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「○○さんだったらイケるわ」セクハラの自覚なくヤレる認定する人【アルテイシア】

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ひがみ、ねたみ、そねみなのか、無邪気なのか。アドバイスかクソバイスか……。私たちをモヤっとさせる言葉を収集する「モヤる言葉図鑑」。

作家のアルテイシアさんと一緒に「モヤる言葉」を観察していきます。今回は「○○さんだったらイケるわ」です。

いい人が自然に繰り出す「抱ける女」発言

新刊『フェミニズムに出会って長生きしたくなった』(幻冬舎文庫)が8月5日に発売される。

『男尊女卑がはびこる日本で、女はとにかく生きづらい。そんなヘルジャパンを変えたくて、怒りのイマジナリー法螺貝を吹くJJ(熟女)がここにいた!フェミニズムに出会って自分を取り戻せた著者による、爆笑フェミニスト宣言の書』

こんな感じの一冊になっとります。田嶋陽子さんとの対談も要チェキ☆(JJ古語)

さて、今回取り上げる言葉は「○○さんだったらイケるわ」。

新刊にも書いているが、数年前に会社員時代の同期会に出席した時のこと。

20年ぶりに再会した男子たちの第一声が「相変わらずおっぱい大きいねー!」「エロい体してるな~。俺全然イケるわ」だった。

私はその場で「それ失礼だよ、セクハラだよ」と言い返すことは、できなかった。彼らのセクハラおじさん仕草に面食らって「お、おう」的な反応しかできなかったことを今でも後悔している。

これがケツとか触ってくるジジイだったら、次元大介ばりに0.3秒で銃を抜き、股間を撃ち抜いているだろう。

でも、彼らは普通のいい人なのだ。普段は常識があって気づかいもできるし、「娘が中学生になったんだよ~」と話す子煩悩なパパでもある。そんな人が平気でセクハラをする、というかそれがセクハラだと気づかない。

普通の男性の感覚が麻痺している、それがヘルジャパンの現実じゃないか。

公の場で女を性的対象として扱っていい、それが「普通」。女の顔や体について男が品評する、それが「普通」。女は男にヤれる認定されると喜ぶ、それが「普通」。

空気が壊れてもプーチン顔をキメるべきだった

そんな価値観が日常の中に溢れていて、それが異常なことだと気づけない。

スウェーデン在住の友人にこの話をしたら「ここではそんな発言する男性見たことないし、下手したら新聞沙汰になると思うよ」と言っていた。

その同期の彼らは、会社では管理職の立場である。

もし女性の部下が同じような発言をされていたら「それはセクハラだからやめろ」と注意できるのか? 女性の部下からセクハラ相談されたら「相手は冗談のつもりなんだから、いちいち騒がなくても」と返してしまうんじゃないか。

性暴力や性差別を駆逐したいフレンドとして、私は「それ失礼だよ、セクハラだよ」とちゃんと指摘するべきだった。

「褒めてるのになんだよ」「マジで言ってないし、自意識過剰」「うるさいフェミのおばさんになっちゃったな」と嫌われても、プーチン顔をキメるべきだった。

もうあんな後悔はしたくないので、プーチン顔で反復横飛びして、反射神経を鍛えたいと思う。

世界をキャバクラだと思い込んでないか?

また、その同期会で周りはみんな彼らの発言をスルーしていた。私だけがドン引きして「彼らにとって世界はキャバクラなんだな」と思っていた。

彼らは「もう~のび太さんのエッチ!」的な接客サービスを期待したのだろう。でも私はしずかちゃんじゃないし、ここはキャバクラじゃないし、今はもう令和なんやぞ。

近著『モヤる言葉、ヤバイ人』にも口酸っぱく書いたが、反射的に笑顔を出すのはやめよう。

「もう何言ってるんですか~」と笑顔で愛想よく返すと、セクハラの標的にされてしまう。またセクハラ加害者が「相手は笑顔で喜んでいた」と主張するケースも多い。

なので「それセクハラですよ」「不適切ですよ」と真顔で返そう。立場的に難しい場合は「えっ……」とドン引きするだけでもいい。

そして周りにいる第三者が「その発言ヤバいですよ、安土桃山生まれですか?」と注意してほしいと思う。

恐怖感や嫌悪感がピンとこない背景にあるもの

「イケる」を褒め言葉として使う男性は多い。彼らは「女は男にヤレる認定されると嬉しい」と勘違いしているが、大半の女性は好きでもない相手から性的対象として見られると「怖い」「キモい」と感じる。

たとえ気になる相手でも、ぶしつけに性的な目で見られると「怖い」「キモい」と感じる女性は多い。

この恐怖心や嫌悪感がピンとこないのは、「俺は女にヤレる認定されたら嬉しい」「女に性的対象にされるのはウェルカム」という男性が多いからじゃないか。そこに男女の非対称性、意識のギャップが存在する。

