哲学返し、猫&BL返し、ナイツ返し、ネズミ返し、マンスプ返し、イキリオタク返し、オカルト返し、エシディシ返し、アナル返し…その他、あらゆるシチュエーションに対処する術を綴ったので、参考にしてもらえると嬉しい。

さて、今回のお題は「私が頑張ればいいんです」だ。

<仕事を抱えこむタイプの同僚に「大丈夫?」と聞いても「大丈夫です、私が頑張ればいいんです」と返ってきます。真面目で責任感が強いのは長所だけど、周りにヘルプを出せないのは心配です>

とある女子からこんな意見が寄せられた。

責任感が強い真面目な頑張りやさんは、1人で抱え込んで追いつめられがちだ。人は長期間ストレスにさらされ続けると、逃げる気力すら失う「学習性無気力」の状態になってしまう。

「KAROSHI」という言葉を海外に輸出しているヘルジャパン。長時間労働を押しつける企業側の問題は大きいが、日本人のメンタリティーにも問題があるんじゃないか。

置かれた場所がドブでも咲ける…?

日本人は子どもの頃から「我慢!忍耐!努力!」と教育されているため「もう無理っす」と認めるのが苦手だ。それで限界まで頑張り続けて、ぶっ壊れてしまう人が多い。

ブラック校則もたびたび話題になるが、「理不尽な扱いをされても黙って耐えろ」と教育されると、それが理不尽だと気づけなくなり、自分を守ること、声を上げることもできなくなる。

また自分が我慢していると「みんなも我慢するべき」と他人にも厳しくなりがちだ。「本人の努力不足」と自己責任論を刷り込まれると、政治や社会の問題にも気づけなくなる。

「置かれた場所で咲きなさい」という言葉があるが、置かれた場所がドブだと永遠にドブから抜け出せない。無理や我慢が苦手な方が自分を守れるし、むしろ自分に合った場所を見つけやすい。

私はアスファルトをぶち破るド根性大根にはなれないと自覚している。

また45歳の私は年齢的にも無理がきかなくなって、ゆるい働き方しかできない。この無理がきかなくなることを自覚するのは、大切だと思うのだ。

「終わらない悪夢を見てるようだったよ…」

新卒で入社した広告会社は「仕事のために心臓を捧げよ」みたいな社風で、ポンコツ社員だった私は「なんの成果も得られませんでした!!」と慟哭する日々だった。

今でも当時の夢を見ては、汗びっしょりで目を覚ます。そして「終わらない悪夢を見てるようだったよ……」と進撃のユミル顔で呟く。

また「全力で頑張らないと、期待に応えないと愛されない」という毒親育ちの影響もあったと思う。結局、転職をしても30代半ばまでは自分を追いつめがちだった。

そこでこのままじゃいかんと思って、40歳になる前に仕事を整理した。大量生産していたゲームのシナリオの仕事を全部やめたのだ。

というのも「もし今、余命宣告されたら?」と考えた時に「あんなに仕事ばっかりするんじゃなかった…」と後悔すると思ったから。

これは余命宣告された日本人が言う台詞ナンバーワンだ、と医者の友人が話していた。 イタリア人は「もっと食べて歌って恋をすればよかった…」と言うのだろうか。

イタリア人のことは知らんけど、過去の私は電撃ネットワークのゴムパッチンみたいに、限界ギリギリまで頑張らないと自分を許せなかった。それで「ゴムパッチン教から卒業するぞ!!」と決意したのだ。

仕事を減らしてしばらくは罪悪感や不安を感じたけれど、あっという間に慣れた。「痩せるのは大変だけど太るのは楽ちん」みたいなものである。

そして現在はゆるゆるライフを満喫しながら、あんな働き方は二度とできないと実感している。

ちなみにゲームの仕事を辞めたら、もともと書きたかった女性向けコラムの依頼が増えたので、人生とは珍奇ナリ。

松方弘子になれない自分が悔しかったけれど

また時間的にも精神的にも余裕ができたことで、新しいことも始められた。

41歳の時にオンラインサロン「アルテイシアの大人の女子校」を始めて、それが今ではライフワークになっている。女子校ではハイキング部も発足したので、足腰を鍛えて尿漏れしないおばあさんを目指している。

振り返ると、20代はピチピチギャル(JJ古語)なのに、いつも疲れていた。整体やマッサージに課金しても疲れがとれなくて「冗談はよし子さん」と思っていたが、今はすこぶる健康で「だいじょーV」とダブルピースしている。

それは、そもそも疲れない生活をしているからだ。ゆるい働き方なので稼げないけど、疲労やストレスがたまらないため、医療費は節約できる。

広告会社時代「お前は何のために働いてるんだ?」と上司に詰められても「給料と社会保険のためです」とは絶対言えない空気だった。

当時の私は『働きマン』の松方弘子みたいになれない自分を責めていた。一方、周りの若い女子たちは「私が働いてるのは、推しのためです」と宣言して「だから定時で帰ります」と趣味やオタ活を楽しんでいる。

