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「大変な時代だったねと話せる日がいつか来る」吉高由里子が「見たい」と願う未来

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吉高由里子さんと横浜流星さんがW主演を務める映画『きみの瞳(め)が問いかけている』が、10月23日(金)に公開されました。

不慮の事故で視力と家族を失った明香里(あかり)と、暗い過去が原因で将来に希望を持てずにいる塁(るい)。偶然の出会いから惹かれ合う二人は、残酷な運命に奔走され——。

劇中より

劇中より

本作の監督を務めたのは、恋愛映画の名手として名高い、三木孝浩さん。吉高さんとは『僕等がいた』(2012年)以来、8年ぶりのタッグとなりました。後編では、吉高さんに、横浜さんとの共演で感じたことや、コロナ禍でどんなことを考えていたのか聞きました。

横浜流星は「放っておけない」魅力がある

——横浜さんとは、初共演です。どんな印象を持ちましたか?

吉高由里子さん(以下、吉高):横浜さんは『はじこい』*以来、ネットニュースで見ない日はないくらい大活躍しているなと思っていました。ずっと話題の作品に出演しているし、キャスティングに彼の名前があがったときは、「本当に彼のスケジュールが空くの???」って。あの多忙ぶりには、「実は、横浜氏は複数人いるのでは……?」と思ったほどです(笑)。

*19年に放送された、火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)

——横浜さん、複数人説!(笑)。

吉高:実際にお会いしたら、テレビで見るより幼く感じましたね。芸能界でブレークしている23歳ですよ? 一番ぶいぶい言わせてそうじゃないですか。

——ぶいぶい(笑)。勢いありますもんね。

吉高:けれど、ご本人は謙虚で真面目でストイック。ピュア過ぎて、ラブストーリーの相手役というよりも、姉の気持ちでした。「ご飯食べて!」とか「少し休んだら?」って。背は高いけれど、完全に小型犬を扱うかのように……。

優しさの中に、寂しさをにじませたような目をするところは、塁にぴったりだなと思いましたね。放っておけないと思わせるような。正直者で、まっすぐで、純粋な気持ちが伝わってくるようでした。

劇中より

劇中より

現場では「自分が一番楽しむ」

——吉高さんが「先輩」として現場で意識したことはありますか?

吉高:私としては、自分が「先輩」だとあまり思わないようにしています。どの現場にも通じることですが「絶対に自分が一番楽しむぞ!」という気持ちでいるんです。そのほうが作品に対する愛着も湧くし、いい思い出にもなるので。

仕事は仕事と割り切るタイプの方もいらっしゃると思いますが、私は切り替えないで自分自身として全面的に楽しんでいきたいと思うスタンスでやっています。

——前回、役の勉強として、視覚障がいを持つ方を取材したこともいい経験になったとお話されていましたね。

吉高:そうですね。みなさんとても明るく振舞ってくださって。もちろん辛くて苦しいこともたくさんあるはずなのですが、「見えないから逆にこういうことができる、こんなことが起こる」って楽しんでいることを聞くと、胸にぐっとこみ上げてくるものがありました。とても元気をもらいましたね。生きていたらなんでもできるんだから、というような。人の内側から出てくる生命力に触れた気がして、何度も泣きそうになりました。

この先の未来が見たい

——いま、コロナの影響もあって、これから自分はどう生きていこうか、何を目標にしようかと考える人も多いと思います。吉高さんもいろいろと思うことがあったのではないでしょうか。

吉高:ありました。撮影を始められるのかな、クランクインしても中止になったらどうしよう、公開されても映画館に来てくれるかな……という不安は感じていましたね。キャンペーンだって制限されるだろうなと、暗い気持ちになってしまう瞬間も多くありました。

——そうですよね。

吉高:でも、そういう時代に遭遇することも、人生において何度もあることじゃないですよね。世界で同時に大変なことが起きている中で、自分も生きていて。ここからはい上がっていこう、ああしてみよう、こうしてみようってみんなでいろんなアイデアを出し合っている。それって、再生していく世界も同時に見られるってことじゃないですか。落ち込んだ後はもうポジティブなことしか待っていないと思うんです。

——たしかに。

吉高:辛いなかで無理して気持ちを切り替える必要はないと思いますが、「あんなこともあったよね」と語れる時代を自分は手にしたんだと思えば、おばあちゃん、おじいちゃんになった世界でも面白くいられると思うんですよね。生きていればいろいろある。でもそれは自分の経験に変わって、ひとつひとつが自分の年輪のようなものになっていくはず。

今、大変な思いをしている人、とても不安な人もたくさんいらっしゃると思います。でも、まだ生きてる。これから、きっといろんな可能性、新しいものがどんどん増えるはずです。大変かもしれないけど、だからこそ「この先を見たくない?」と私は思います。

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■作品情報

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『きみの瞳(め)が問いかけている』
10/23(金)全国ロードショー
©2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
©2020 Gaga Corporation / AMUSE Inc. / Lawson Entertainment,Inc.  
配給:ギャガ

(取材・文:安次富陽子、撮影:面川雄大)

情報元リンク: ウートピ
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