リモートワークや副業の解禁、フリーランスの増加など、多様化が進む令和時代の働き方。「このままでいいのかな?」と誰もが自分の生きる道を考えているのではないでしょうか。
このたび、自分らしい仕事や固定観念にとらわれない働き方を見つけた女性たちにスポットを当てたインタビュー集『これが私の生きる道! 彼女がたどり着いた、愛すべき仕事たち』(世界文化社)が2020年1月25日(土)に発売されました。
本書から、モデルでライフスタイルディレクターの高山都(たかやま・みやこ)さんのお話を紹介します。
1982年生まれ、大阪府出身。モデルや女優として活動するほか、日々の食事などをアップしたインスタグラムが話題となり、現在はレシピ制作や洋服のディレクション、商品のキュレーションなども行う。著書に『高山都の美食姿「日々のコツコツ」 続いてます。』(双葉社)など。
4年続けたラジオ番組が終了して
——あなたのお仕事は?
高山都さん(以下、高山):モデルや女優のほか、洋服のディレクション、料理のレシピ制作などを行なっています。
——インスタグラムを始めたきっかけを教えてください。
高山:19歳で上京してモデルを始めたのですが、26歳ぐらいからモデル1本でいつまで仕事ができるのだろうと不安が出てきて。若い頃は需要がありますが、年齢を重ねるとこれまでの雑誌には出られない。かといって、結婚もしていないので、上の年代の雑誌も違うし、とちょっと瞑想していたんですね。さらに31歳のときに4年続いたラジオ番組が終わってしまって、これから自分の柱をどう作っていこう、次の場所を探さないとと悩んでいたんです。
一方で、一緒に住んでいた彼がいて、将来結婚するんだろうなと思っていたので、自分も次のステージに変わっていく予感もあった。挫折したときだったし、お金がない中で自分たちらしく暮らすにはどうしたらいいんだろうと、家の中に目が向いていた時期だったんです。その様子を2010年ぐらいからインスタにアップするようになりました。
——インスタグラムをスタートしたときにしたことは?
高山:最初は写真日記みたいな感じで、何も考えずにアップしていました。ただ、そのうち料理のタグは見られることが多いなとか、いろいろ考えるようになって。そもそも私って分析をするのが好きなんですね。みんなが読むタイミングっていつだろうとか、何時にアップするとどう動くんだろうか、どんなふうに書いたら面白いと感じてもらえるのだろうか、と分析し始めたら楽しくなってきて。
あと、自分がゼロから作る習慣を何か始めたいなと思って、2015年からお弁当作りを始めたんです。どんなに遅く帰ってきても、毎朝8時にはお弁当の写真をアップする。最初は超下手なんですけど、どんどんレベルアップしていく。その様子って自分が読者でも面白いと思って。今日は寝坊したからこれしかできなかったという部分も含めて見せていました。
——仕事ではないのにそこまでしていたのはなぜ?
高山:私、続けることは得意なんですよ。答えが出たり結果が出たときがやめるタイミングで、それまでは絶対にやめない、みたいなマイルールがある。やり続けることでしか伝えられないこと、やり続けた人にしかない説得力ってあると思っているんです。
名前貸しはしない
——仕事で気をつけていることは?
高山:関わったことは最後まで責任を持って見届けること。名前貸しとか中途半端なことはしたくない。洋服のディレクションに関しても、どういう人がそのブランドのファンで、どういうテイストが好きなのか、きちんと分析して、提案していくことに、私が関わる意味があると思っていて。忙しくなればなるほど、そこは大事にしていかなきゃいけないと思っています。
——苦労したことは?
高山:SNSではありのままを発信するようにしていて、スケルトンだからこそ、ネタがないとか、困ることが多いですね。でも自分の人生を切り売りしているのだから仕方はないなとは思っています。実は1冊目の本が出た後に、彼にふられたんです。結婚しようと思っていた彼に、しかもクリスマスにふられて。今まで何年もかけて築いてきた大事なものが、壊れちゃったってボロボロになった。
でも世間から捨てられた女、かわいそうな人に見られるのはごめんだなと思ったんです。それで開き直って、一人で強く生きていこうと、結婚資金にためていたお金で、自然光が入って写真がきれいに撮れる部屋に引っ越して。2冊目の本でそのことを思い切って書いたら、すごい反響があったんですよ。考えると私は挫折のたびに次のステージに上がれているんです。
ちゃんと選んで、稼いで、責任を持って生きたい
——当時と仕事への向き合い方は変わった?
高山:はい。何かに依存したり、言い訳にするのは嫌だなと思って、自分でちゃんと選んで、稼いで、責任を持って生きていたいと思いました。そのためには頑張って働くだけじゃなくて、自分の価値を上げるしかないと思っています。
あと、自分というフィルターを通すと、物事はどう変わるのかを探りたい。若い頃なら可愛く見られたいとか、きれいに写りたいだけだったんですけど、今は私というフィルターが存在していればいと思うようになりました。
——あなたにとって理想の仕事(働き方)とは?
高山:無理をしないこと。背伸びはしてもいいけど、無理はしないことが大事。私は多分一生働くと思っているので、自分が自分らしくあるために働く。目先のお金ではなくて、長い目で見て、自分がちゃんと続けていけるかを考えて働いていくことですね。
折れないために「ゆるくていい」
——これから何かを始めたい人へのアドバイスは?
高山:いろいろ考えると頭でっかちになっちゃうので、とりあえず興味のあることをやってみる。向いていれば続ければいいし、向いてなければ他の場所は必ずあるから。そして好きだと思ったことは、形になるかならないかに関係なく、続けてみる。
私は何をするにも5年はかかると思っているんです。音楽の仕事もライフスタイルも、信頼されて仕事を任せたいと思われるには5年はかかっている。だから最初は見向きもされなくても続けること。反応を求めると心が折れちゃうから、反応は求めない。
私「ゆるくていい」って言葉をよく使うんですけど、それって折れないためのゆるさなんですよ。柔らかいことは強さでもある。例えばお弁当でも朝8時にアップすることはルールにしたけど、別に手を抜いてしまう日があってもいい。自分の中で掲げるハードルはすごく低くてよくて、越えられないようなハードルだと挫折しちゃうので、楽に越えられるぐらいのハードルで少しずつ高くしていく。そうやって続けてきたことは自分の成長にも繋がりますから。
『これが私の生きる道! 彼女がたどり着いた、愛すべき仕事たち』は1500円(税抜き)で発売中。
(記事提供:世界文化社)
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情報元リンク: ウートピ
高山都・続けるうちに見えてきたこと【これが私の生きる道】