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異常にトイレが近い、尿がにごる…膀胱炎を防ぐ方法7つ【臨床内科専門医に聞く】

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外出先や仕事中、トイレに行きたいタイミングで行けず、また冷えを我慢していたところ、「血尿が出て痛みが走り、膀胱(ぼうこう)炎になった。とても辛かった」という経験談をよく耳にします。

臨床内科専門医で女性外来がある正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長によると、「膀胱炎は、膀胱の中で細菌が繁殖して粘膜に炎症が起きる病気です。女性が発症しやすく、また、再発をくり返す人も少なくありません」ということです。その理由や予防法について詳しく聞いてみました。

女性は尿道が短く、膀胱に細菌が入りやすい

——膀胱炎はどうして起こるのでしょうか。

正木医師:女性の膀胱炎の多くは、原因となる病気がとくにない場合、「急性単純性膀胱炎」といって細菌の繁殖によって起こります。

女性が膀胱炎になりやすいのは、尿道が男性に比べて3~4センチメートルと短く、また尿道口が腟と肛門のすぐ近くにあるため、排便や性交渉などによって大腸菌などの細菌が膀胱に入りやすい
からです。

「女性は一度は膀胱炎にかかる」と言われるほど、とても身近な病気です。
——やはり周囲の経験者は女性ばかりです。いったいどのような症状が現れるのでしょうか。

正木医師:特徴的な症状は、次の3つです。

(1)排尿痛
排尿時や排尿の終わりに、尿道口や下腹部に差し込むような痛みが走ります。

(2)頻尿
トイレに行ってもまたすぐに行きたくなります。成人が1日にトイレに行く回数は平均で6回前後と言われていますが、10回以上、ひどくなると20回以上もトイレに行きたくなるでしょう。

(3)尿が濁る
尿に、細菌や細菌と戦うために集まった白血球などが混じって、尿が濁ります。

次いで、トイレに何度行っても直後にまた行きたくなるひどい「残尿感」や、血が混じる「血尿」、下腹部が重苦しい「下腹部不快感」、尿が漏れる「尿失禁」などが見られることもあります。想像よりもかなりつらい症状でしょう。

——「トイレを我慢しすぎると膀胱炎になる」と聞きます。本当でしょうか。

正木医師:本当です。トイレを長時間我慢すると、通常は排尿時に尿とともに膀胱の外へ洗い出される細菌が、膀胱の中で繁殖して膀胱炎を起こします。

——「冷えたとき」や「ダイエット中になった」という人もいます。どのようなときに膀胱炎になるのでしょうか。

正木医師:「手足や腰の長時間にわたる冷え」、「無理なダイエットによる栄養不足」、「睡眠不足」、「疲労」、「ストレス」、「風邪」などで体の抵抗力が低下しているときは注意が必要です。

膀胱内での細菌の繁殖を防御する免疫力が低下するため、細菌が繁殖して発症する可能性が高くなります。

尿意がなくてもトイレに行く、こまめな水分補給を

——膀胱炎を自分で予防する方法はあるのでしょうか。

正木医師:次の7つのことを実践してみてください。

(1)こまめに水分を補給する
細菌を排出するために、尿の量を増やしてトイレに行く回数を増やすように、普段から水やお茶など水分を多めに飲む習慣をつけましょう。

(2)長時間、トイレを我慢しない

膀胱内で細菌が増殖しないよう、尿意がなくても3~4時間を目安にして、トイレに行きましょう。

(3)排便後は、手前から奥に向かって拭く
シャワー式トイレを適切に利用し、大便や肛門部の細菌が尿道や膣から体内に入らないよう、トイレットペーパーは手前から奥に向かって拭きましょう。

(4)体を冷やさない
帽子や手袋、マフラーなどの防寒具を着用する、足首を冷やさないタイプの靴下やレッグウォーマーを履く、腹巻をする、薄着をしないなど、体を冷やさない対策をとりましょう。

また、夏は冷房冷えによる膀胱炎の発症も多くあります。季節を問わずに冷やさないように注意をしましょう。

(5)疲労やストレスを改善し、生活習慣を整える
膀胱炎の原因は細菌であるため、免疫力が低下しているときに発症しやすくなります。栄養のバランスが整った食事や十分な睡眠を取って、疲れやストレスをため込まないようにしましょう。

(6)月経時は特に清潔にする
細菌が体内に入りやすいので、できるだけ清潔に保つように、衛生用品はこまめに交換しましょう。

(7)性行為後は排尿する
尿道口に細菌がつきやすく、膀胱炎を発症しやすくなります。なるべく早くトイレに行って排尿し、細菌を出しましょう。

——「膀胱炎かな?」と思ったときは、どうすればいいのでしょうか。

正木医師:発症したら、自力で治すのは厳しいでしょう。なるべく早く内科か泌尿器科を受診してください。原因菌に適した抗生物質や抗菌薬を服用して、膀胱内の細菌を死滅させていきます。通常、2~4日で改善しますが、再検査を受けて、膀胱内の細菌が完全に死滅するまで医師の指示通りに薬を飲み続ける必要があります。

放置すると痛みがどんどん増し、悪化すると腎盂腎炎(じんうじんえん)という重い病気に発展することがあります。

——「膀胱炎はくせになる」と聞きました。本当でしょうか。

正木医師:医学的には、くせになるということはありません。何度もくり返す場合やなかなか治らない場合は、膀胱内の細菌が完全に殺菌できていない、原因となる習慣を改善できていない、もしくは、腎臓や膀胱の病気の可能性も考えられます。泌尿器科専門医を受診しましょう。

——ありがとうございました。トイレの我慢のしすぎに限らず、冷えや睡眠不足、疲労、風邪など、体調と日々の生活習慣が引き金になるということです。つらい膀胱炎で嘆くことになる前に、まずはこれらを見直しておきたいものです。

(取材・文 岩田 なつき/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
異常にトイレが近い、尿がにごる…膀胱炎を防ぐ方法7つ【臨床内科専門医に聞く】

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