寝つきが悪くて夜中に目が覚める、生理になるとやたらと眠い、更年期障害と睡眠の関係とは?
日本睡眠学会所属医師で医学博士、雨晴クリニック副院長の坪田聡(つぼた・さとる)先生が女性ならではの睡眠の悩みとその対処法を解説した『女性ホルモンが整う オトナ女子の睡眠ノート』(総合法令出版)が11月に発売されました。
そこで、ウートピでは4回にわたって本書の内容を抜粋して紹介します。
日々の体調を整える睡眠のコツを知ることができます。
冬の快眠法
冬は体が冷えてうまく寝つけなかったり、朝も暗さや寒さでなかなか起きられなかったりします。体温や寝室の温度・湿度、さらに寝床の中の環境を整えると、眠りやすく起きやすくなります。
健康な人の体温は、1日の中で1°Cくらい上下します。体温が下がる時間帯には寝つきやすく、体温が上がる時間帯には寝つきにくいものです。そのため、寝床に入る予定時刻の30分ほど前にお風呂から上がると、体温が下がる頃に眠りにつけます。
お風呂のお湯が熱いと交感神経が刺激されて目が覚めてしまうので、37〜40°Cのぬるめのお湯に20〜30分ほど入りましょう。半身浴でも同じような効果が得られます。どうしても熱いお湯に入りたいときには、いつもより少し早めに入るとよいでしょう。
冬の寝室では16〜20°Cで、睡眠感が最も良くなります。大まかに言うと、ナイトウエアの上に一枚羽織ってちょうど良いくらいが目安です。リビングから寝室に入ったときに寒いと感じると、交感神経が興奮して眠気が覚めてしまいます。また、夜中にトイレに行くときも、部屋や廊下が寒いと脳卒中や心臓マヒを起こすこともありますから、注意が必要です。
寝床の中の温度は、体温に近い32〜34°Cが最適です。眠る1時間前から、電気毛布や湯たんぽで寝床を温めておきましょう。電気毛布を一晩中つけておくと、眠っている間に起こる自然な体温の低下を妨げてしまいます。眠るときにいったんスイッチを切り、目覚める予定時刻の1時間前に、スイッチが入るようにタイマーをセットしましょう。
湯たんぽは時間とともに冷めてくるので、自然な眠りを妨げません。足元に置くより、脚のつけ根や脇、首、お腹にある太い血管を温めると、手足の先まで温かくなります。
冬はただでさえ、空気が乾燥しがちです。エアコンを使うとさらに湿度が下がって、睡眠の質が悪くなります。ノドを痛めたり風邪をひいたりしないためにも、湿度は50%前後を保ちましょう。加湿器を使ったり、濡れたバスタオルを部屋につるしたりなどの工夫が必要です。
適量のアルコールは、寝つきを良くしてくれます。しかし、眠りが浅くなりやすく、トイレのために起きることも多くなるので、睡眠全体としては質が悪くなります。また、睡眠薬代わりに寝酒をしていると、量が増えてアルコール依存症になりやすいので、自制が必要です。女性の場合、日本酒0.5合あるいはビール250mℓ以下を、眠る3時間前までに飲み終わるようにしましょう。
朝は目が覚めたら、すぐに明るい光を浴びることが大切です。強い光は、最強の目覚まし効果があるからです。太陽の光を直接浴びるのがベストですが、日の出の時刻が遅い時期は、部屋の照明だけでもパッと全灯にしましょう。
朝起きるのが苦手な人は…
低血圧や低体温の人は、朝、布団を出なくてはいけないことが分かっていても、体が言うことをきいてくれません。そんなときは布団の中で寝転んだまま、等尺性運動(とうしゃくせいうんどう)をしてみましょう。まず、6〜10秒間、全身に力を入れ、次に同じく6〜10秒間、完全に力を抜きます。これを3セットもすれば、血圧と体温が適度に上がってきます。
とっておきの荒業(あらわざ)として、幕末・維新の英雄・西郷隆盛さんも行っていた起床法を紹介しましょう。目が覚めたら、掛け布団や毛布を足元まで蹴飛ばしてしまうのです。こうすれば寒くて眠っていられなくなり、イヤでも目が覚めるはずです。ただし、高血圧や心臓病などがある人は、決して行わないでください。
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情報元リンク: ウートピ
お風呂はぬるめ、ベッドには湯たんぽ…冬の快眠法 【オトナ女子の睡眠ノート】