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「夫が稼いだお金」に罪悪感があった私が、扶養から抜けて思ったこと

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“ママの求人”でのWeb連載が更新されるたび、Twitterで波紋を呼んだ話題作『夫の扶養からぬけだしたい』(KADOKAWA)。専業主婦のももこがワンオペ育児の苦しみを抱えながら、夢だったイラストを仕事にしていく物語が描かれています。

夫の理解なき言動やすれ違いによって、揺れる夫婦。何のために仕事をするのかという主人公の葛藤に思わず思いを馳せてしまう本作。作者のゆむいさんは、専業主婦から漫画を描き始めて、実際に夫の扶養を抜けました。後編ではそこから得たもの、見えてきた景色について話を聞きました。

【前編は…】「僕と同等に稼いでみなよ!」と夫が言ったらどうする?

働くことで、お金に対する罪悪感が消えた

——作中では、印象的な言葉がばんばん出てきます。専業主婦のももこが自力で家を借りようとしたときに感じる「私の社会的信用は、夫の上に成り立っている」などは、章タイトルにもなっていますね。

ゆむいさん(以下、ゆむい):これは実際に私が体験して、すごくショックだったことなんです。私の父は昔ながらの男性で、よく「女は一人じゃ生きていけない」と言うのですが、いままさに自分がそういう状態に陥っているな……と。漫画の仕事をはじめてから扶養を抜けることができたけれど、実際に抜けるときにはやっぱり不安で、勇気も要りましたし。

——勇気といえば、ももこが家事代行を依頼するシーン。自分を尊重するために一歩進んだ場面だったけれど、ももことしては、かなり勇気を出したんじゃないかなと思いました。

ゆむい:これも、自分が家事代行を頼んだエピソードから着想しています。専業主婦はやっぱり、お金を遣うことに申し訳なさがあるんですよね。しかも、本来なら自分がやるべき家事を手放すとなると、余計に。だけど私の場合は、自分ではどうしてもうまく片付けができなかったから、2時間6000円くらいの代行費は必要経費だと割り切ることにしました。そのときには、もう夫の扶養も抜けていましたし……。家の生活費から出すとしたら、やっぱり無理だったかも。

——扶養を抜けるほど働くようになって、お金や仕事に対する意識は変わりましたか?

ゆむい:お金に関しては、すごく気持ちがラクになりました。前は友達とランチをしたり遊んだりすることに罪悪感があったけれど、自分で稼いだぶんだからいいか、と思えるようになった。仕事については、夫の見え方が変わりましたね。私はフリーランスだからそこまでストレスはないけれど、それでもやりとりがうまくいかなくてイラッとすることはあります。夫はその点、人間関係や組織のストレスもたくさん抱えているんだな……と、わかっていたけれど改めてそういうことを感じました。

『夫の扶養からぬけだしたい』(ゆむい/KADOKAWA)

『夫の扶養からぬけだしたい』(ゆむい/KADOKAWA)

自信を持つための手段が「扶養を抜けること」だった

——本作の夫・つとむしかり、そもそも社会に「稼いでいるほうが偉い」「年収の低いほうは家事を優先すべき」といった意識が根づいていることに、違和感をおぼえています。女性の「男の人より稼げない自分は価値が低い」なんて発言を聞くと、胸が痛くて……。

ゆむい:私の場合はやっぱり、数字のうえで対等ではありません。収入も低いし、家のローンだって夫じゃないと組めない。働きはじめてからも、まだ社会的信用では負けています。だから、家事はやっぱり自分がやるべきだという気持ちにはなる。だけど……。

——だけど?

ゆむい:働きはじめて、自分に自信が持てたんです。「額は少なくても稼げている」「自分のやりたいことでそれなりにやれている」という事実が、私を支えてくれている。それは夫や周囲の価値観とは関係がなくて、自分自身の話です。作品の終盤でも、ももこに同じような台詞を言わせていて、それがこの作品で一番伝えたかったこと。夫の扶養から抜け出すというのは、自信を持つためのひとつの手段だったんです。

——すごく素敵です。しかも、自分が持っている“やりたいこと”のカードを有効に切れているのが、さらにいいなと思います。

ゆむい:フリーランスだとお金や社会的信用を満たすのは難しいかもしれないけど……いつか、好きなことで夫の年収を超えて、札束で夫の頬をぺシーンッてやりたいです(笑)夫も「早く札束で俺の頰を殴れるくらいになってよ」と応援してくれています。

夫婦が対等を目指す先で、社会が変わっていったらうれしい

——ゆむいさんが考える“理想の夫婦”って、どんな夫婦ですか?

ゆむい:そうですね……。夫婦は“対等”を目指したほうがいいとは思います。でも“対等”の正解は人それぞれ。お互いが納得していれば、収入や家事のバランスはなんだってかまわない。つとむとももこは、つとむが常に「お前がやれよ」という命令スタンスで、ももこが不満を持っているのが悲しいですよね。

——ちなみに、ゆむいさんご夫婦の場合は?

ゆむい:私が仕事をはじめる前は、一方通行を感じる場面が多かったと思います。でも、いまはなにか納得できないことがあったら、すこし強気に言い返せるようになって……。わたしは言い返したかったんだな、と気づきました。夫とは年の差もあるからなかなか完全に対等にはなりづらいんですが、どうすればお互いが楽になるのか、ちゃんと話し合えるようになってきたと思う。

——お互いがラクになる方法を話し合うこと、すごく大事ですね。

ゆむい:そうですよね。フェミニスト嫌いの人は「女は義務を果たさないのに権利ばっかり主張する」「男の権利を侵害するな」なんて怒ったりするけれど、男女問わずお互いの権利を守りあって、みんながやりやすいようにできたらいいなと思います。

たとえば、うちの夫は育児にはすごく参加するんです。「女は一人じゃ生きていけない」と言っている父も、一方で私を美大まで出してくれた。つまり、昭和を引きずった価値観を持ちながら、アップデートされている部分もあるわけで……。ちょうど世の中としても過渡期だから、まだ整理のついていない人が多いだけなんじゃないかな。

——すごく苦しい“ふよぬけ”にどこか救いを感じるのは、ゆむいさんのそういう優しい視点があるからなんでしょうね。

ゆむい:いえいえ……。でも、自分たちやこの作品に共感してくださった方々だけでも、ちょっとずつ変わっていけたらいいなと思っています。夫にひどいことを言われても、俯瞰的に相手の事情を見たり、その逆も。誰かを攻撃する前に、相手の背景を想像できたらいいですよね。

——そういう人がすこしずつでも増えていけば、社会はちょっとずつ変わるはずだから……。たると(つとむとももこの子ども)世代が大人になるころには、時代の背景が変わっているかもしれないですね。

ゆむい:20年前の朝ドラを見ると「こんな夫婦の在り方は古い!」とか思うけど、そんなふうに「お母さんの時代みたいな考え方って本当にあったんだね」ってなったらいいですね。

(取材・文:菅原さくら、編集:安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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