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SNSで自分を大きく見せようとしていた、あの頃。『平熱のまま、この世界に熱狂したい』

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宮崎智之さんの新刊『平熱のまま、この世界に熱狂したい 「弱さ」を受け入れる日常革命』(幻冬舎)の出版記念イベントが2月5日に下北沢B&Bで開催され、オンライン配信されました。

ゲストに、映画監督の今泉力哉さん、モデルの長井短さんを迎え、司会を同書の担当編集者である幻冬舎の竹村優子さんが務めました。イベントの様子を編集してお届けします。前後編の後編は「SNSとの付き合い方」について。

SNSで自分を大きく見せたいと思っていた頃

宮崎:僕は以前、アルコール依存症だったんですよ。お酒をやめたのは35歳くらいのときで、今は4年と9ヶ月、お酒を全く飲んでいない状態です。

文筆業を始めて約15年になりますが、最初の頃は「文筆家の世界とは……」みたいなイメージがあったんですよね。例えば、太宰治とか坂口安吾とか、新宿のゴールデン街で殴り合いをしてなんぼ、みたいな。そういう世界に憧れがありました。

また、文筆業を始めた2005年はmixiの誕生と同じころでした。それが自分にどう影響したかというと、SNSで自分を大きく見せなきゃとか、自分をもっと宣伝しなきゃ、強くならなきゃ……といったプレッシャーを覚えたんですよね。今思えば、どうしてそんなに焦っていたんだろうと思うのですが。虚勢を張って強く見せているけれど、本質的にはそうではない自分がいて、そこを補うためにお酒の力を利用していました。

ところが、次第に目的が入れ替わってしまって。お酒を飲むためになんだかんだと理由をつけるようになった。そしてアルコール依存症になり、アルコール性の急性すい炎で2度も入院して、いよいよ命もやばいぞ、という状態に。

そこで考え方を改めたんです。創作をするときに熱狂型であることへの憧れは今でもありますが、そうじゃない方法もあるのではないかと。模索した結果が、「平熱」でした。本書では、この「平熱のままで生きる」、もしくは「平熱のままクリエイティブであり続ける」というコンセプトについて過去の文芸作品や音楽などを引用しつつ考え、「人間の弱さ」を受け入れ、敏感になることが第一歩であると、現時点でのスタンスを示しました。

でも、お酒をやめたときは欠落感がすごくて、もう書けないかもしれないと思うこともありましたけど、そんなことはありませんでした。熱狂より平熱が優っているなんてことを言いたいわけではないけれど、平熱だからこそ見えるものもあるなと気づきましたね。

自分で自分のウィキペディアを編集したら…

今泉:映画業界は、作りたい人も多いし基本熱狂型です。僕としては作らずにいられない人に憧れもあります。ありがたいことに年に2本公開できるようなペースで作品を作っているので、僕自身が熱くてアイデアが湧いてくる側のように見られることもあるんですけど……。実はめっちゃ遅いし、作りたい欲がそんなにあるほうでもないんですよ。基本、寝ていたいというのがベース。

長井:そうなんですか!?

今泉:はい。もちろん表現することは好きなんですけど、すごいペースでアイデアが湧いてくるというよりは、毎回枯渇状態から。ゼロベースで臨んでいます。でも、さっきの宮崎さんのように、SNSで大きく見せる、そういう時期もありました。自主映画をつくっていた頃に、自分で自分のウィキペディアのページを作って。

一同:おお!

今泉:ある映画賞を獲ったときに、これは俺のウィキを作ってもいいだろうと思って。自作して、経歴とか短編作品の履歴とかを書いて登録したんですよ。そしたら、編集部の判断で「時期尚早」と削除されて。

長井:え、そんなことあるんだ。

宮崎:出典不足とか、そういうやつですよね。

今泉:mixiでも、友人に「今泉力哉」っていう名前のコミュニティを作ってもらったりもしていました。覚えてもらうために毎回赤いカーディガンを着続けたこともあります。今考えると相当な熱量ですよね。

