恋愛経験をある程度積み重ねてきて、酸いも甘いも知っているオトナだからこそ、パートナーにあえて「言わない」ことをあえて拾って、恋愛コラムニストの桐谷ヨウさんにアドバイスをいただく連載「◯◯って言わない女子」。
ヨウさーん! 今回はこんなつぶやきを発見しましたよーー!!
【今回のつぶやき】
「私に会いたくないの?」
会ってないけどときどきラインのやりとりをしている人がいます。仕事関係の飲み会で会った人で、感性や話が合って意気投合しました。私よりひとまわり以上も上の人です。結婚は1回したそうですが、いまは1人だそうです。
ちょうどドラマの『黄昏流星群』の佐々木蔵之介のような感じで、おじさんだけどかっこいいです。普段は仕事で会うこともないのですがずっと気になっています。付き合うとか恋愛とかは置いておいて(もちろん付き合えたらうれしいけど)会話をしたいのですが、なかなか会おうという話になりません。
私に興味がないのかなと思って忘れようとするタイミングで連絡がきます。ラインでは話が弾むのに、いざ会おうとなると都合が悪かったり積極的に誘ってこない。私はわざわざ会ってまで話す必要がない存在なのかな、と思うと悲しくなります。「私に会いたくないの?」と聞きたいけれど、関係が終わってしまうようで言えません。彼の気持ちは彼にしかわからないので、彼とどうこう、というよりも普段どんな心持ちで過ごせばいいのか、を聞きたいです。
「彼を忘れる!」がイチバンだけど…
メル友という言葉を聞かなくなって久しくなりましたね。ヨウさんです。
まったく関係のない話から始めますが、『黄昏流星群』に吹きました。あれね、原作マンガもなかなか人生の晩秋を感じさせてすごく素敵ですよ。
(作者の)弘兼憲史さんはアンダーのヘアに白色が混じってきたことを女性に告白させることで、中年の悲哀と切なさとたくましさを込めるのですが、まだ実体験はありません。だからなんなんだ。
ちなみにドラマは俺もチラ見してます。佐々木蔵之介は良い雰囲気だすなー、黒木瞳は美熟女だなーと思って筋書きにツッコミながらも、なかなか完全には無視できない魅力がありますよね。
このまま島耕作の話をしてしまいたい気持ちをガマンして、今回の話ってなんでしたっけ? あっ、なかなか彼が会ってくれないと。なるほど。
結びの部分に「彼とどうこう、というよりも普段どんな心持ちで過ごせばいいのか」とありますが、そんなもの結論は出ています。
「彼はたいしてあなたに興味がないので、他に行きましょう」です。
これで終わったら残酷すぎますね、すいません。
もう少し補足しますが、男の俺から見ても彼の気持ちはイマイチ謎です。
まったく話が合わないのであればラインの会話は弾まないでしょう。まったく興味がないなら忘れた頃に連絡を取ってきたりはしないでしょう。ラインが盛り上がっても会うときにはぐらかす肚(はら)もなんだか解せません。
つまり彼が何を考えているかはよく分からないし、その彼に振り回されるのは時間のムダなので射程距離外に置く=忘れてしまうほうが合理的な戦略ではあります。
けどー! 合理的なだけでOKなら恋愛の悩みなんて存在しませんからね!
多分、彼は再婚をしていなくても長い相手がいるんでしょうね。あるいは同棲まではしているかもしれない。基本的に日々の暮らしに満足しているけど、たまーに刺激が欲しくなってその香りがするあなた(と他の誰か)に連絡を取る。だけど、実際に会うとなるとまぁいろいろと面倒になるリスクもあるから億劫になる。また、そのリスクを冒して進むほどにモチベーションはない、的な。
この線が濃厚な気がします。
関係をいったん「保留」してみる
ご相談者様が言うとおり心持ちの話をするのであれば、「彼を本命にしたいと思っていようがいまいが、彼をつまみ食いする気持ちでいろ」と俺は考えています。
何を考えているか分からない相手に振り回される必要はありません。人生は短い。よって、粛々と自分が幸せになれそうな相手を探しつつ(すでにいそうですが……)、彼に対しては、熟成が進んだウイスキーを興味本位でひと舐めしてみる気持ちでいてほしいのであります。
ただね、「私に会いたくないの?」は本当に愚問。会いたいと思っているならそうなっているし、自分の興味の強さと相手の興味の強さを混同されることのウザさは誰もが知っていることでしょう。
おそらくは面倒くさくないことを匂わせることが一番です。
ここでいう面倒というのは、「重い」とは別のニュアンスです。ちょうど良い距離感を保たずに、グイグイ自分に近づいてくる奴ということです。
まずは徹底的にその香りを排除しましょう。この人は自分に興味がありそうだ。でも、他に本命はいそうだ。あるいは程よい距離感を守ってくれそうだ。
こう思わせると成功です。
ということを書くと「都合のいい女になれと言ってるの?」というアホリアクションが返ってきそうですが、全然ちがいます。むしろその心持ちで彼と接しないと、傷つくのはご相談者様だからです。
あるいは彼が本気になってきたタイミングで、あなたも本気になるというテンションで近づくのが“現時点では”べストな戦略だからです。
まとめていきます。
「待つ」ことの大切さはどこかで書いたことがある気がしますが、「保留しておく」ことの大切さも同じようにあると俺は思っています。
その保留というのは“相手の出方や、相手との関係性に応じて自分のスタンスを変えていくしたたかさ”と言い換えても良いかもしれません。
これができないことから多くの恋愛の苦しさは生まれていると思うし、それを身につけるだけでもう少しだけラクになれるよーなんて思っちゃってるところがあります。
まぁ、コントロールできるくらいの相手ならたいして好きじゃないって話もありますけどね(笑)。
蔵之介との恋愛、応援しています。そういえば今夜でいよいよ最終回ですね!
(イラスト:つぼゆり)
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情報元リンク: ウートピ
LINEの会話は弾むのに…「私に会いたくないの?」と聞きたいけれど【桐谷ヨウ】