髪にボリュームを出したいとき、コームを使って逆毛を立てることがあります。ですが、美容師で美髪のためのケアを追求する三谷遥さんによると、「逆毛を立てるようにブラッシングをすると、髪が傷みやすくなります。髪のダメージを最低限に抑えながら、ボリュームを出す方法を試してください」とのことです。詳しく教えてもらいましょう。
逆毛を立てるとキューティクルがはがれる
はじめに三谷さんは、逆毛が髪を傷める理由について、こう説明をします。
「逆毛を立てるとは、毛先から根もと、頭皮に向かってコームやヘアブラシで髪をとかすスタイリングのことです。
毛髪の表面を覆いつやを与えるキューティクルは、根もとから毛先に向かってウロコ状に重なり合っています。摩擦に弱くはがれやすい性質もあり、逆毛を立てる際には、そのキューティクルをはがす向きにブラッシングすることになります。するとキューティクルがはがれて、表面の保護機能が損傷してつやがなくなり、髪のダメージになります。
また、逆毛を立てると髪の毛同士がからまり合うので、ほどく際に、無理にヘアブラシや手ぐしでとかすことがあるでしょう。すると抜け毛や切れ毛が発生し、いっそうとダメージを受けることになります」
オフィスの化粧室ではヘッドマッサージ、髪のすくい上げを
それでは、髪を傷めずにボリュームを出すにはどうしたらよいのでしょうか。三谷さんは、次の方法を紹介します。
(1)頭を下げて、下からドライヤーをあてる
ドライヤーで髪を乾かすときに、頭を下げて、下から頭皮を乾かすようにドライヤーをあてます。ぱっと頭を上げると、毛髪の間に空気が入ってふんわり感が出ているのがわかるでしょう。その後、ヘアブラシで軽く内巻きにとくなど、好みのスタイルに仕上げます。
ヘアブラシだけを使用してボリュームを出したい場合は、頭を下げて、頭皮から毛先に向かってときましょう。ドライヤーをあてるほどにはボリュームは出ませんが、外出先ではこの方法がよいでしょう。
(2)カーラーで巻いてドライヤーをあてる
ボリュームを出したい部分の髪を少し濡らし、根もとまでカーラーで巻いてドライヤーを温風、冷風の順に10秒~20秒ずつあててから、そっとほどきましょう。冷風で仕上げると、スタイリングが固定されて長持ちしやすくなります。
(3)ポンパドールをする
ポンパドールとは、前髪をふんわりとボリュームを出してトップの位置にまとめる、おでこを出したアレンジ法です。「分け目」をつけず、つむじを隠すことができます。トップにボリュームがあるスタイルは、髪全体がボリュームアップしているように見えます。
(4)ヘアケア製品は「ハリ・コシを出す」タイプを選ぶ
ハリやコシが少ない毛髪は、全体的にぺちゃんこになる、ボリュームが出にくいという特徴があります。シャンプーやトリートメント、ワックス、スプレーなどヘアケア製品は、ハリ、コシを出すタイプを選びましょう。
(5)トリートメントは毛先だけにつける
(4)で紹介した「ハリ・コシを出す」タイプではない「洗い流さないトリートメント」を使う際に、根もとからつけると重量で髪がぺちゃんこになりがちです。毛先だけにつけましょう。「ハリ・コシを出す」製品は、根もとからつけるタイプがあるので、説明書に記載の方法に従ってください。
(6)分け目をずらす
いつも同じ分け目にしないで、少しずつずらして変えていきましょう。真ん中より少し右か左に分け目を作る、頭のてっぺんよりも少し後ろ側の髪を前に持ってきて整えるなどして、分け目は日ごろから工夫をしましょう。
分け目をずらした際に、その分け目付近を少し水で濡らしてから、ドライヤーで温風、冷風の順に10秒~20秒ずつあてると、スタイリングが長持ちしやすくなります。
(7)ヘッドマッサージをする
日常的に行えるケアとして、1日に数回、自分の手の指で頭皮を軽く指圧するヘッドマッサージを行いましょう。頭皮の血流が促され、1本1本にハリやコシを与えます。シャンプー時、ブロー時、デスクワーク中でもさっと行ってください。
(8)紫外線対策をする
髪も頭皮も紫外線によるダメージを受けやすく、防がないと毛髪の強度が弱まり、枝毛や切れ毛、また細くなりがちです。頭皮のダメージは薄毛の原因になります。
紫外線は日差しが強い夏だけではなく、一年中降り注いでいます。冬は日差しが弱まるので油断しがちですが、日ごろから紫外線カットのスプレーや日傘、帽子を使用して、髪と頭皮を守りましょう。
(9)髪を手ですくい上げて、空気を入れ込む
オフィスや外出先では、化粧室に行くたびに、手の指を開いて髪を下から持ち上げて空気を入れましょう。再びボリュームを出し、長持ちしやすくなります。
(10)髪をすく
髪の量が多くて長いと、重みでトップやサイドがぺちゃんこになることがあります。常に髪にボリュームがほしい場合は、美容師に相談し、髪をすいて軽めのスタイルにするとよいでしょう。
逆毛を立てたスタイルで、シャンプー時になかなかほどけず、無理に髪を引っ張って大量に抜けたという経験が何度もありました。これらの方法なら自分ですぐにできるので、日ごろの習慣にできそうです。ボリュームアップのためのセルフケアやブロー法、ぜひ参考になさってください。
(取材・文 藤原 椋/ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
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