テレビドラマ化もされたマンガ「モトカレマニア」などの瀧波ユカリさんが、フランスの恋愛映画『今宵、212号室で』(クリストフ・オノレ監督、6月19日公開)の主人公・マリアらを描き下ろしたイラストが5月26日、公開されました。映画は夫婦や愛のあり方などを描いた大人のファンタジーで、海野つなみさんやジェーン・スーさんらも絶賛コメントを寄せています。
舞台はパリのホテル!“マジカルな一夜”が描かれる
『今宵、212号室で』は、パリのホテルを舞台に繰り広げられる“マジカルな一夜”を描いた作品。結婚して20年になる夫・リシャールに内緒でひそかに浮気を繰り返していたマリアは、ある日ついに浮気がバレてしまい、夫と距離を置くために一晩だけアパルトマンの真向かいのホテルの212号室へ行くことに。するとマリアのもとに20年前の姿の夫が現れ、元カレたちや夫の初恋相手なども次々に登場。不思議な一夜が幕を開ける……というストーリー。第72回カンヌ国際映画祭ある視点部門で主人公マリアを演じるキアラ・マストロヤンニさんが最優秀演技賞を受賞しています。
チャーミングで憎めない主人公マリアが魅力!
夫婦や愛といった大人のテーマをユーモアたっぷりに描いた本作。一足先に鑑賞した各界の著名人からも絶賛のコメントが寄せられています。
契約結婚といった一風変わった夫婦のカタチを描き、新垣結衣さん主演でテレビドラマ化もされたマンガ『逃げるは恥だが役に立つ』の作者・海野つなみさんは「レトロな音楽にのせて贈る、ポップでシュールな大人のファンタジー。自分勝手なのに憎めない主人公がチャーミングでした」とマリアの魅力をコメント。
『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』で第31回講談社エッセイ賞を受賞し、コラムニスト、ラジオパーソナリティ、作詞家として活躍するジェーン・スーさんもマリアへの愛をのぞかせ、「ゴロワーズのような青が散りばめられた大人のファンタジー。マリアをいとおしく思えるのは、私が大人になったからに違いない」とコメントを寄せています。
さらに、ドラァグクイーンとしてバラエティ番組やラジオ番組などで活躍中のナジャ・グランディーバさんも「マリアに憧れ マリアに嫉妬し 最後にはマリアになりたい! って思った。だって…私の212号室にはまだ誰もいないから…」とマリアへの熱い思いを吐露しています。
時間も空間も軽々と超越? 独特のセンスを称賛
ほかには、映画の独特のセンス、世界観を称賛するコメントも。
クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッションなどさまざまな分野に造詣が深い著述家でプロデューサーの湯山玲子さんは「人間誰しもが、苦さと甘さとともに思い起こすのが、『選ばなかった恋愛関係』。そのモチーフを、過去の恋人を登場させたり、トリッキーで演劇的な手法で描く中で、孤独や老いといった人生の一大テーマまでもが浮き彫りになる。ヌーベルヴァーグへのオマージュや音楽使いにセンスが光る」と作品のセンスを絶賛。
蒼井優さん主演で実写映画化された『アズミ・ハルコは行方不明』や橋本愛さん主演で映画化された『ここは退屈迎えに来て』の作者・山内マリコさんも「時間も空間も軽々と超越してみせる…ベッドルームをめぐる舞台劇のようなおもしろさ!」と自由自在な発想で描かれる本作の世界観に称賛のコメントを寄せています。
夫婦や愛のあり方を描く
テレビやラジオでのコメンテーターや映画評論、マンガ分析などさまざまな分野で活躍する精神科医の名越康文さんは「映画においては、いつも愛は分かりきった結論として描かれてきた。そうでなければ僕たち観客は安心して席を立てなかった。しかし人間の新しい『愛』との付き合い方を垣間見たければ、この作品を見るべきだろう。この映画は雄弁にあなたに語りかけるだろう。しかもごく個人的な部分まで」と新しい愛のカタチを描いた本作を推薦。
「夫婦の間に流れる時間は人も関係も平等にくたびれさせるけれど、その時間は同時に、恋では難しい別のつながりや感情を醸造する可能性も持つことを思い出させてくれる」と感想を寄せたのは、結婚の嘘と真実を描いたマンガ『1122』の作者・渡辺ペコさん。自身の作品テーマでもある“夫婦”に焦点をあてて感想を披露しました。
さらに、描き下ろしイラストを寄せた、“元カレ”が忘れられない女性を描いたマンガ「モトカレマニア」の瀧波さんも本作についてコメント。「若いってまぶしい。人生の後半戦はやっぱり苦い。誠実でも自分勝手でも苦いなら、どう生きる? ――そんな究極の難題をいたずら心たっぷりに突きつけてくる。すごく突飛で、ちょっと切ない愛のお話」と本作の感想を明かしています。
『今宵、212号室で』は6月19日からBunkamuraル・シネマほかで公開。
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情報元リンク: ウートピ
瀧波ユカリが“元カレ映画”のイラスト描き下ろし! 海野つなみ、ジェーン・スーらのコメントも