リツイート数とクリック数

今泉:今でも映画公開時などは、SNSで宣伝するし、エゴサーチもします。でも時々疲弊するんですよね。

宮崎:エゴサーチ問題ありますよね。

今泉:チラシを手渡しして「じゃあ行くよ」というやりとりがあったころが健全だったというか。SNSでは顔が見えないので、誰に届いているかわからないですよね。2010年ごろの話なんですけど。高円寺の路上で映画『たまの映画』のチラシ配りをしていたら、50歳くらいの会社員のおじさんが受け取ってくれたことがありました。「今、君からこうやってもらったから、僕はこの映画を観に行くね」と言ってくれて。「ネットでワンクリックで得られる情報はワンクリックで忘れるから」と言われたことも覚えています。

宮崎:ああ、なるほど。

今泉:直接顔を合わせてだと、物理的には1人から1人にしか伝わらないけれど、そちらのほうが強度は断然強いと思います。

宮崎:それは確かに思う。ツイッターだとリンクのクリック数が見えるじゃないですか。リツイートされている数より、少ないこともあるんですよね。

長井:はぁぁ、そんなことが。リツイートはするけど、内容は見ていないんですね。

SNSを仕事で使用する違和感

宮崎:長井さんは僕と今泉監督とは世代が違うので、SNSとの付き合い方も違うのかなと思います。

長井:私のSNSの始まりは中2のときにmixi。あと前略プロフィールです。

今泉:「中2のmixi」って何かのタイトルっぽいですね。

長井:(笑)。生活の中に当たり前のようにあったので、お仕事として使うのに違和感がありますね。もともとツイッターを始めたときは、放課後に「今からマック行くから誰か来て」ってつぶやいて、それを見た人が「来たよ」っていうのが楽しかったのに、今そんなことをしたら絶対に怒られるし、言えない。

今泉:僕は今でもたまにやってますけどね。「誰かご飯食べませんか」とかって。男性で、かつ、匿名じゃないから、やりやすいというのはあるんだろうけど。

長井:いいなぁ。だから、時々誰々さんの裏アカって問題になるじゃないですか。でも、私には裏アカを作りたくなる若い子の気持ちがわかる気がします。クローズドな状態で友達と交流していたから楽しかったんだろうなって。

宮崎:プライベートで身近なところにSNSがあったという体験は僕と今泉監督にはない体験ですね。

長井:フォロワーが多いほうがイケてるっぽく見えるよねという認識はあったのですが、でもだからといってフォロワーを増やすために何かするのはダサいというか恥ずかしいという感覚もあって。もともとフォローしてくれている人がリアルな知り合いだから、余計にそう思うのかもしれません。いまだにフェイスシールドをして現場で撮った写真をあげるのってちょっと恥ずかしいですもん。「あ、私いまちょっと(芸能人)ぶってるな」って。

宮崎:ここ最近の潮流からすると、平熱型より熱狂型のほうがクリエイティブだと、なんとなく思われてきたし、僕も思っていました。今でもやっぱり押しが強い人が強いし、その流れをドライブさせるツールとしてSNSがある。長井さんのような、実際に芸能人なのに「あ、私いまちょっと(芸能人)ぶってるな」と、自分を俯瞰して見てしまう人には厳しい世の中です(笑)。

一方で、そうした時代のスピードや熱狂に、疲れてしまっている人もいる。僕は、長井さんと同じ「俯瞰派」なんですけど、知名度が低いのに俯瞰していても誰も言及してくれないから、あえて俯瞰派ではない振りをして、「ベタ」に振る舞ったりする。俯瞰しながら「僕は俯瞰派ではない!」とアピールするのは、正直、疲れます。今、クリエーターはSNSとどう向き合うかを考え、創作活動や告知などに役立てつつ、その個人にあった使い方を模索するべきなのかもしれません。

僕は、「平熱のまま」だからこそ見えるものをしっかり見て、しっかり感じて、これからも文章を書き続けて行きたいと思います。本日は、ありがとうございました。

(構成:安次富陽子)

■information

今泉力哉監督の映画『街の上で』が4月9日に公開されました。新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。

恋愛メディア「AM」での人気連載をまとめた長井短さんのエッセイ集『内緒にしといて』(晶文社)が発売中。

情報元リンク: ウートピ
SNSで自分を大きく見せようとしていた、あの頃。『平熱のまま、この世界に熱狂したい』

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