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世界メノポーズデーって知ってる? 実は知っているようで知らない更年期のコト

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10月18日は「世界メノポーズデー(更年期の日)」。

1999年に開催された第9回国際閉経学会で、人生100年時代における更年期の健康に関わる情報を発信する日として定められました。

更年期と聞くと「まだ私には早いかな」と思う人もいるかもしれません。一方で「急に汗をかくようになったけれど、自分の体質なのか更年期なのか分からない」と困惑している人もいるのではないでしょうか?

そこで、女性医学学会専門医で生殖医療専門医の巷岡彩子(つじおか・あやこ)先生に更年期について伺いました。前後編。

巷岡彩子先生。 女性医学学会 専門医 生殖医療専門医。 都内の大学病院やクリニックでの勤務を経て、現在、不妊治療専門の産婦人科クリニックにて勤務。ママドクターとして育児や家事と仕事を両立しながら活躍中。女医+(じょいぷらす)所属。

巷岡彩子先生。
女性医学学会 専門医 生殖医療専門医。
都内の大学病院やクリニックでの勤務を経て、現在、不妊治療専門の産婦人科クリニックにて勤務。ママドクターとして育児や家事と仕事を両立しながら活躍中。女医+(じょいぷらす)所属。

更年期ってどの時期を指すの?

——まずは更年期について教えてください。

巷岡彩子先生(以下、巷岡):更年期とは、女性ホルモン値が下がることで、肉体的、精神的な不調が起こる時期を指します。女性の平均閉経年齢は50歳で、前後5年間の45~55歳を一般的に更年期と呼びます。

女性ホルモンであるエストロゲンは女性の心と身体を守っています。ところが、更年期には、エストロゲンが減ることで、不快な症状がでたり、閉経後には生活習慣病の発生リスクも高くなります。更年期に起こるさまざまな不調を更年期症状、日常生活に支障がある状態を更年期障害といいます。

更年期の症状は?

——更年期症状とは具体的にどんな症状を指すのでしょうか?

巷岡:更年期症状は、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)、冷え、動悸(どうき)、頭痛、めまい、息切れ、肩こり、腰痛、イライラ、不眠、倦怠(けんたい)感、疲れやすい、うつ、頻尿など多岐にわたります。

——かなり多岐にわたっていますね。

巷岡:女性ホルモン値が下がる生物学的要因に加えて、仕事の責任が重くなる、家庭環境や介護など大きなライフイベントと重なる環境的な要因、ついつい頑張ってしまう本人の性格的な要因があります。このような要因が合わさって更年期症状に拍車をかけてしまいます。傾向として、閉経前の女性ホルモンの増減が激しいときに、症状が最も重くなる方が多いようです。

——更年期のサインはあるのでしょうか?

巷岡:自分が更年期かどうか判断するのは、ホットフラッシュの症状。汗がダラダラでる、気温に関係なくほてりやのぼせがあることです。今までにない多量の汗をかく、汗冷えで目が覚めるというのはひとつの目安かもしれません。頭痛、めまい、腰痛、肩こり、疲れなどは、他の病気の症状と同じなので、更年期とは結びつかない場合も。汗をかくのは身体全体のときもありますし、特定の部位ということもあります。また、汗をかく部位が年齢を重ねていくと変化することもあります。

他にも、肌のかさつき、ドライアイ、化粧のノリが悪いという症状も含まれます。女性ホルモン値が下がることで、皮膚の萎縮が始まるので、肌が乾燥する症状もみられます。

更年期の症状は多岐にわたりますが、もともと頭痛持ちの方の場合、頭痛がでやすくなることはあるかもしれません。40代半ばになって月経の様子が変わってきたこととの併発でしたら、更年期を疑ったほうがいいでしょう。更年期と断定するのは難しいのですが、病院では、ホルモン値の測定、月経不順や不正出血の有無、身体や精神的な不調の3つの要素で診断していきます。

更年期の治療は?

——更年期の治療について教えてください。

巷岡:更年期症状は多岐にわたるので、他の病気が隠れていないかを最初に診察します。更年期症状の治療としては、ホルモン補充療法を行います。医師の指導の下、飲み薬や貼り薬として処方することが多いです。

ホルモン剤を補充すると、1カ月くらいで、発汗がなくなった、肩こりが軽くなったなどの改善がみられます。ホルモン補充療法ができない場合は、更年期症状に有効な漢方薬を処方することもあります。他に疲れがひどいときなど、プラセンタ注射をすることもあります。プラセンタはアミノ酸や核酸成分などとても多くの栄養素が含まれており、昔から更年期症状の治療に用いられる治療法で有用といわれています。症状の改善とともに美肌の目的として、プラセンタ注射を希望される方も多くいます。

バランスの良い食事、質の良い睡眠、適度な運動が基本

——少しでも更年期を快適に過ごすためにできることはありますか?

巷岡:更年期症状の予防としては、バランスの良い食事・質の良い睡眠・適度な運動が基本となります。不調だから眠れないのか、眠れないから不調なのか、というのもありますが、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れると寝付きが良くなります。

どうしても眠れないときは、睡眠薬やサプリメントを摂取することも良いでしょう。過剰に摂取したり、薬に常に頼ることがなければ、解決する選択肢のひとつになります。

食事はバランス良くとるのがオススメです。女性ホルモン様作用を持つイソフラボンを含んだ大豆食品を積極的にとること。大豆イソフラボンやエクオールなどをインナーケアとして活用するのも良いです。

また、気分転換やリラックスする時間をとるのも良いです。お風呂に入ったり、アロマなど香りを利用すること。ラベンダーはリラックスできる香りとされていますが、ご自分の好きな香りを楽しむのが一番です。アルコールを楽しむこともリラックスするには良い方法ですが、飲まないと寝付けないなど頼りすぎるのは良くありません。

気軽に婦人科を受診して

——更年期かなと思ったら婦人科に行けばよいのでしょうか?

巷岡:ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)、腰痛や肩こりがひどくなったり、イライラすることが増えるなどの更年期症状があっても、我慢する方が多いです。月経の量や周期に変化を感じているようなら、婦人科に相談しましょう。例えば、生活に支障がでるような、会社を休んだり、痛み止めを飲んでもつらいなどの症状があれば、すぐに婦人科を受診することをオススメします。

特に40代後半で疲れやすい、何となく不調が続くつらい時期に、いろいろな診療科を受診しても原因が分からず、不安感が強くなることがあります。そんな時に婦人科を受診し更年期症状と診断されると、それを受け入れることで気が楽になり、適切な治療を受けて改善することも多くあります。

腰痛や肩こり、不眠や倦怠(けんたい)感などは更年期症状のひとつです。整形外科や内科と思われるかもしれませんが、更年期に差し掛かる年齢でしたら、婦人科の選択肢も視野にいれてみてください。

情報元リンク: ウートピ
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