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GW明けは不登校が増加…不登校新聞編集長に聞く、親ができること

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今年のGWは、平成から令和への改元に伴って多くの企業や学校が10連休に。

自分の子どもや親戚の子どもなど、身近に子どもがいる人は一緒に遊ぶ計画を立てている人もいるのでは? しかし、大型連休明けは不登校や自殺が心配されています。

日本で唯一の不登校専門誌「全国不登校新聞社」の石井志昴(いしい・しこう)編集長は「内閣府の調査でも累計で80人を超える子どもの自殺は『夏休み明け』『春休み明け』『5月連休明け』の三つに集中しています」と話します。

そこで、自身も不登校の経験があり、これまで不登校の子どもや親など400人以上に取材してきた石井編集長に、子どもを持つ親や周囲の大人が連休中と連休明けに気をつけることについて前後編にわたってお話を伺いました。

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GWは環境の変化による疲れが出やすい

——そもそもなのですが、「休み明けに不登校や自殺が多くなる」のはなぜなのでしょうか?

石井志昴編集長(以下、石井):まずお伝えしたいのは、休みが悪いわけではないんです。GWは新学期の疲れやクラス替えや部活など環境の変化が生じて4月からの1ヶ月の疲れが出やすいんですね。それは特にいじめなどの強いストレスを抱えていない“普通の子”もそうなんです。GWにどっと疲れが出る。そしていじめなど強いストレスを抱えている子はもっと疲れが出て、自分が苦しかったことに気がつくんです。

——自分が苦しかったことに気づく?

石井:はい。子どもなので「自分がストレスの状態にある」とか、「理不尽に追い詰められている」とか、そんな言葉遣いする小学生いないんですが、「なぜ自分はイライラしているのかな?」「なぜ悲しいのかな?」と、学校がなくなると、自分がおかしかったことに気づくんですね。そうすると学校が怖くなって学校に行けなくなってしまうんです。

——「休みが悪いわけではない」というのは?

石井:だからと言って「じゃあ休みの日も学校がない代わりに塾に行きましょう」「学校に行きましょう」という話ではなくて、人はどこかで休まなくてはいけないものなので、GWはしっかりと休んでほしいという意味です。

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休み中に大人ができる三つのこと

——親やまわりの大人ができることは?

石井:まず、連休中にできることは三つあって、一つ目は「大人が、休み中の子どもの様子をしっかり覚えておく」ということです。休み中と休み明けで人が変わった場合、問題は学校にあるんです。学校に原因があるんですね。なので、休み中は子どもの本来の姿をきちんと知っておくことが大事です。

二つ目は、「子どもに干渉しない」です。どういうことかというと、親御さんは「休みになって生活リズムが崩れるから休み中もしっかり朝起こさないと」と思ってしまいがちなんですが、学校でストレスが多いと子どもって平気で10時間くらい寝るんですね。遅くまで寝ていると起こしたくなるのが親だとは思うのですが、寝るには寝るだけのエネルギーを使っていた事情があるので、放っておく。生活リズムを無理に正そうとしなくていいんです。

三つ目は、「子どもに遊んでもらう」です。子どもは遊ぶことで本来の姿に戻って気持ちの整理をつけられるので、ちゃんと遊ばせてほしいです。

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休み明けに大人が気をつける二つのこと

——休み明けに大人が気をつけることは?

石井:二つあります。まずは、休み明けの登校初日、子どもが「休みたい」って言ったら即刻休ませてあげてほしいです。

この日に休むと次の日から行きやすくなったり、「親は自分のことをわかってくれているんだ」と安心するんですね。気持ちが落ち着くんです。

私も不登校したときに「学校行きたくない」って言ったら、母親が「わかった」って言ってくれたんです。そこで、やっと行きたくない気持ちが許せた。

そうすると、次の日からパッと行ける子もいます。次の日も行きたくないと長引くケースもありますが、それは休みが必要だった子なので、長引くようなら、不登校の関連の親の会やフリースクールに電話したり、相談したりしてもらえればと思います。

「不登校」というのは、子どものストレス反応の表れなので、不登校ができれば命が拾われたということなんです。不登校は自然な現象で、子どもが悪いわけでも親の子育ての仕方が悪いわけではないです。不登校できずに地獄のような学校に行き続けてあとで取り返しのないことになっても遅い。不登校は決して悪いことではありません。

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二つ目は、「子どものSOSは体から発信される」と覚えておく。学校に行こうとすると頭が痛くなる、おなかが痛くなる、起きられなくて気絶するように眠っている、玄関先から動けない、忘れ物が異常に多いとか、いろいろあるのですが、一番簡単な見分け方が、学校があったときとなかったときで人が変わったようになったらSOSのサインです。

子どもは不登校を悪いことと思っているので「学校に行きたくない」とは言わないんです。言いづらい言葉の第一位と考えてもいい。だから上記のような反応があったら、親がドクターストップかけちゃっていいです。

子どもは十分、頑張っている

——とても参考になりました。私自身、学校は行かなければいけないものだし、不登校は悪いことと思っちゃっていました。

石井:子どもは十分、頑張っているんですよね。いい子になろうと、自分の人生をよりよくしようと頑張っている。でも、選択肢を知らないんですよね。大人だったら「今の職場がつらかったら転職しよう」とか「とりあえず有給をとろう」とかいろいろな選択肢も言葉も持っているけれど、子どもは「学校に行かないと大人になれない」と思っている。

大人であれば上司や会社から「休むのも仕事の一つだよ」って言われるけれど、子どもは休んでも誰もケアをしてくれない。来ることがよしとされているし、病欠以外でなかなか休めないですよね。自分の命より学校が大事と思っているから、大人が「そんなことない」と示してあげなければいけないと思います。

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※後編は5月5日(日)公開です。

(聞き手:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:宇高尚弘)

情報元リンク: ウートピ
GW明けは不登校が増加…不登校新聞編集長に聞く、親ができること

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