DJあおいさんと「仕事がデキること」について考えていく連載「私は仕事ができない。」80回目のボヤきは「褒めるって上から目線?」です。
同僚や後輩が仕事で結果を出したときに「すごいね!」と言いたいのですが、うまく「褒める」ことができません。上司が部下を褒めるのはわかるのですが、同僚や後輩といったそれほど立場が変わらない人に対して褒めたり、温かい言葉をかけたりするのはなんだか偉そうだし、わざとらしいなと思ってしまい、躊躇しちゃいます。ドラマやマンガによくあるように、メンバーに前向きな言葉をかけられる人が理想なんですが……上から目線にならずに自然にそのような言葉をかけるにはどうすればいいでしょうか?
褒められると嬉しいけれど…
褒められて悪い気を起こす人はいない、とよく言うのですが、確かに悪い気はしないのですけど、気持ちのどこかで釈然としないアレルギー反応を起こしていたりはするんですよね。
とくに女性は褒められることが苦手な人が多く、周りの人が口をそろえて褒めてもなぜか居心地の悪さを感じて萎縮してしまったりするんですよ。
その原因は大きく分けて二つ。
一つは評価されることの嫌悪ですね、だいたいの人は評論家目線で見られることを嫌悪します。
それが叱責でも褒め言葉でも評論家目線の評価は遥か上から言われているように感じてしまい、その目線に見合うだけの上の立場の人なら違和感はないのですが、その目線と立場にギャップがある人から言われると褒められているのに見下されているような気がしてしまうわけですね。
もう一つはコントロールされることへの恐怖心。
「褒める」ということは人を操作するための鉄板中の鉄板の手法。
それは最もポピュラーな人心掌握術であり、他人を意のままに操るために悪用されることも多々ある手法なので、褒め言葉を真に受けてしまったらその人の術中にハマってしまうかもしれない、もしかしたら都合よくコントロールされてしまうかもしれないという恐怖心が生じてしまい、褒められるとその警戒心から素直に喜べないということもあるんですよ。
上からでもなく下からでもない言葉
では一体どうやって褒めたらいいのか、アドラーがこんなことを言っています。
「よくできたね」とほめるのではない
「ありがとう、助かったよ」と感謝を伝えるのだ
感謝される喜びを体験すれば、自ら進んで貢献を繰り返すだろう
ほめるのは上から目線、感謝は横から目線
なるほど確かに「あなたのここが素晴らしい! あなたのここが非凡である!」と100の理由を並べ立てられるよりも、たった一言「ありがとう」と言われた方が素直に嬉しいんですよね。
上から見るわけでもなく下から媚びるわけでもなく同じ目線に立って言葉を掛けてあげることが大事。
その人に助けられたら素直に「ありがとう」と感謝すること。
その人がよい結果を出したら自分のことのように共に喜んであげること。
気の利いた評論なんていらないんですよ。
生き馬の目を抜く魑魅魍魎(ちみもうりょう)の社会の中で、同じ目線に立ってくれる仲間がいるということがどんなに心強いことか。
それだけでほんのちょっと自分に自信が持てたりしますからね。
情報元リンク: ウートピ 「褒める」って上から目線? 他人にかけたい“横から目線”の言葉【DJあおい】