新型コロナウイルス感染拡大の影響で、長期化するテレワークや不要不急の外出自粛。感染拡大の防止のために必要な「STAY HOME」ですが、運動不足や栄養の偏った食習慣によって血圧や生活習慣病のリスクが高まる“二次健康被害”も懸念されています。
特に注意が必要なのが「高血圧」。新型コロナウイルスは高齢者や基礎疾患を持つ人が重症化するリスクが高いと言われていますが、中でも高血圧は、致死率の高い基礎疾患のひとつとされています。
そこで今回、東京医科大学循環器内科学分野准教授の椎名一紀(しいな・かずき)先生に、コンビニの買い物でも実践できる「高血圧などを予防するための食習慣の工夫」についてお話を伺いました。
「何を食べるか」に目を向けてみる
ーー外出自粛中の今、高血圧などを予防するために心がけることは何でしょうか?
椎名一紀先生(以下、椎名先生):外出自粛など、私たちが今置かれている状況は、非常にストレスがたまりやすい環境です。ついつい食べ物に手が伸びてしまうからといって、無理に間食を断とうとすると、さらにストレスになってしまい、かえって体に良くありません。無理のない範囲でかまいません。少しだけ“何を食べるか”に気を使ってみると良いかもしれません。
チョコなら高カカオのチョコ、お酒なら赤ワイン…
ーー具体的に“無理のない範囲”ですぐに実践できることはありますか?
椎名先生:ちょっとしたストレス解消としてコンビニでいつも買っている食べ物を少し変えてみるのもおすすめで、私も実践しています。
甘いものが好きな人はミルクチョコではなくポリフェノール含有量の多い、いわゆる高カカオのチョコレートを選ぶ。お酒が好きな人はビールではなく赤ワイン。また間食にはナッツ類を選んでみる……などです。
例えば、チョコレートのカカオポリフェノールの継続摂取は高血圧の予防になることが日本で実施した実証実験でも明らかになっています。
ーーチョコレートならすぐに実践できそうですね。
椎名先生:高カカオチョコなどは、普段食べる機会がない人であれば、そういった新しい刺激(ほろ苦さ)もある種の気分転換・リフレッシュにつながりますので非常におすすめです。他にも家の中の段差を上り下りする、ストレッチを行うなども取り入れるとより良いでしょう。
食生活を工夫してストレスのない過ごし方を!
外出自粛中は栄養の偏りなどから、生活習慣病への不安が高まるもの。椎名先生が提案されているように「無理のない範囲で」「“何を食べるか”に気を使ってみる」ことを実践してみてはいかがでしょうか? 食生活を工夫することで、少しでもストレスのない家での過ごし方を見つけたいですね。
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情報元リンク: ウートピ
高血圧を予防する食生活の工夫は? 医師に聞いた「外出自粛」生活のポイント