そんな彼女らを見ると、頼もしいなと思う。

バブル時代に「24時間戦えますか?ジャパニーズビジスマン」というCMが流行ったが、その話を若い人にすると「24時間働いてる間に誰が家事や育児をするんですか?」「そんなブラックな会社ヤバすぎるでしょ」との感想だった。まことにおっしゃる通りだし、若い人が離れていく会社に未来はない。

今の私は「24時間戦え……」と聞かれたら「無理!」と食い気味に答える。全力で頑張る人を尊敬するが、自分はそんな生き方を続けるのは無理だった。そのことに40歳になる前に気づけてよかったと思う。

助けてと言えるのが強さ

頑張りすぎてしまうという同僚氏の話に戻そう。 もちろん頑張ることは悪いことじゃないが、頑張りすぎるタイプは、自分が頑張りすぎていることに気づけない。

「1人で抱え込みすぎだよ、金田一の犯人よりやること多いでしょ」と人から言われる状況でも「甘えちゃダメだ、こんな弱い自分はダメだ」と自分を責めてしまう。

そんな頑張りやさんには「自らヘルプを出せることが強さだよ」と言いたい。人生で一番大切なことは、助けを求める力だと思う。

私自身「あの時、誰かに相談できていれば…」と後悔することが多いので、法螺貝を拡声器にして伝えたい。

「自分さえ頑張れば、我慢すれば」という自己犠牲思考がマイナスに働くこともある。

たとえば、仕事をムチャぶりする上司がいる職場で「私が頑張ればいいんだ」と背負い込むと、上司のマネジメントの問題点は解消されない。またセクハラやパワハラを「私が我慢すればいいんだ」と黙って耐えていると、新たな被害を再生産してしまう。

理不尽な行為に我慢しないこと、ちゃんと声を上げることは、自分も他人も大切にすることなのだ。なので「これっておかしくないですか?」と周りに相談して、協力して声をあげてほしい。

いつも心に法螺貝を

自己犠牲思考が強いと、プライベートでも厄介な人を引き寄せてしまう。「モラハラに利用&搾取されてたまるかよ!」と、しっかり自己防衛してほしい。

そのために、いつも心にイマジナリー法螺貝を。かつ自己犠牲思考から卒業するために、以下のライフハックを参考にしてほしい。

1.WANTとMUSTを整理する

自己犠牲思考の強い人は「~すべき/すべきじゃない」を優先して「(自分は)~したい/したくない」がわからなくなりがちだ。またWANTとMUSTがごっちゃになりがちなので、整理するクセをつけよう。

その際は「Don’t think. FEEL(考えるな、感じろ)」というブルース・リー先生の言葉を唱えよう。

自分の感情(心の声)を無視して押し殺していると、自分で自分のことがわからなくなる。自分が本当は何がしたいのか? 何がほしいのか? どう生きたいのか?がわからないと、迷子になって生きづらい。

なのでブルース・リーに擬態して、イマジナリーヌンチャクを振り回してほしい。

2.ジョースター方式で逆に褒める

ジョナサンの父、ジョースター卿*の「逆に考えるんだ」というアレである。過去の私は自己肯定感の低さゆえ、全力で頑張って結果を出さないと自分を認められなかった。

*『ジョジョの奇妙な冒険』第1部『ファントムブラッド』の登場人物

それは「お前みたいにガサツな女は結婚できない」等など、毒親に否定的な言葉をかけられて育った影響が大きかった。

私はガサツな性格だが、そのぶん夫が部屋を散らかしても気にならない。つまり「ガサツだから結婚できない」は「大らかだから夫婦円満」に言い換え可能なのだ。

また私は整理整頓や規則正しい生活が苦手で、ていねいに暮らせないことがコンプレックスだった。

けれども夫に「ていねいな暮しは狙撃されやすい」「部屋に障害物が少ないし、毎日決まった行動パターンだから敵に動きを読まれやすい」と言われて「ていねいな暮しが苦手だから、狙撃されにくいのさ」と思えるようになった。

「逆に褒めるトレーニング」を続けると思考のクセが変わってくるので、試してほしい。

3.寝起きに褒め言葉を唱える

これは田中圭一さんの著書『うつヌケ』で紹介されていた方法だ。 

「朝起きぬけで意識がハッキリしない時って、顕在意識と潜在意識の境界があいまいになっているので、潜在意識に言葉がスッと入ってしまいやすいのさ」とのことで、寝起きに自分を褒める言葉を唱えることで、肯定的自己暗示ができるらしい。

なにぶん寝起きなので「私最高…めっちゃ最高…」とカサカサの声しか出ないが、私も毎日続けるうちに「最高かもな?」という気分になってきた。こちらもタダで簡単にできるので、試してほしい。

人生百年時代、死ぬまで頑張り続けるなんて無理である。年をとるとできないことが増えるし、誰でも助けが必要になる。困った時はお互いさま精神で助け合えるのが、みんなが生きやすい社会だろう。

そんなわけで私も頼ったり頼られたりしながら、食べて歌って推しを見る生活をしたいと思う。

(イラスト:飯田華子)

情報元リンク: ウートピ
「私が頑張ればいいんです」自己犠牲から卒業するためのライフハック【アルテイシア】

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