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「あいつのせいだ」が幸せを遠ざける理由【キャリア迷子とメンタルヘルス】

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予想外のことが多く起こった、2020年。働くことやこれからのキャリアに不安を感じた人も少なくないのでは?

2020年10月11日(日)に開催された、秋葉原内科saveクリニック(東京都千代田区)の2周年オンラインイベントから、同クリニックの院長で『メンタル・クエスト 心のHPが0になりそうな自分をラクにする本』(大和出版)の著者、鈴木裕介さんとご友人のみずのけいすけさんによる「キャリア迷子とメンタルヘルス」の対談に加筆・編集してお届けします。

前編では、「仕事」についてフラットな情報を仕入れてみることや、体で感じることも大切にしようという話が出ました。後編ではその具体的な方法を紹介します。

鈴木先生(2020年8月撮影)

鈴木先生(2020年8月撮影)

「記号」としての自分と「存在」としての自分を表現する

みずの:キャリア迷子に陥ってしまっている人から相談を受けたとき、僕がよく言うのは、周りの人との対話が大事ということです。よほど自分一人で切り開いていくという方以外、どこかの集団に加わることになるので自分のことを知らない人に自分について説明しないといけないんですよね。面接とか試験とか。知らない人に数分でパッと理解してもらうのはなかなか難しいことだと思います

学生にもよく言うのですが、学生のときって大人とちょっと真面目な話をする機会って意外とないんです。バイト先の先輩とか上司と接点があるというだけでは真面目な話とはちょっと言えなくて。強いて言うならバイトの面接のような。緊張感があるなかで知らない大人に数分プレゼンするって、なかなか日常では体験できないことなんですよね。

だから周りの人に「どんな仕事をしているのか」と聞くのはトレーニングでもあります。真面目な話をパッとするというのは難しいから。これはどなたでも難しいと思うので、ちょっとずつやっていけるといいですね。

鈴木:そうそう、そういう対話を通して、「何ができてどういう人なのか」というのをわかりやすく説明することが必要になってくる。「記号としての自分」というのは識別しやすいからね。私はこういうことができるので、私にこういうお仕事を依頼してくれたらいいですよということを、社会に表現すること。わかりやすい履歴書や面接はこの「記号」なんだよね。

みずの:こんな資格を持っていますとか。

鈴木:そう。と同時に「存在としての自分」も大事で。記号としての自分は「DO」で、存在としての自分は「BE」。どういうものが好きで、どんなキャラクターで何がストレスかというところの自分をどっちもわかっていないといけない。「記号」だけが際立たった扱いをされ続けると、人は病んでしまうんです。「俺は駒じゃねーぞ」って。

みずの:なるほど。

鈴木:記号としての自分がたっていて、相手のニーズに応えることはできるけど、自分がどういう悩みを持っていてどんなことをストレスに感じるのかがわかっていないと、評価はされても「どこかでないがしろにされているような感覚」が出てくる。長いことそれを続けると、だんだんダメージが蓄積して続けられなくなってしまうことがある。

ただ、存在としての自分の悩みは、面接官に言う必要はなくて自分だけわかっていればいい。キャリアをちょっと変えようとか、今の仕事がフィットしていないんじゃないかなというときに、DOだけではなく、BEの部分もしっかり知ろうとしてほしいですね。たぶん、いい面接官だとどちらも聞かれるだろうし。

他己分析をして自分を客観視する

画像はイメージです。

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みずの:両方見るよね。DOとBEってすごくわかりやすい。BEのほうって気づかないままでも生きていけるというか。だから、ちょっと(キャリアの)踊り場みたいなところに出たときはせっかくだから両方に想いを巡らせてみるといいと思います。それから、僕と話すとだいたいやっていただくのは他己分析。

自分の長所短所を周りの人に聞いて客観視しようと、本にもよく書いてあるじゃないですか。でも僕は、ちょっと弱っているときに短所を見つめるのは嫌だなと思うので、周りの人に自分のいいところを3つ書いてもらうことをすすめています。突然送られたほうにはややウザめのLINEになるかもしれないけど、勇気を出して10人とか20人に聞いてみる。もし関係性が良ければ家族や友達に「私のいいところをちょっと教えてもらえない? キャリアを相談している人に言われてさ〜」みたいな感じで集めるといいと思うんですよ。

鈴木:うんうん。

みずの:弱っているときは自己肯定感も不安定になっているからね。それで、思い通りだという答えが集まるのも面白いし、意外なものが出てきたらしめたもので、それをもとに話をしたりすると、だんだんBEの「こう見られているんだ〜」と、なんならDOも含めて解像度が上がるきっかけになります。場合によっては、集めたコメントをA4の紙にまとめてエントリーする企業に提出してみたら? と言います。補助資料的な感じで。

