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母からの期待に応えてきたけれど…“ガマンしない娘”が増えてきた【上野千鶴子×田房永子】

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母からの過干渉に苦しんだ自身の経験をつづったコミックエッセイ『母がしんどい」で知られるマンガ家の田房永子(たぶさ・えいこ)さんと社会学者の上野千鶴子(うえの・ちづこ)さんが母娘問題やセクハラ、結婚、恋愛、子育てなどについて7時間ぶっ続けで語り合った共著『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」(大和書房)の出版記念イベントが1月16日、東京都内で開催されました。

「フェミニズムとは何なのか?」をテーマに熱いトークが展開された様子を一部編集し、前後編にわたってお届けします。

【前編】“18歳のおっさん”を再生産しないために必要なこと

“毒親”は「性格がヘンな私のお母さんの話」ではない

上野千鶴子さん(以下、上野):私が団塊世代で、田房さんが団塊ジュニア世代。ちょうど親子くらいの年齢差だから、子どもがいたらこういう娘がいたかもね。

田房永子さん(以下、田房):そうなんですよね。だから、私としても母親世代の女性がどんな青春時代を送ってきたかを聞くことはすごく重要で。私が“毒親”関連の本を出版すると、30代、40代、50代の女性から、「私もまったく同じことをされました。同じことを言われました」という反響がたくさんくるんです。

実は、本を出版するまでは“毒親”は私のお母さんの話だと思っていました。性格がちょっとおかしいから呪いをかけちゃうんだって。でも、母親の世代が同じような女性たちの反響を読んで、「なぜこんなに同じことを言われてるんだろう?」という疑問がずっとあったんです。

個々の性格ではなくて社会の問題がすごくあるのかもしれない。その答え合わせという意味でも、この本を作ったことは癒やしになりました。上野さんのお話を聞いて、団塊世代の女性たちが家事も育児も介護も社会からすべて押し付けられていたということを理解できました。

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上野:「個人的なことは、政治的なことである」っていうフェミニズムの標語がある。

私たちの世代は、男女共学の戦後教育の中で平等をタテマエに育ってきました。それで、“友達夫婦”という掛け声に乗せられて、「結婚相手は見合いじゃなくて、恋愛で選ぶんだ」って結婚したら、男は稼ぎ、女は家庭みたいなところにまんまとどっぷりはめられた。団塊世代の男って、本当に頭の中がおじさんだから、女たちは「騙(だま)された!」という気持ちがすごく強いのね。

田房:今もあんまり変わってないですよ。団塊世代と私たちの世代で違うのは、団塊世代は女性たちが家庭内でしか爆発できなかったこと。子どもに向けて爆発することしかできなくて、社会現象として受験戦争もあったから、そっちにエネルギーをつぎ込んでいったのかなって思います。

母親からの期待に健気に応える娘たち

上野:団塊世代の女性たちには、子どもに向けてエネルギーを爆発させる以外に不倫と地域活動でガス抜きをする選択肢もあった。不倫も地域活動もしていなかった田房さんのお母さんは、とぐろを巻いたエネルギーを、全部子どもにぶつけたのね。普通の子どもなら、つぶれていたかもしれませんよ。

田房:私にもそんな母親のDNAがあるので跳ね返したのかなと思います(笑)。でも、私たちの世代はそんな母親たちの行き場のないエネルギーをすべて注入されちゃったという感じで。

「手に職を持て」「夫に頼らないように、経済的に自立しろ」と、自分たちの世代ができなかったことを要求しつつ、「結婚して子どもを産め」とも言ってくる。すごくハードルの高いことを言われたという人が、とても多いんです。

上野:「私たちのようになるな」と「私たちのようになれ」っていうダブルバインドなメッセージを同時に出してるのよね。それは股裂き状態にもなるわね。私は、結婚も出産もしなかったから、母親に「自分の人生を否定された」と恨まれました。

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田房:娘の生き方で、自分の生き方を判定するみたいなところがあるのかな? でも、母親世代がまいた呪いという爆弾の種は、ちゃんと私たちの世代で爆発していますよ。

上野:母の呪いの種が芽吹いて、花開いたっていう感じよね。私もどこかで母親のためのリベンジを果たした気がします。私は元々、主婦研究者なの。「主婦って何する人なの?」と考える研究者のこと。10年かけて『家父長制と資本制』いう本を書いたら、主婦研究って奥が深かったわね。

