風邪のひきはじめは気づいてはいるものの、数日で悪化の一途をたどることに……。どうにかして予防や緩和をしたいものです。
鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長によると、「東洋医学での風邪のとらえ方を理解して、予防する3つのツボを覚えておきましょう。オフィスや外出先でもいつでも刺激ができて便利でしょう」ということです。詳しく聞いてみました。
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ツボ「風門」から入る風の邪気を防ぎ、「風池」「風府」で緩和する
はじめに丸尾さんは、東洋医学による風邪のとらえ方やツボによるケアについてこう説明をします。
「不調や病気は、天候の変化などによって『邪気(じゃき)』が体に影響することが原因だととらえます。『邪』は邪悪、『気』は病気の要因であり、寒(かん)、暑(しょ)、風(ふう)、湿(しつ)、熱(ねつ)、燥(そう)、火(か)の7種類があります。そのうち、『風(ふう)』がたまった状態が『風邪(ふうじゃ)』です。吹く風が体に影響を及ぼして『風邪を引き起こす』と考えます。
ツボは邪気がたまりやすい場所でもあるので、刺激をして血流や水分、元気のエネルギーなどの循環を促してバランスを整え、病気や不調を改善していこうというのがツボのケアです」
風邪(ふうじゃ)とはまさに文字通りで、風邪の原因としてわかりやすい考え方です。そこで丸尾さんに、「風邪の予防と対策の三大ツボ」を教えてもらいましょう。「ツボの位置は個人差があります。わかりにくいときは、その周囲をあれこれと押してみて、また押す向きを変えるなどして、イタ気持ちいいと感じる自分のツボを探してください」と丸尾さん。
(1)ツボ「風門(ふうもん)」
「風門」はけんこう骨付近にあり、「門」は出入り口の意味合いで、風の邪気が入る場所、また風邪を防ぐツボとして知られています。刺激をすると、風邪、微熱、頭痛、せき、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、肩や首、背中のこりなどを緩和するように作用します。
このツボから入った風の邪気が、(2)で紹介する「風池(ふうち)」というツボにたまると、症状が悪化すると考えます。そのため、風邪の予防やひきはじめには「風門」を頻繁に刺激する、カイロを貼る、蒸しタオルをあてるなどして温めるとよいでしょう。
<ツボ「風門」の位置>
頭を前に倒したとき、首の後ろでもっとも出っ張った骨を1つめと数えて下に3つめの骨の突起を見つけます。そこから左右の外側に、ひとさし指となか指をそろえた幅2本分ほど離れた場所。左右にあります。ひとさし指となか指を揃えて刺激しましょう。けんこう骨の間の上のほうにカイロを貼るとよいでしょう。
(2)ツボ「風池(ふうち)」
「風池」のツボは首の上の方にあり、「池」にはたまるという意味合いがあります。風邪(ふうじゃ)が(1)の「風門」から体の中に入り、池のようなこの場所にたまるとイメージしてください。刺激をすると、風邪、熱っぽさ、せき、だるさ、頭痛、体の節々の痛み、首のこりを緩和するように作用します。
<ツボ「風池」の位置>
後頭部の首の中心と髪の生え際が交差するところから、左右の外側におや指の幅2・3本分ほど離れたくぼみ。また、首の後ろの縦にある太い2本の筋肉と、髪の生え際が交差する少し外側。左右にあります。ひとさし指となか指を揃えて、上の方に向かって刺激しましょう。
(3)ツボ「風府(ふうふ)」
「風府」のツボは後頭部にあり、「府」には集まるという意味合いがあります。東洋医学では、「(1)の風門」から入った風の邪気が、(2)の「風池」にたまって、この「風府」に集まるととらえます。
「風府」を刺激すると、発熱、寒気、風邪、だるさ、頭痛、頭重感やくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの鼻炎の症状や眠気を緩和するように作用します。
<ツボ「風府」の位置>
後頭部の中心線上と髪の生え際が交差する場所から、おや指の幅1本分ほど上がったくぼみ。頭を両方の手でつかんで、親指で刺激しましょう。
風邪の三大ツボは目の疲れも緩和する
丸尾さんはさらに、「風池」と「風府」のツボについて、「この2つは頭にあるためにカイロを貼ることができないので、指圧以外には、ドライヤーやホットタオルで温めるとよいでしょう」とアドバイスを加えます。また、これら風邪の三大ツボの別の効用として、「パソコンやスマホの操作による目の疲れも緩和するので、意識をしてケアしてみてください」と話します。
「風門」は、外出時や仕事中など常にカイロで温めておくこと、「風池」や「風府」は刺激をする、ドライヤーなどで温めることが、風邪の予防や症状の改善に役に立つということです。
3つのツボとも、デスクワーク中にも手軽に刺激することができるので、普段から手洗いやうがいと同じように、風邪の予防習慣のひとつとして実践していきたいものです。
(取材・文 藤原 椋/ ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
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