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「この母親は最低!」と切り捨てるのは簡単だけど…長澤まさみ主演『MOTHER マザー』が生まれるまで

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女優の長澤まさみさんが主演した公開中の映画『MOTHER マザー』(大森立嗣監督)。2014年に起きた、当時17歳だった少年が祖父母を殺害した事件に着想を得て製作された、長澤さんご本人も「まったく共感できない」と語る母と、息子の歪(ゆが)んだ親子関係を描いた作品です。

製作を手掛けたのは『新聞記者』や『宮本から君へ』『かぞくのくに』など、独自の問題意識や個性が際立つ作品を世に送り続けている映画製作会社のスターサンズ。同社に在籍する本作のプロデューサー佐藤順子(さとう・じゅんこ)さんに『MOTHER マザー』が生まれるまでをテーマに伺いました。

【前編】長澤まさみ演じる「共感できない」シングルマザー 大森立嗣監督がまなざす“社会の外”

佐藤順子プロデューサー

佐藤順子プロデューサー

『MOTHER マザー』が生まれるまで

——映画やドラマなどエンターテインメントにはカラッとした明るさや分かりやすさが求められがちです。しかし、去年話題になった『新聞記者』や、今回の『MOTHER マザー』は、とことん世の中の闇を突いていきます。企画の段階で、どんなところに引かれたのでしょうか?

佐藤順子プロデューサー(以下、佐藤):今回の映画の着想のきっかけになった殺害事件の記事を当社の代表から見せられた時は、つらい事件が世の中にはいっぱいあるし、これを映画にするのは結構きついなと思ったことを覚えています。ただ、記事の内容はずっと引っかかっていました。

やっぱり映画化したいという気持ちになったのは、私自身も子供を産んだ影響が大きかったと思います。息子を育てていく中で、「きちんとした母親をできていない」と不安に駆られながら仕事もしていたので、自分が息子に与える影響を考えるとものすごいプレッシャーで、押しつぶされそうになった時がありました。それで、「あの記事の事件はどうして起こってしまったんだろう」とずっと考えていて、改めてこの作品にチャレンジしてみたいと思いました。

この作品は実話の映画化ではなく、あくまで実話からインスパイアされたフィクションとして作っています。実際の事件をモチーフに扱う映画はものすごく難しく、映画が答えを提示したり、結論付けをしたりしてしまうのは違うだろうという葛藤があったのですが、『あゝ、荒野』(2017年)でご一緒した脚本家の港岳彦さんにプロットをお願いし、予告編でも使われている「舐めるようにこの子を育ててきた」というセリフが出てきたとき、いろいろな物語や発想が生まれて、企画が動き出しました。

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「最低な母親」と切り捨てるのは簡単だけど

——この作品を作るにあたり、意識したことは?

佐藤:大森監督は役者さんの素材の撮り方やアプローチを含めて、もともとリアリティーを追求して生っぽく撮られる監督で、撮影をしたカメラマンもドキュメンタリーも多く手掛けてらっしゃる方です。長澤さんとも話したのですが、登場人物の感情にあまり寄り添い過ぎないように意識しましたね。

——登場人物に「共感」しないようにということですか?

佐藤:おそらく観客は秋子のことを理解できないと思うんです。なぜこんなふうに息子を追い詰めてしまったのか、ということを考えたり判断したりする作業を大事にしてほしかったというか、あまりこういうことを言いたくはないのですが、フィクションなんだけど、作りものじゃない効果を狙いたかった。実際の事件からインスパイアしているというのもあるし、映画で「秋子が、こうだったからこうなりました」という答えのようなものを傲慢(ごうまん)に提示してしまうとある意味で暴力になる。本作を製作することについてとても責任を感じましたし、誠実に作ろうと大森監督や長澤さんやみんなで話したところではあります。

一方で、今お話しした内容と矛盾しているかもしれないですが、こういうことが世の中に本当にある、あなたの横に秋子と周平のような親子がいるかもしれない、という気持ちで見てもらいたい、という思いも根本にありました。

——「こんなひどい人がいるんだ」と突き放して見るのではなく、誰でもこういう状況に陥る可能性はあると、自分と地続きで見てほしいということでしょうか?

