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「心配」を起点にルールを作るとどうなる? ユニリーバの人事制度に学ぶ

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朝の2時間は自宅で勤務して、満員電車を避けて出社したい。子どもが熱を出したからその日だけ自宅勤務に切り替えたい。本当はそういう働き方もできるはずなのに、毎朝満員電車に乗って会社に行くことが“仕事”だと思っていませんか?

2018年11月27日、鎌倉芸術館小ホール(神奈川県鎌倉市)で鎌倉市内にてテレワークを推進する「鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会」の発足式が行われました。この式にはユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社で取締役人事総務本部長を務める島田由香さんが登壇。同社で取り組む人事制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」について講演を行いました。WAAが変える日本の働き方とは——? 講演の一部を編集してお届けします。

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前編:やる気のない人より厄介な「不満をまき散らかす無気力社員」

WAA(ワー)で「毎日がポジティブになった」

ユニリーバで実施されているWAAは、工場、営業の一部を除いた全社員が対象で、働く場所・時間を自由に選べる制度です。例えば、上司に申請を行えば理由を問わず会社以外の場所(自宅、カフェ、図書館など)でも勤務できます。また、平日の6時〜21時の間で自由に勤務時間や休憩時間を決めることができます*。期間や日数の制限がないのも特徴です。

* 1日の標準労働時間は7時間35分、1ヶ月の標準勤務時間=標準労働時間×所定労働日数とする。

この制度を取り入れた後の変化について島田さんは次のように説明します。

「生産性というのは、私の大嫌いな言葉なのですけれども(苦笑)。皆さん気になる点ですよね? こちらは平均して、30%上がりました。そして、社員へのアンケートで『毎日がポジティブになった』(67%)、『幸福度が上がった』(33%)という結果も出ています。(WAAを導入するにあたって)コストはほとんどかけていません。かかったものは1つだけ。勤怠のシステムをアップデートしてWAAができるような仕様に変更する数十万円でした」

好循環のファーストステップは「自分で決める」こと

そして島田さんは次のような社員の声を紹介して、大切なことは「自分で決めること」だと説明します。

・通勤ラッシュを避けて出社したり、仕事に集中できる時間を自分で選ぶことで効率が上がった

・(オフィスに行く日も)目的をハッキリさせることができたので、結果有意義に過ごせるようになった」

「これらの意見には、自分で選択する、自分で決めるということが関係しています。私たちはこの2年半、働き方を変えることで何が変わるのか、特に生産性という観点から、何がキーワードになるのかを調べてきました。その中で自信を持って言えることがいくつかあります。そのうちの1つが『自分で決める』ということ。オフィスに来る日も、オフィスに来る目的も、選択肢がたくさんある中で、(社員が)自分で決めているのです。

それがどのような効果をもたらすか。私は、NLP(神経言語プログラミング)を用いたコーチングや能力開発をしています。その(脳科学の)観点から見ても『決める』ということの意義、そのパワフルさは証明されているのです。

要するに、自分で選ぶと、『選んだ』という事実が記憶になります。そしてその記憶は、脳における『目標』になります。脳は目標ができると、そこに向かって『達成しよう』という意義を生みます。つまり『意欲』になるのです。そして、それを達成すると、『私/僕はやれた』と『達成感・自己効力感』に繋がり、今度は豊かな気持ちやリラックスした気持ちが感じられるホルモンが出るようになるのです。この脳のサイクルを作れると、仕事にもどんどんと結果が出るようになります」

この1秒はみな同じ1秒

島田さんは会場の参加者に、「働き方改革とは、生き方を決めること、そして今が絶好のチャンス」だと呼びかけます。

「今は、私たちが人間として、本当に豊かに本来の生き方をしていくための大きなパラダイムシフトの時期です。今回の鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会のように、このタイミングで、さまざまな地域との連携が実現するかもしれません。日本全体で『働く場所』『働く意義』について新たな提案や取り組みをすることは、私たちが本来持っている力を上げるのではないかと思い、私は本当にワクワクしています。

だからそんな時に、いつまでも通勤ラッシュを続けないでほしいのです。この1秒はみな同じです。今、みなさんと同じ空間にいて、同じ時間を過ごしています。私は自分のこの1秒を意義あること、価値あること、世の中の何か役立つこと、自分の喜びに繋がることに使いたい。だから、やりたいこと、好きなことしかしません。そのような生き方をしています」

「よりイキイキと働こう」

だけど、フツーの会社ではそんなことできないのでは——? と頭をよぎった言葉をかき消すように島田さんは「やりたい、やろうと思ったらなんでもできる」と続けます。

「私たち(WAA)が成功できたのは、ビジョンからスタートしたからです。“手段”にフォーカスしたのではありません。私たちは『よりイキイキと働こう』をビジョンにしています。このビジョンは今回の研究会ともマッチすると思いますし、ここにいらっしゃる人たち、みんなで協力してやっていけたら良いと思っています」

さらに島田さんは、そのための成功の5つの鍵を紹介します。

「一番大事な『ビジョンからのスタート』。それから『トップのコミットメント』。3つめが『グロースマインドセット』。これは前向きに捉えてみる、ということです。たいてい私たちはすぐ『できない、やったことがない、無理だ……』とできない理由をごまんと並べます。けれど、同時にできる理由もそれ以上に見つかるということに気づいていただきたい。WAAを取り入れた時にもこの『グロースマインドセット』という考え方で進めました。4つめは『テクノロジー』。やはりオフィスの外にいても電話やインターネットを使ってスムーズに情報共有ができることは必要です。最後は『仕事の明確さ』です」

そして最後に島田さんはWAAは性善説に基づいて行われていたことを明かします。

「WAAが実現できたのはなぜか。それは、社員を本当に信頼しているからだと思っています。性善説なんです。通常私たちは“心配”に基づいて様々なルールを作り、そのルールが守られているのかまた心配になってチェックし、守っていない人に罰則を与え……といった行動を繰り返しています。けれど、こんなことはもう止めたいと思います。というか、(ユニリーバでは)もう止めています。みなさんもぜひ、止めてみてください。

“しんぱい”の“ぱ”を“ら”に変えるだけ。心配から信頼へ。それが本当のパラダイムシフトを生むと思っています。信頼できるからこそ、生まれてくる新しいアイデアもあるはずです」

■鎌倉テレワーク・ライフスタイル研究会とは?
都内等への通勤を減らし、鎌倉でテレワークを行うワークスタイルの普及やテレワークに関する情報発信・勉強会の開催などを行っている。
FBページ:https://www.facebook.com/kamakuraworker/

(構成:ウートピ編集部 安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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