先の見えない大変な日々が続いています。会社にも行かず、友だちにも会えず、うちの中にいると、つい”ひとり”になってしまった気がして、寂しい気持ちになることも。そこで、ウートピは「1往復エッセイ」を始めます。気になるあの人へ「最近、どうですか?」とたずね、「こちらはこんな感じです」と回答する。そんなささやかな現状報告と、優しくて力強いメッセージをお届けします。
今回は、ライターの菅原さくら(すがわら・さくら)さんから、現在放送中の『路(ルウ)~台湾エクスプレス~』(NHK総合/毎週土曜21時)に出演する、俳優の大東駿介(だいとう・しゅんすけ)さんにこんな質問が届きました。
【大東さんへ】
しばらくお会いしていません、お元気ですか? 大東くんのnoteマガジン「イエローブラックホール」、読んでます!
大東くんにインタビューをするたび、広く深い思考回路や独特の言葉選びに、とてもドキドキしています。だからこそ、いま聞いてみたい質問があるんです。
大東くんには、いまの日本の状況や自分の生活・未来が、どんなふうに見えていますか?
この閉塞感をとらえなおす、素敵な言葉が聞きたいです。
いま、未来の自分をデザインしている感じ
想像もしていなかった今がきましたね。
世界のこと、日本のこと、日々変わる現状のなかで、そりゃいろいろ思うことはありますが、やっぱり僕が今いちばん考えているのは「自分が今をどう生きるか」です。
この世界中足並み揃えたステイホームは
「これから自分はどう生きていきたいのか?」
この問いが毎日明確にわかる日々だなぁと感じてます。
というか、恐ろしいほど自分の本質が分かる時間だなと。
普段なんだかんだで仕事だなんだに追われ、ゆっくりとした時間を求めていたのに、いざとんでもない時間がやってきた中でその時間をどんなふうに使っているか。
社会に出てからなかなか出来なかった何もしないをすること。したかった何かに挑戦すること。
時間がないことを理由にやらなかった事を、今それでもやらない自分。仕事のことばっかり考えてる事実。
いい部分も恥ずかしい部分も、自分の本質が浮き彫りになり再発見し向き合わざる得ない時間。
そんな「嫌になるほど自分と向き合うこと」を選んでいるということは、それも含めて、今を乗り切ったその先の、社会や仕事と真正面から向き合うための未来の自分をデザインしてると感じ、なんだかんだ希望を持って生きてるんだなと実感します。
『コロナに負けるな!』というよりも…
感性の部分では、この閉塞感のおかげでビンビンで季節の変わり目の香りや新芽や風の音に感じたことないほど感動したりして。
なんというか、もともと味には自信ありましたけど、ブレ始めた味を調整しなおして、この機会に1から自分に合う素材探して前より繊細ないいダシ取り直しますんで、再開したらまた食べに来てください。前より美味しいですよ。って気持ちです。
『コロナに負けるな!』というよりは『コロナを越えた先の僕もっといいよ』って。
自分が社会にどんな影響を与えているかあまり実感ないけど、人間の活動が止まると地球がどんどん元気になった側面もありましたよね。個々の集合体は間違いなく地球に影響を与えているわけで。
今現在とても大変な状況の方がたくさんいると思いますが、これが収束する時に、個々の生き方が今後の社会に大きく影響すると思います。
そんな気持ちで生き、選挙に行こうと思います。
次回は、大東さんから菅原さんへ
さくらさん
さてさて、さくらさんに質問です。
言葉を扱う仕事を通してたくさんの言葉に出会ってきたかと思います。
今この現状の中でさくらさんの中で響いている言葉はありますか?
また、今一番なにがしたいですか?
僕は小学生以来のキャンプファイヤーを囲んでみんなでフォークダンスがしたいです。
あれ、今となっては自由の象徴ですよね。
いつかやりましょう。
*菅原さくらさんからのお返事は、5月29日(金)公開予定です。
(企画:安次富陽子)
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情報元リンク: ウートピ
コロナを越えた先の僕もっといいよ! 大東駿介が今思うこと