肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染が拡大し、連日のようにメディアで報道されています。
新型コロナウイルスって何? インフルエンザとの違いは? 今すぐできる対策は? 「国立病院機構相模原病院」(相模原市南区)の医師で感染内科にも詳しい児玉華子(こだま・はなこ)先生に詳しく伺いました。
新型コロナウイルスって何?
コロナウイルスとは、いわゆる風邪の原因ウイルスでこれまで6種類が知られています。そのうち4種類はただの軽い風邪。これまでにまん延したのは、SARS(サーズ)、MERS(マーズ)が知られています。
今回の新型コロナウイルスはただの動物の風邪だったものが、何らかの原因で人にうつってしまい、今では人から人の感染がメインになっています。これが7番目のコロナウイルスで「2019−nCoV」というものです。
発症するまでの潜伏期間は2〜14日と言われ、感染しているのに気付いていない人や、無症状の人が出歩いて、せきをしたときの飛沫(しぶき)や、それが付いた場所を触った手や口などから気管に入ると発症し、感染が拡大しています。
インフルエンザとの違いは?
発熱、倦怠(けんたい)感、咳が出るのは新型コロナウイルスでもインフルエンザでも一緒です。ただし、新型コロナウイルスでは、頭痛を訴えることはあまりなく、下痢も少ないと言われています。また、新型コロナウイルスでは肺炎を起こすため、半数以上で呼吸困難を訴えることが特徴です。呼吸困難と言うのは、もしかしたら新型コロナウイルス特有の症状かもしれません。
対策は「手洗い、うがい、マスク」
新型コロナウイルス対策は、①手洗い、②うがい、③マスクです。飛沫感染と接触感染で拡散しているため、咳やくしゃみをする人がマスクをして、菌を飛ばさないようにすることが大切です。無症状の人から感染が広がっているので、体調が悪い、咳が出るという軽い風邪の症状だと思っても、周りに迷惑をかけないように咳エチケット*を心掛けましょう。
また、マスクのつけ方も間違えている方が多いです。まずは鼻まできちんと覆うこと。使い捨てのマスクは再利用せずに捨てること。机に置いたりポケットに入れておくと、菌が付着し意味がありません。
身を守るには、手洗い後のアルコール消毒に加えて人がよく触るドアノブや机などを次亜塩素酸ナトリウム配合の消毒液で拭くと良いでしょう。
*「咳エチケット」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
規則正しい生活、食事、運動、睡眠で免疫力を高めよう
また、免疫力を高めることも大切です。一般的に言われていることですが、規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠をしっかり取ること。ストレスをためないこと、あとはなるべく外に出ないことですね。
ただ、「規則正しい生活や運動をしなくては」「栄養バランスをきっちり考えた料理も作って」と、自分を追い込んでしまいすぎるとストレスになる方もいるかと思います。そんな時は、できることから始める、食事については手軽なインナーケアを活用するのも良いでしょう。例えばLPS(リポポリサッカライド)を含んだ食事を取るなどです。
LPSは、グラム陰性桿菌(かんきん)という土壌に多く存在する細菌の細胞壁に含まれるもので、空気中に浮遊したり、野菜や海藻などに付着しています。人間の身体で作られないため主に食事から摂取してきましたが、近年、土壌はアスファルトで覆われ、農薬等の使用や加工食品の普及、清潔過ぎる環境などの理由で現代ではLPSの摂取量が減ってきています。
LPSは「免疫ビタミン」と言われ、摂取量が減っていることが原因で花粉症やアレルギーが増えているとも言われています。
体重 1kgあたり10μg(マイクログラム)の LPSで、病気の予防改善などの効果が期待できます。例えば、体重が50kgの方ではLPSを500μgを摂取するのが理想です。近年では食事から取るのが難しくなっており、インナーケアを活用するのがいいでしょう。また、LPSは乳酸菌と一緒に取ったほうがより効果的と言われています。
免疫には2種類ある
免疫は2種類あります。生まれた時から備わっている「自然免疫」と、後天的に身につく「獲得免疫」です。今までは「獲得免疫」ばかりに注目が集まってきました。インフルエンザの予防接種は獲得免疫を利用したもので、インフルエンザの不活化ワクチンを打って体の中に抗体を作っています。
自然免疫では、マクロファージが非常に重要です。ひとつ目の理由は、入ってきた病原菌を食べ、老廃物など体内のゴミも食べ尽くしてくれます。ふたつ目は、臓器や器官が正常に働くよう司令塔の役割をします。
LPSは、免疫にとって重要なマクロファージを適度に活性化する成分です。新型コロナウイルスはまだワクチンが開発されていないため、自然免疫を強くしておくと重症化を防ぐなどの効果が期待できるかもしれません。マクロファージを活性化する成分は、LPS以外にも乳酸菌、キノコに含まれているβグルカンがあります。
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