佐藤:我が事のように理解できない、「こんな母親は最低だ!」と言うのは簡単なのですが、私たちは生まれてくるときに親を選べないし、「ひどい親」の元に生まれる場合だってある。理解はできないけど、なんとなくこういうことなのか、と感じてもらえる映画を作ろうと。それがうまくいったかどうかは分からないですけど、そういう気持ちではやっていました。

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スターサンズが扱うのは“問題作”ばかり?

——「映画は世の中を映す鏡」というのはよく聞くフレーズではありますが、実際に社会の暗部に目を向けた作品が作られ、さらにそれが興行的に成功するのは難しい現状があります。だからこそ『新聞記者』のヒットは話題になりました。スターサンズにはこうした“他社が尻込みするようなテーマを扱う製作会社”というイメージがあるのですが、意識されているのですか?

佐藤:実は、私たちはあまり意識していなかったのですけど、作品を見た方や、企画の持ち込みをしてくださる監督らから「カラーがある」と言われるようになってきて……。

——すっかり、そういうスタンスの会社だと思い込んでいました。

佐藤:最近、『新聞記者』の影響で問題作の企画ばかりくるようになりましたね(笑)。メジャーと言われる大手が扱わない題材は、うちに持っていけばいいと勧めてくださる方が多いらしくて。ありがたいことに、企画の持ち込みをたくさんいただくようになったんですけど、一概にそういう作品ばかりを扱うわけではないんですよ。

社員も多くないので、自由にいろんな意見を出し合い、話し合うようにしていると、スタッフがモチベーションを持ってやれる作品がチョイスの傾向になってくる。たまたま、そういう作品に興味があるメンバーがそろっているのかもしれないですね。でもたまには普通の恋愛映画とかやりたいです(笑)。

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「未来には夢がありますよ」と言うだけでは無責任

——新型コロナウィルス感染拡大の影響で、映画は興行も製作もストップし、関係者は経済的にも非常に厳しい状況を耐えしのいでいることが、たびたびメディアで取り上げられました。映画作りは「不要不急」の仕事といわれ、経済的な補償も救済措置も十分ではなく、日本における映画など芸術分野の優先順位の低さを痛感しました。

佐藤:これからも映画界は難しい状況になるんだろうなと思う反面、「ミニシアター・エイド」*が成功したように、世の中的にはニッチと言われる(ミニシアター系の)映画でも、必要としているお客さんがこんなにいるんだなと、うれしく感じることもありました。私はミニシアターの支配人出身なので、すごくびっくりしたんです。各館の支配人さんが独自の感性で作品を選び、それぞれの方法で営業してきた映画館が、こんなに日本中で愛されているんだと思うと、うれしかったですね。

もしかしたらこれからは、ニッチでコアな作品のほうが残っていくんじゃないかなと思っています。一般的に商業映画と言われる、大きなパイを狙っていく作品の場合は、現実逃避できたり、ノスタルジーに浸れたりするような題材にニーズがあるのかもしれないけど、私たちのような会社は、よりソリッド(硬派)な題材を扱っていくのも必要なのではないかなと思います。

若い人たちに「未来には夢がありますよ」と言うだけでは、無責任じゃないですか。生きていくうえで、どうやって自分と折り合いをつけて、希望を見いだすのかーー。そんな映画を作る会社を目指していけたらなと思っています。

*新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて閉館の危機にさらされている全国のミニシアターを守るため、立ち上がったクラウドファンディング。3億3000万円以上が集まった。

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■映画情報
『MOTHER マザー』
7月3日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
コピーライト:(C)2020「MOTHER」製作委員会
配給:スターサンズ/KADOKAWA
 

情報元リンク: ウートピ
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