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だ液と緑茶で…口臭の発生源「舌苔」のセルフケア法【歯科医が教える】

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年齢とともに自分で感じるようになってきた口臭……なんとかして改善したいものです。そこで、『すべての不調は口から始まる』(集英社新書)という著書が話題の、口腔衛生や口臭に詳しい江上歯科の江上一郎院長に連載でその方法を聞いています。

第1回の「口臭の原因はアレだった! 自分で確認する方法は?」では、だ液の減少で口の中の細菌が増えてにおう気体が発生すること、その発生源は舌苔(ぜったい)であることを教えてもらいました。

今回は、その舌苔を自分でケアする具体的な方法を紹介します。

江上歯科の江上一郎院長

江上歯科の江上一郎院長

だ液と緑茶で舌の汚れを取り除く

——前回、「舌苔はにおい菌のえさになるので悪臭を放つ」ということでした。ではその舌苔をセルフケアするにはどのような方法があるのでしょうか。

江上医師:まず、舌苔を除去するブラシなど、グッズを使わずにケアする方法を2つ紹介しましょう。

(1)舌の表面を上あごにつけてこする

いつでもどこででもできる方法です。だ液には、抗菌、消臭作用がありますが、舌はいつもはだ液で潤っているので、その作用で汚れを除去することができます。日中、口臭が気になったときにさっと行ってみてください。

ただし、ドライマウスの人や、体調が悪くてだ液が不足しているなと思うときは、強くこすり続けると舌の表面を傷めることがあります。その場合は先に、だ液の分泌を促すために、歯ぐきの外側と内側を交互に、舌先でぐるぐると右まわし、左まわしになぞってみてください。また、だ液腺マッサージも有用です。それについては次の記事も参考にしてください。

【関連記事】むし歯や口臭はストレスで悪化する…歯科医が教えるセルフケア

(2)食後に緑茶で舌そうじ

ひとくち分の緑茶や紅茶、もしくはほかのお茶や水でもいいので口に含み、縦に5回、横に5回ずつほど、ぐちゅぐちゅとすすいだあとに、舌の表面を上あごにこすりつけてからゴクンと飲み込んでください。

さらに可能ならば、このとき舌で上あごをタンタンと数回はじいて、充分に口の中をすすいでから飲み込むとよいでしょう。緑茶や紅茶を先に挙げたのは、抗菌成分であるカテキンが含まれているためです。私はこの方法を、「ぐちゅぐちゅゴクン」と名付けて、食後のうがいとして推しょうしています。歯と頬の間や歯間につまった食べものを取り除くことができるため、歯磨きの作用もあります。

食後すぐは口の中の細菌は激減しています。それに、自分が食べたものや飲んだものを飲み込むのですから、汚いことはなにもありません。

——(1)は確かにどこででもできて便利です。(2)は、ゆすいでから飲み込むということにどきっとしました。吐き出すより飲み込むほうがメリットがあるのでしょうか。

江上医師:あります。飲み込むことでのどの奥までの洗浄と保湿になるのです。ただし、起床後すぐは、一日のうちで口の中の細菌の量がもっとも多いときです。口の中がねばねばしているでしょう。それは細菌がいる証ですから、口をゆすいだ水を飲みこんではいけません。必ず吐き出してから歯磨きをして、朝食後に「ぐちゅぐちゅゴクン」をしてください。

コットンや舌用ブラシで舌苔を取り除くコツ

——体調によっては、舌が白くて苔がたくさんついていることがあります。

江上医師:だ液や緑茶だけのケアでは追いつかないと感じる場合は、やわらかいコットンやガーゼ、市販の舌専用のブラシを用いましょう。舌苔を少し薄くするイメージで、舌の奥から手前に向かって、力を入れずに軽く一方向になでるように引きます。

引くたびにコットンやガーゼは新しい面に変える、ブラシはすぐに水で洗い流しましょう。汚れの付着が少なくなるまで3~10回ほどくり返します。

ただし、決してごしごしとこすったり、汚れを取ろうと強く磨いたりしてはいけません。舌苔は除去しきれるものではないからです。汚れた食器を洗うときのようにきれいになると思う人は多いのですが、そうはなりません。舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)という微細な突起が無数にあり、そこに食べかすや頬粘膜の残がいなどがからみついています。

とくに、風邪や胃腸の具合が悪い、何らかの病気のときは口の中の環境は悪化し、だ液の分泌量も激減するため、舌苔は除去しきれません。そのときは体調不良のサインとして受けとめて、まずはそちらを改善しましょう。

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——コットンや舌用ブラシでケアするにあたり、有用なタイミングはありますか。

江上医師:寝る直前がいいでしょう。くり返しますが、睡眠中はだ液が急減して細菌が繁殖します。寝る前に舌に溜まっている細菌のエサを減らしておきましょう。

また、舌は磨き過ぎると突起に傷がついて汚れが余計に付きやすくなったり、炎症が起こったりすることがあります。磨く回数は、歯磨きのように1日に数回するのではなく、溜まったときだけでOKです。多くても1日1回までにしましょう。

聞き手によるまとめ

舌苔は口臭のもととなるにおい菌のエサとなるため、そのエサをなくすことが口臭ケアのポイントであること、具体的には「いつでもだ液」、「食後に緑茶」、「寝る前にコットンや専用ブラシ」で、舌の清掃をするとよいとのレクチャーです。自分の舌の状態をよく見つめながら、適切な舌清掃法を継続していきたいものです。

次回・第3回は、口臭が発生しやすい食品について紹介します。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
だ液と緑茶で…口臭の発生源「舌苔」のセルフケア法【歯科医が教える】

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