「誰のお金で食わせてもらってるんだ!」って言う父親に対して、主婦しかできなかった母親が「誰のおかげでお前が外に行けてるんだ!」と言い返すことができる論理的な根拠を示せたわけだから。これで私は、母親のリベンジ戦をやったんだって思いました。

田房:母親の思いに、娘たちは健気(けなげ)に応えているわけですね。

上野:娘って健気だよね。やっぱりどこかで母親のことを愛してるし、決して母親の不幸を願っているわけじゃないのよ。

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伝わらなかったフェミニズムのメッセージ

上野:田房さんは結婚しているけど、両親をみて、「私も家庭を持ちたいな」って思ったの? “負け犬”なんてヤバいと思った?

田房:結婚は当たり前にするものだと思っていましたね。“負け犬”は、めちゃくちゃ怖い言葉でしたし。とにかくネガティブな言葉でしたね。

上野:酒井順子さんの『負け犬の遠吠え』を読んだら、実際に“負け感”なんてないのだけれど、あの当時は、メディアが、まじめに「勝ち犬・負け犬」論争をやってたもんね。“負け犬”も呪いだったのね。じゃあ、「男に選ばれない私は価値がない」みたいに思ってた?

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田房:そうですね。めちゃくちゃ呪いでしたね。とにかく怖かったです。

上野:私たちもそういう呪いの中で生きてたのよ。「男に選ばれない私は価値がない」だけじゃなく、「選ばれないと食べていけない」っていうのもあった。

あの当時、ウーマン・リブやフェミニズムは、「私の価値くらい自分でつくる。男に与えてもらわなくてもいい」って表明したはずなのに、そのメッセージは次の世代にちっとも伝わってなかったのね。フェミニズムっていう言葉も、外国で知ったという人が多くてショックだった。何が問題だったんだろう?

田房:確かに、日本人同士でフェミニズムの話はあまりしないですよね。私たちの世代は、青春時代に「TVタックル」での田嶋陽子さんに対するひどい扱いを見ていたので、「こういうことを言うと叩かれるんだ」ということがインプットされているのかも。

学生時代、「男にモテないから、フェミニズムの本を読んでいることは誰にも言わない」と言っている友人もいました。

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我慢しない娘たちが育ってきた

田房:今のテレビ番組はすごく変わったと思います。あるお笑い芸人のネタも、ミソジニーがひどくて辟易(へきえき)していたのですが、最近は全然違うネタをやっています。若い世代のお笑い芸人も、すごく優しい雰囲気なんです。一番大衆に近いのがお笑いなので、ネタって世の中を反映してると思うんですよ。

上野:マーケットに合わせて、変節したのね。

田房:お笑いはどんどん変節して、柔軟に変わっていってる。政治家とはまったく違うなって思います。政治家こそ、毎年毎年変わらないといけないのに。でも、メディアがあれだけ変わったら、ちょっとは希望があるのかなと思うのですが……。

上野:本当にね。政治家こそ、「世論の動向を気にして変節しろよ!」って思いますよね。私が最近、変化を感じるのは、こんなベタなタイトルの本が出版できるようになったことも含めて、若い世代がフェミニズムという言葉にためらいがなくなった感じがすることです。

私たちのすぐ後の世代は、フェミニズムなんてやると「男を敵に回しそう」「トクなことは何もなさそう」と思って、感じていても口には出さない人が多かった。でも、若い世代は、「こんなバカなことがあっていいわけはない」と率直にハッキリ言うようになったなと思います。

田房さんも、我慢を覚えないで育った娘でしょう? やりたいことをやってマンガ家になったのよね。そうやって、我慢しない娘たちが育ってきたなと感じています。

これまでの女性は、自己利益よりも、夫や子どもや他人の利益を優先して、自分は二の次にするのが「女らしい」と言われてきたわけ。だけど、今は自己利益を最優先する女性が大量に育ってきてる(笑)。こんなことは、日本史上初めて。自己利益最優先の女性がこんなに大量に生まれたことが、歴史上の快挙です。母親がまいた呪いの種がちゃんと育っているのよ。

田房:ちゃんと爆発してます。母親の過干渉に苦しめられた恨みをはらす作業はすごく大変でしたが(笑)。社会全体でみると、世代を超えた女性同士の結託みたいなものを感じますね。

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情報元リンク: ウートピ
母からの期待に応えてきたけれど…“ガマンしない娘”が増えてきた【上野千鶴子×田房永子】

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