テレビCM、ビルボード、新聞、Web広告などで使用されているパッと目を引くイメージ写真。これが時にプロが作り込んだ写真ではなく、ストックフォトにアップされた一般人の写真だった。ということも最近では増えてきました。しかも、私たちが何気なくスマホで撮ったような写真も売れているのだとか。その真偽を確かめるため、ゲッティイメージズが運営する人気ストックフォトサイトiStock(アイストック)の、コンテンツエディター・遠藤由理さんにお話を伺いました。
自然なスマホ写真が、今のニーズ
——まずは「ストックフォト」がどういうものか、教えてください。
遠藤由理さん(以下、遠藤):個人のオリジナル写真を、企業や個人が使用料を支払って利用するものです。写真が売れると、売り上げの何割かが寄稿者に報酬として支払われます。弊社が運営するiStockでは写真だけでなく動画やイラストも販売できます。登録している人のことを「コントリビューター」と呼ぶのですが、全世界で23万人以上いるんですよ。登録されている作品は2000万点を超えています。現在、プロだけでなく主婦や学生などさまざまな人が参加していますよ。
——プロと一緒に販売して、私たちのような素人の写真は売れるのでしょうか?
遠藤:はい。今までのストックフォトではプロのモデルをスタジオで撮影した写真が主流だったのですが、近年はインスタグラムなどのSNSでシェアするプラットフォームが増えてきていて、クライアントも作り込みすぎない自然な写真を求めています。プロカメラマンが撮る写真は、iStockと別サイトのゲッティイメージズで専門に取り扱っていて、iStockは日常の一コマを切り取ったライフスタイル系の写真が多く、写真とは別の本病を持った人が撮影したものなども販売されています。
——iStockを始めるためには、どんな機材が必要ですか?
遠藤:最近はスマートフォンのカメラの性能も上がっているので、いま持っているスマホでも始められると思いますよ。ゲッティイメージズのアプリを使えば、スマホで撮った写真をそのままアップロードできます。
——一眼レフではなくスマホでいいんですか?
遠藤:はい。スマホで撮った作品やスマホ風の写真を探しているお客様もいるので全く問題ありません。皆さんのスマホにも売れる写真が眠っているかもしれません。
私のライブラリにも売れる写真があった
編集部、安次富(以下、安次富):すみません。ピンとこないので見てもらいたいのですが、私が撮った写真にも売れるものってありそうですか?
遠藤:そうですね……あ、これなんて素敵!
遠藤:おばあちゃんとお孫さんが遊んでいるような写真は、とても求められています。
安次富:こんなに普通のシーンが……。
——お母さんが働いていて、おばあちゃんおじいちゃんが子守りをしている時代ですものね。
遠藤:シニア層が新しいテクノロジーに触れているというのもニーズがあります。あとは子守りの話に戻りますが、男性も女性と同じように家事や子育てをする時代なので、お父さんの育児風景。例えば、お父さんとお子さんが掃除や洗濯、家事をしていたり、遊んでいたりする写真も需要があります。日本ではこういった写真が少ないので、契約フォトグラファーにお願いしているところなんですよ。
すぐ副業に期待はできないけれど、趣味も視野も広がる
——収入はどのくらいの金額になるのでしょうか。
遠藤:日本の人気契約フォトグラファーで一般の会社員のお給料くらいという方もいらっしゃいますが、そういった方は毎月大量に撮影して出しています。写真が売れると、ロイヤリティとして売上の20%が支払われます。スタート時のポイントとしては、写真のストックが数枚だと人の目に触れる機会も少ないので、まずはたくさんストックを増やしてください。200枚ほど溜まると少しずつ売れ出すことが多いようです。
——1日1枚あげれば1ヶ月で30枚。半年くらいで200枚になりますね。
遠藤:あとは良い写真をアップしているとiStockの「専属コントリビューター」に選ばれることがあります。そこで専属になって、販売枚数が溜まっていくと、ロイヤリティ率も20%から徐々に上がります。それまでは副業というよりも、日々の撮影の楽しみ方のひとつとしてストックフォトに登録し、売れる喜びを知っていくという意識が良いかもしれません。SNSにアップした写真をそのままiStockに出してもOKですよ。
——プライベートに同じ写真を使ってもいいんですね。写真力が鍛えられて、SNSも華やかになりそう。
遠藤:あとはiStockを始めて友だちが増えたという声も多いですよ。国内だけでなく海外でもイベントを行っていて、みなさん共通の話題があるため意見交換も盛り上がっています。
それから楽しみ方としては、海外のユーザーが多いので、海外で写真が使用されることも。実際にスマホ写真が海外の広告で使用されている事例があります。作品性だけで評価されるので、経歴や年齢なども関係なく、誰にでも可能性があるんです。
——なかなか30歳半ばになると、新しいことを始めようとしても二の足を踏んでしまいますが、若くからやっていた人やプロと並んでも、引け目を感じずにできそうですね。
遠藤:シニア層の女性も参加して楽しまれていますよ。それに、ウートピ世代の方の視点は特に求められているんです。今、iStockの契約フォトグラファーは男性が多く、年齢も30〜50代がコア層。女性目線の写真が少ないのです。ウートピ世代の方にしか撮れない写真に、ぜひ挑戦していただきたいです。
【イベント情報】
2月23日(土)、ライトボックススタジオ青山(東京都港区)にて、ゲッティイメージズ ジャパンが主催するストックフォトの始め方のイベントが開催されます。
【参加無料・登録&撮影デモ付き】ストックフォトの始め方 – 「iStock」であなたの写真を販売してみませんか?
(取材、文:薮田朋子、撮影:青木勇太、編集:ウートピ編集部 安次富陽子)
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情報元リンク: ウートピ
えっ、この写真が売れるの? スマホひとつで始められるストックフォトの魅力