鈴木:「私こんなこと言われていますよ、よかったらどうぞ」くらいの感じで。

みずの:そう。卒業アルバムの寄せ書きのように。客観視ってすごく難しいことだなと思うんですけど、面接する側からすると「この人はこう話しているけど普段はどうなのかな?」という情報がほしいはず。昔からある紹介状という文化にはおそらく、客観的にその人を見ることができるって意味があるんだと思う。

自分が思う自分と人から見える自分

鈴木:(キャリアの相談やセミナーという場面では)やっぱりどういう業態がいいとか、わりとカチッとした話が多いんだけども、大事な部分ですよね。紹介したい言葉に、「self-awareness」(セルフ・アウェアネス)というものがありまして。「自己認識」とも言うんですが、「自分が思う自分」と「他人から見えている自分」のイメージがちゃんと一致していると生きやすいんですよ。

みずの:おもしろいですね。

鈴木:ジャイアンリサイタルなんてのは、自己認識の不具合の極みですよね。また逆に、みんなは「すごい」と思っているのに自分だけが「そんなことはない」と思っていると、生きづらいしチャンスを逃す。せっかく「あなたはすばらしいからこれをやってみて」と言われても「無理無理無理無理!」となってしまうわけです。DA PUMPのあの曲みたいに。

みずの:ははは。若い人たち、そのネタ拾えないよ(笑)。

鈴木:すみません(笑)。まあ、気を取り直して。そういう類のすれ違いが続くと、本人は謙遜のつもりでも、関係性が悪化しちゃうんだよね。自己肯定の問題でもあるんだけど、自己肯定感が低い人が他人とうまくいかなくなる大きな原因の一つがこれ。「あなたはすばらしいよ」と言われているのに、それを受け取れないと、褒めた側からすると、自分が作った料理を食べてもらえなかったみたいでちょっと寂しく感じる。

だから、いかに自己否定感が強くても言われたことの1%くらいは受け取ってねという話はよくしますね。自分のことが一番よくわからないから、自分が心を許している人にフィードバックをもらう機会があるといいよね。

みずの:いいですよね。ちょっと勇気がいるんですけど、面接の本番ではもっと知らない人に伝えなきゃならない。セルフ・アウェアネスは練習からバチバチやると疲れてしまうので、ゆるくやっていくのがいいんでしょうね。

キャリア迷子さんに必要な「仕入れ」

みずの:いろんな人の仕事の話を知ろうというのも、自分のいいところを人に教えてもらうのも「仕入れ」だと僕は思っていて。鮮度の高いものを仕入れる必要があるのだけれども、じゃあどういうものを準備をすればいいのかというのはあんまり教えてもらえないんですよ。

鈴木:うん。

みずの:この対談で僕が伝えたいことの、ひとつが「いろんな人の仕事の話を聞こう」です。そしてもうひとつは「自分の良いところを聞く」。これはぜひやってほしいなと思っています。相談者には「まとまったらメールで見せてほしい」と言うんですけど、共有していただくときには僕も幸せな気持ちになります。「いいじゃん!」って。

鈴木:みずのさんのこのノリがすごく大事ですよね。「THE キャリアコンサルティング!シャキーン!」って感じじゃなくて。自分の足元がふらついている時期に正論は聞きたくないし、関係ができていない人にも聞きたくないから。関係ができている人に聞くのがキモなんだろうね。

みずの:大事だと思いますね。かっちりした適性テストで事態が切り開かれることもあるから、興味があったら受けてみてもいいと思うし、いろいろ試してほしいなと思います。ただ、今僕らが言ったようなことはひとりでやろうとすると難しい。

鈴木:そうですね。ひとりでは見えないですよね。自分がどの位置にいるのか調べるのって、マッピングだから自分がいる世界の外側のことは見えない。客観視が必要。

幸福度を下げる思考パターン「あいつに言われたことのせいだ」

画像はイメージです。

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みずの:そのためのちょうどいい人を見つけてほしいし、文脈としてはコーチングが近いのかな。今はいろいろなサービスがあるから、キャリアのことを話せるコーチを探してみるのもいいと思います。答えを見つける、教えてもらうというよりは壁打ち相手を見つける感覚かな。

鈴木:答えを教えてもらおうとすると「人のせい」にできちゃったりするのでね。

みずの:そうだね。よく聞く話だし、耳が痛い……。

鈴木:「こうしたほうがいいよ」とは言うかもしれないけど、「やるかやらないかを選択するのはあなたですよ」って。「基本的にはYOUの問題です」というのは、絶対にそうだから。失敗したときにも、それが自分の選択の問題であると受け止められるほうが、次に活かしやすい。「あいつに言われたことのせいだ」と思うと、省みることができなくなるんですよね。そういう(他責の)生き方のスタイルを身につけてしまうと……幸福度が下がるでしょうね。

みずの:下がるよね。

鈴木:スパイシーな話かもしれないけど、それがクセになると同じタイプの落とし穴にずっと入れてしまう。それで本来の自分の変化の可能性に目を向けられなくなるのは、すごく勿体ないことだと思います。

情報元リンク: ウートピ
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