性犯罪の加害者の95%以上が男性、被害者の90%以上が女性である。私も子どもの頃から通りすがりのおっさんに「おっぱいおっきいね!」とからかわれたり、すれ違いざまに胸や尻に触られたり、電車で痴漢に遭ったりと、何度も被害に遭ってきた。

多くの女性が幼い頃から性的視線にさらされて、何らかの性被害に遭っている。男性はその恐怖心や嫌悪感を感覚としてわからなくても、頭で理解してほしい。それによって、男女の溝を埋めることができるだろう。

また、男性は「今はすぐセクハラと叩かれる」とボヤくんじゃなく、どうすれば被害者を減らせるか?性暴力をしづらい社会に変えていけるか?そのために自分に何ができるか?を考えてほしい。

私が脚本を手がけた「#性暴力を見過ごさない」動画も参考にしてもらえると幸いだ。

九九でいうと一の段だが、思うのと言うのは違う。「ヤれる」と思うのは自由だが、「ヤれる」と口に出すのはセクハラだ。「コンプラ棒で殴られる」という言葉があるが、殴られてるのはどっちだ? と聞きたい。

というと「男の性欲を否定するのか!」とトンチキなリプが飛んでくるが、TPOをわきまえろ、公道で堂々と局部をさらすなと言っているのだ。

社会に出て悪しき習慣に染まってしまう人たち

そもそも日本は男の性欲に甘すぎる、ちんちんよしよし国家である。この悪しき文化を次世代の女の子だけじゃなく、男の子のためにも変えていきたい……とJJ(熟女)仲間とよく話している。

浪速の石田ゆり子と呼ばれる友人(大企業の管理職)は「入社してから悪い意味で変わっちゃう男の子って多いのよ。男の先輩をお手本にして、男社会のホモソ文化に染まっちゃうみたい」と嘆いていた。

ゆり子はホモソノリの強い他部署の20代男子から「ゆり子さんだったら余裕でイケますよ!」と言われたそうだ。

私だったら「若い男にヤレる認定されたら喜ぶだろって? ババアをナメるな!」とグレッチでめった打ちにしてしまう。もしくは「女にイケるとか言える俺イケてるってイキってんのか? わけわかめ、黙れバカめ!」とラップバトルを挑んでしまう。

一方、ゆり子は「まさかそれ客先で言ってないよね?」と真顔で返して「お客さんの前でそんなセクハラ発言したら大問題になるよ? うちの顧客は女性も多いんだから、言動に気をつけるように」と注意したそうだ。

ゆり子も本音は「てめえ何様だ? なんでてめえに値踏みされなきゃいけねえんだ、ふざけんなコノヤロー!」とアウトレイジしたかっただろう。

でもそれだと「そんなに怒らなくても、ゆり子さんは怖いなあ(笑)」と個人の問題にされてしまう。そうじゃなく「その発言は社会的にアウトなんやぞ」と注意する方が相手に響くし、今後気をつけるようになるだろう。

ゆり子は「会社のおじさんからは面倒くさい女・うるさい女と思われてるけど、それが自分の役目だと思ってる。これからの若い子たちのためにも戦わなきゃね」と言っていて、その『覚悟』に全俺が痺れて憧れた。

あなたのような人がいれば

私の元にも若い女子から「会社の男性からヤレるヤレないとか言われてつらい」という声が寄せられる。

また「会社の先輩にキャバクラや風俗に誘われてつらい」「女遊び自慢とか童貞イジリとか、ホモソノリについていけない」と生きづらさを感じる男子も多い。

私がキャプテン・マーベルだったら、ホモソ軍団を一騎当千で一網打尽にしてやる。でも残念ながらキャプテン・マーベルじゃないので、JJ軍団で盾になって若い子たちを守りたい。

そんな思いを新刊の対談で田嶋陽子さんに話した。

アル:私たちの役割は、若い子たちが社会に出たとき潰されないように、ちゃんと盾になること。上には石原慎太郎みたいな人がいるわけじゃないですか。慎太郎みたいなおじいさんは変わらないから、その間にいる中年が盾になって守らなきゃいけない。そのために男社会に迎合するんじゃなく、抵抗していくぞ!と思います。

田嶋:あなたのような人が先輩にいれば、若い人たちはどんなに心強いか。

この田嶋さんの言葉に全俺が号泣した。そして「私にとっては田嶋先生が心強い先輩でありお手本でした……オボロロロ」と涙ながらに伝えた。

キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースさんも、1960年代生まれのフェミニストの先輩である。先頃のエンドゲームでは地球を救ってくださりありがとうございました。遠い宇宙からご足労いただき助かりました。

私も今後「イケるわ」発言された際は「I have nothing to prove to you.(あなたに認められる必要などない)」というキャロル先輩の言葉を返したい。そして盛大に屁をぶっ放して、宇宙に飛び立ちたいと思う。

(イラスト:飯田華子)

情報元リンク: ウートピ
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