乾燥する日、とくに目覚めたときや就寝前、デスクワーク中、緊張したときなどにのどのヒリヒリとする感覚が気になります。そこで、鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長に、のどの痛みや口内の乾燥をケアするツボ押しとストレッチを教えてもらいました。
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口内やのどの潤いケアには唾液を促す
丸尾さんはまず、ヒリヒリとしたのどの痛みについてこう説明をします。
「空気が乾燥しているとき、また緊張感が強いときには口内やのどの粘膜が乾き、のどが痛くなることがあります。そのケアには口内に潤いをもたらすことが最大重要です。白湯や水をこまめに飲みながら、自分でできるケアとしては、ツボ押しや唾液腺マッサージで唾液を促すことがポイントになります。具体的に有用なツボ押しやストレッチをご紹介しましょう」
ツボ・廉泉(れんせん)を刺激する
「廉泉」の「廉」には角(すみ)という意味があり、「泉」は水源を表します。下あごと首が接する角、ヒトが生きるうえで必要なエネルギーの「気(き)」が泉のように湧き出るところにあることから、この名称がついたといわれます。のどぼとけの上にあるので、場所がわかりやすく、刺激もしやすいでしょう。
あごの下には唾液腺のひとつがあるため、唾液を促すことができて、のどの腫れや痛みなどによるせきやたんを緩和します。舌の炎症や舌のもつれ、舌の知覚異常、唇のふちのできものなどの改善にも働きかけます。
<ツボ「廉泉」の位置>
首の中心線上と、のどぼとけの上の横じわが交差するところ。
<刺激法>
どちらか押しやすいほうの手のひとさし指かなか指で、5~10秒ほど力を入れずにそっと指圧します。3~5回くり返しましょう。のど元にあって敏感な場所でもあるので、違和感がある場合は指の腹でさするだけでも有用です。
ツボ・天突(てんとつ)を刺激する
「天突」は鎖骨から上にある突き出た部分という意味があり、のどぼとけの下にあるツボを表します。のどのヒリヒリとした痛み、口内の乾燥、せきやたんなどの改善に重要なツボです。また、食べ物が飲み込みにくいときや、声が枯れているとき、吐き気がするときなどにも有用です。
<ツボ「天突」の位置>
のどぼとけの下で、左右の鎖骨の真ん中にあるくぼみ。
<刺激法>
押しやすいほうの手のひとさし指で、のどに向かって押すのではなく、下の方向へ軽くひと押し5~10秒ほどを3~5回くり返しましょう。
ツボ・尺沢(しゃくたく)を刺激する
「尺沢」は肘(ひじ)の曲がるところにあり、東洋医学では手首からここまでの長さを一尺二寸とするため、この名称がつけられたといわれます。口内の乾きや、せきやぜんそくなどの改善に作用します。さらに、肘や腕、肩、背中などのこりや痛みの緩和にも働きかけます。
<ツボ「尺沢」の位置>
肘を曲げたときにできる横じわの真ん中にある、かたい筋(すじ)の外側のくぼみのところ。左右にあります。
<刺激法>
反対の手のおや指でやや強めにひと押し、5~10秒ほどを、3~5回くり返しましょう。
舌ぐるぐるストレッチ
くちびるを閉じた状態で、舌先を歯ぐきの外側、内側に沿わせて、それぞれ右まわり、左まわりになぞります。各2~5回行いましょう。唾液の分泌が実感できるでしょう。くちびるを閉じるのは乾燥を避けるためです。
聞き手によるまとめ
一連のツボ押しとストレッチを行うと、確かに口の中が唾液で潤ってきてのどのヒリヒリ感が緩和されます。いつでもどこででもできるので、とくにデスクワーク中や電車内などの暖房による乾燥をとっさに予防するには役に立つセルフケア法だと思います。ぜひ試してみてください。
(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)
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