5月7日から全国順次公開されるフランスの恋愛映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』。同作は、主人公が愛の試練に立ち向かうファンタジック・ラブストーリーで、フランスで大ヒットした『あしたは最高のはじまり』を手掛けたユーゴ・ジェラン監督の最新作です。
仕事のことばかり考えている人気作家のラファエルと、小さなピアノ教室を開いているオリヴィアは、結婚から10年が経った夫婦。ある日ラファエルは、オリヴィアと立場が逆転した“もう一つの世界”に迷い込んでしまう。さらに、愛する妻は自分を知らなかった。元の世界に戻りたい一心でオリヴィアに接触を試みるが――というストーリー。
そこで今回、ラファエルの妻で、“もう一つの世界”では人気ピアニストを演じたジョセフィーヌ・ジャピさんに、お話をうかがいました。
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“もう一つの世界”のオリヴィアも、人生に100%満足しているわけではない
——まずは、オリヴィアを演じた感想をお聞かせください。
ジョセフィーヌ・ジャピさん(以下、ジョセフィーヌ):今回の作品では、ルーツは一緒でも、まったく違う2人の女性を演じました。ラファエルの妻である“元の世界”のオリヴィアは、私に近いところがあって。自分の青春時代と似ている部分が多かったです。一方、“もう一つの世界”のオリヴィアは、“元の世界”のオリヴィアに比べ、自分に自信があって、よりフェミニンな印象がありました。
そしてオリヴィアを演じるうえでは、ピアノがとても大事でしたね。私はピアニストではないので、コーチのもとで4カ月間練習しました。1日2~3時間はコーチについてもらって、2時間は自宅で練習して。そのなかで、ピアニストという職業は、毎日ピアノに向かって練習して、自分を律して生きている人なんだということを学びました。
——“もう一つの世界”のオリヴィアはとても魅力的でした。その理由は、仕事で成功しているからでしょうか?
ジョセフィーヌ:そうですね。やっぱり、何かを成し遂げている人は力強く、貫録がありますよね。“もう一つの世界”のオリヴィアは、自分自身の生き方に確信をもっていて、自信を持っています。おっしゃる通り、仕事の面で成功すると自信がついて、女性は強く美しくなると思います。
ただ、“もう一つの世界”のオリヴィアも、自分の人生に100%満足しているかというと、そうでもなくて。あるシーンで、ラファエルに、「ピアノの練習ばかりしてる退屈な人生よ」と告白しますよね。彼女の人生に何が欠けてるのかというと、“元の世界”のオリヴィアが持っていた無邪気さだったり、将来のことをあまり考えない無頓着さだったり、そういうところなんです。
“後悔のない人生”を送っている人なんて一人もいない
——ラファエルを演じたフランソワ・シビルさんとの共演はいかがでしたか?
ジョセフィーヌ:フランソワは、とても良い空気を作ってくれました。実は、この作品の前にも共演のお話があったのですが、頓挫してしまって。そのときに一度会ったのですが、この人とは波長が合うな、また一緒に仕事ができたらいいなと、ずっと思っていた俳優さんだったんです。なので、ユーゴ(・ジェラン)監督から、共演のお話を聞いたときは、すごく喜びました。
そのあと、ユーゴ監督と彼と一緒に演技テストをしたときも、相性がいいとすぐに感じました。こんなことは、毎回起こることではないレアなこと。とてもうれしかったですし、悩むこともなく、スムーズに撮影の準備をすることができました。それは、フランソワだけでなく、ユーゴ監督や、バンジャマン・ラヴェルネさんに関しても同じで、良い空気のなか撮影を進めることができましたね。
——誰にでも、「あのときこうしていれば……」「あんなことを言わなければ……」という後悔はあると思います。少しでも悔いのない人生にするために、大切にしていることがあれば教えてください。
ジョセフィーヌ:今おっしゃったことが、この作品のメッセージの一つでもあるんです。人生では多かれ少なかれ、ほんの些細なことでも選択をしていかなければなりません。その選択によって、幸せな結果になったり、あるいは残念な結果になったり。それはとても興味深いことであると同時に、選択の連続にクラクラとめまいがすることも……。
でもやっぱり、“後悔のない人生”を送っている人なんて一人もいないと思うんです。私が思うのは、本当に自分がやりたいことがあれば、自分自身をリスペクトしつつ、選択していくことが大切だと思います。だから、他人から「こうしなさい」「こうしたほうがいい」というアドバイスや意見は気にしません。あまり計算しないで、自分の思いに素直に生きていくことが、後悔の少ない人生につながるんじゃないかなと思います。
世間にあふれる“女性のイメージ”に振り回されないで
——周囲の意見に流されず、自分の思いに素直に生きるということですね。では、自分の本当の気持ちを聞くために、大切なことは何でしょうか?
ジョセフィーヌ:確かにその問題は、一生かかってもずっと考え続けなきゃいけない、大きな問題ですよね。特に、女性にとってはそうだと思います。こういう生き方をしたいという道が見えても、その道をいかに離れずに歩んでいけるかは、女性のほうが難しい。だから、自分に自信をつけて強くなることが必要になってくるんです。
私なんか、まだ若干25歳ですから、そのことを本当に毎日考えてるくらい(笑)。一つの答えとしては、何かをしたいという強い思いがあるときは、必ず理由があるので、その欲望を信じ込むことがとても大事なんじゃないかなと思っています。つまり、それを絶対にやり遂げるんだ!という信念ですね。
また、今の時代は、SNSやネット上で“女性のイメージ”が氾濫していますが、そういうものに振り回されないことも大切です。私自身も、“女性のイメージ”というものに対して、ちょっと警戒心を持って眺めています。オファーがあった役柄に関しても、私の生き方とちょっと違うな、マッチングしないなと思ったら、お受けしていません。その点は、女優としても気を付けています。
■映画情報
タイトル:『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』
配給:シンカ
公開表記;2021年5月7日(金)全国順次ロードショー!
コピーライト:(C)2018 / ZAZI FILMS – MARS CINEMA – MARS FILMS – CHAPKA FILMS – FRANCE 3 CINEMA – C8 FILMS
(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)
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情報元リンク: ウートピ
「あのときああしておけば…」悔いのない人生を送るために大事なこと【ジョセフィーヌ・ジャピ】