4月7日にモデルの滝沢カレンさんの初のレシピ本『カレンの台所』(サンクチュアリ出版)が発売されました。滝沢さんの独創的な言葉遣いや、分量が記載されていないという斬新な構成が話題となり、発行部数は15万3千部(6月5日現在)。この「超感覚レシピ」の魅力とは——? 今回は特別に収録されているレシピの一部を公開します。
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何をしてるんですか? 今日の台所は、私の右手にかかれば小さな自慢にもしたいハンバーグです。
昔の掛け軸に出てきそうな山に見えてますのがハンバーグです。
積乱雲のようにそびえ立つのは、サニーレタスです。
ハンバーグだけで言うなら間違いなく年齢分以上に作っています。
なぜなら、大好きな食べ物チーズがこの世にないとしたら第1位だからです。
今日はそんなハンバーグを4〜5個作るときのお話です。
今回は当たり前に混ざり合う合いびき肉、目つぶし覚悟の玉ねぎ、そして食品界のダイヤモンドな卵、あとは湯に入れるとふやけるお麩をご用意ください。
腰を上げる作業から始めたら楽ですので、最初は玉ねぎとの戦いで、あんだけ丸々と成長したというのに見るも耐えられない形にしていきます。子どもの頃に糸を通して遊んだビーズくらいにしてください。
粉々にこちらがすると、向こうは抵抗したいのか対抗してるのかでギリギリまで目つぶしスプレー出してきますので、気合いお願いします。
そうしましたら、フライパンにて玉ねぎには悪いですが、染みさせられた気持ちをバネにして玉ねぎを厳しく追求するように炒めます。
明らかな茶色になる前くらいにおやめください。
さて、みなさん大好きな手触り時間です!
無邪気にこんちくしょうと混ぜて
ボウルに仲良し合いびき肉(私は豚7:牛2)、炒めた玉ねぎ、卵1個、塩胡椒むせるくらい、マヨネーズをハンドクリーム1回分くらい入れましたら、魔法のお麩を入れてきます。
お麩は子供心に戻って粉々にしていきます。
見た目は暴れん坊な私たちですが、誰も見てませんからお気にせず。
粉々なお麩は自分の手のひらだけを信じて入れてください。ちょっとやそっとの力じゃ形変わらないだろ、という時にお麩の力はいらなくなります。
まだまだ独り立ちできないくらいグラグラならお麩の力を足してください。
さぁここからは無邪気にこんちくしょうと混ぜてください。
遊んだあとはお片付け。を唱えながら、食べたい形にしていきます。
焼くと、恐縮したように縮まりますから自分の予想と今を考えながら形にしていきます。
待ちわびる空室なカラカラフライパンに保湿がてらオリーブオイルをおつけください。
うっとり気分かと思えば、強火で温めていきます。
え、何勝手に洋服羽織ってんの!?
見違えたように綺麗な肉丸たちをフライパンに円卓机で話す家族のように並べていきます。
全員が窮屈じゃなく話せているなと思ったらそれをしばらく眺めてください。
1〜1分30秒でしょうか。え、何勝手に洋服羽織ってんの!?と思ったら、その驚きを味方にひっくり返してください。茶色のあったかそうな洋服を着てるはずです。
あまりにコゲ茶または黒の服を着ていた場合は焼きすぎです。また次回に期待しましょう。ひっくり返したら中火にしてもいいです。
中火で1分くらい焼きましたら、急にお酒をなんの合図もせずにふりまいていきます。ハンバーグに半身浴させる量入れます。
そうしましたら、蓋を閉めて一気に蒸し風呂状態にします。弱火くらいで許しましょう。
すると屋根から汗が出てきます。この状況を7〜10分見つめます。心配な方はひっくり返し、また蒸し風呂を見下ろします(2〜3分)。
あまり焼くと、頑なでわがままなハンバーグだと思われるので、柔らかく優しいハンバーグでお願いしたいです。
透明の液体が溢れ出てましたら、中までしっかり息通ってます。
赤い液体が出てきたら、まだ話終わってないと思ってください。
蓋を取ったら少し弱火から中火にしまして、最後の水分を飛ばさせてください。
あまり飛びすぎてしまうとまたカラカラフライパンに逆戻り、にだけはさせないでください。
油や肉汁や水分はやがて使うので居残りメンバーです。
ハンバーグを草、実を添えたお部屋(お皿)にお連れしたら、居残りメンバーをさらに引き立たせていきます。
まさかあんな目にあっていたとは
同じフライパンに残り汁ありますよね?
バターを食パンにいつもながら乗せるあの量入れ、お醤油とお酒をフライパンの周りを駆け抜ける程度入れたら、みりんを潔くお醤油よりもお酒よりも入れます。最後にお砂糖を軽々しく、味に甘さを渡します。
これが和風のタレになります。おろした大根にもじゃもじゃ頭のように大葉をちらしてあげましょう。
こってりを好く方には、こちらもおすすめです。
同じく残り汁にバター、赤ワイン1杯飲む量、お砂糖心ばかり、ケチャップ、ウスターソースを目ん玉2個分くらい、お醤油を使ったか使ってないか誰も分からないくらい入れて煮詰めます。
ワサワサとして明らかにゆるやかなスピードになったら、ソースのできあがりです。しっかり赤ワインのアルコールを天に天にと飛ばしてください。
ハンバーグにかけて、最後になんの状況も知らずに急遽冷蔵庫から呼ばれた生クリームをふっかけて完成です。
ハンバーグはこう思うとふんだりけったりな調理はされてますが、口に入れば私たちを幸せの絶頂に運んでくれて、まさかあんな目にあってたとはと思わせてくれます。
さよなら。
【CAST&STAFF】
<登場人物>
合いびき肉、玉ねぎ、卵、お麩、大根、大葉、サニーレタス、ミニトマト
<スタッフ>
醤油、酒、みりん、砂糖、塩胡椒、バター、マヨネーズ、オリーブオイル
『カレンの台所』は1400円(税抜き)で発売中。掲載レシピは鶏の唐揚げ、ハンバーグ、サバの味噌煮など、全30メニュー。
(記事提供:サンクチュアリ出版)
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情報元リンク: ウートピ
読んでも作っても楽しい、ハンバーグの話【カレンの台所】