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数百円でクラシック音楽を堪能…! 冬こそウィーンに行ったほうがいい理由

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海外のホールでクラシック音楽の録音や取材を行う音楽プロデューサーとして活躍中の渋谷ゆう子さん。仕事柄、海外出張も多く、時にはアーティストの都合で海外出張が前の日に決まることもあるそう。出張先は主にクラシック音楽の本場・ヨーロッパとエンターテインメントの中心・北米。多いときは1カ月に1回、オーケストラや演奏家、レーベルとの打ち合わせに赴きます。

そこで、音楽だけではなく旅や文化にも造詣が深い渋谷さんに冬のウィーンの楽しみ方について教えていただきました。

冬のウィーンをおすすめする理由

わざわざなぜ寒い時期にウィーンに行くのかという問いに対する最もシンプルな答えは、「冬のウィーンこそ音楽を最も深く味わえるから」である。夏にウィーンに行っても、音楽イベントも夏休み。冬こそ室内の楽しみを目いっぱい味わえるのだから、この機会にぜひ本場の音楽に親しんでもらいたい。日本からヨーロッパ行きの航空券も冬なら安く手に入ることが多い。

日本でクラシック音楽を聴いてみようかと思っていても、なかなか嗜(たしな)む一歩を踏み出せない人も多い。コンサートに行こうとしても、まず何がいいか迷うことだろう。そんな、クラシック音楽に詳しそうな人に聞こうものなら、たちまち面倒ごとに巻き込まれそうだし……というあなたの直感は正しい。クラシック愛好家は独自の偏愛を抱いており、同じ気持ちでないと付き合いづらいものだ。ではどうしたら? そこで本場ウィーンでクラシック音楽への第一歩を踏み出すことをおすすめしたい。

音楽の都ウィーンを代表する楽友協会の建物。ウィーンフフィルハーモニー管弦楽団の本拠地で大ホールの黄金の間は有名

音楽の都ウィーンを代表する楽友協会の建物。ウィーンフフィルハーモニー管弦楽団の本拠地で大ホールの黄金の間は有名

ウィーンの“公式キャラ”? モーツァルトの生涯

ウィーンは音楽の都と呼ばれている。ベートーベン、シューベルト、シュトラウス一家、マーラー、一流の作曲家がここで暮らし、曲を残した。中でもモーツァルトは今でも街の“公式キャラクター”かと思うくらいに、そこかしこでその肖像画や似顔絵を見ることができる。日本で言えば仕事を選ばないキティちゃんさながらである。マグカップにもチョコレートにも傘にもモーツァルト。それほどウィーンの生活と観光にはクラシック音楽が浸透している。

16世紀から19世紀ごろを中心に栄えたハプスブルグ帝国の首都ウィーンには各国から貴族たちが集まり、それぞれにお抱え楽団を擁していた。エンターテインメントとしてオペラが上演され、オーケストラが発達した。これらは貴族のためだけでなく一般市民も見ることができた。また教会ではどのような身分の人でもミサに参加でき、そこで演奏されるミサ曲もまた生活に根ざした音楽文化として発展していく。

そんな文化の中で、モーツァルトは子どもの頃から音楽的才能を発揮させ5歳ではすでに作曲していたと言われている。35歳という短い生涯を閉じるまで1000曲以上を作った。3日に1曲以上は作る計算になるワーカホリック気味だが本人の浪費が激しく、経済的には苦しい人生だった。宮廷でのサラリーマン的音楽職をクビになって、フリーランス音楽家として生計をたてるも、オペラや演奏会の興業はままならず……。

天才作曲家といえどもプロデューサー的才能はなかったようで、現在ではお墓もどこにあるか分からないありさま。もし、現在に生きていたら、自身の肖像画使用の印税とキャラグッズ販売の売り上げで暮らせただろうにと気の毒に思わなくもない。

モーツアルトのオペラも多く上演されるウィーン国立歌劇場。ウィーン国立バレエ団の本拠地でもある

モーツアルトのオペラも多く上演されるウィーン国立歌劇場。ウィーン国立バレエ団の本拠地でもある

不遇なフリーランスのベートーベン、貧しくも恵まれてたシューベルト…

それから、「交響曲の父」と呼ばれるハイドン 。104曲の交響曲を作り(ベートーベンは9曲)、完成している楽曲の総数は700曲を超える偉大な作曲家の一人。中でも弦楽4重奏曲第77番第2楽章で使われた「神よ、皇帝フランツを守り給え」のメロディは現在のドイツ国歌になっている。(皇帝フランツがオーストリアで力を持っていたハプスブルク家出身のドイツ系の貴族だから)

赤いスカーフとワイルドヘアスタイルが特徴のベートーベンはといえば、恋焦がれて曲まで作った女性にはいつも振られ(でもちょっとそれは分かる)、遺書までしたため、最後は難聴になるなど、私生活もかなり不遇なフリーランス作曲家である。

一方、シューベルトのように貧しくても友人知人誰もが彼の才能を認め、ウィーンでの作曲活動に専念できるサポートを受ける作曲家や、シュトラウス一家のように一族で作曲家として活躍するものも現れた。

その後、マーラーやシェーンベルグなどウィーンの街がクラシック音楽の世界にいつも新しい息吹を生み出してきたのである。毎年元日にウィーン楽友協会で開かれるウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、このシュトラウス家の楽曲を中心に、ウィーンで活躍した作曲家の楽曲が必ず演奏され、世界90カ国に同時生中継される一大イベントである。

このようにハプスブルグ家の栄光を極めたころから始まり、数百年たった今も音楽が文化の第一として受け継がれてきたのは、皇帝の庇護だけでなく、人々の生活に根付いていたからに他ならない。

旧市街のオペラ座近くに点在する星形のタイルには作曲家や指揮者のサインが。これはシューベルトのもの

旧市街のオペラ座近くに点在する星形のタイルには作曲家や指揮者のサインが。これはシューベルトのもの

実はハードルが低いコンサートやオペラ

ウィーンにはオペラハウスがリンクと呼ばれる市街地の中心部にオペラ座が3つ、大きなコンサートホールが2つ、ミュージカルが見られる大劇場が2つある。それらのどの公演を選んでも、一流のエンターテインメントを楽しめるので、はっきり言ってどれでもいいからまず足を運んでほしい。それくらいハードルを下げても大丈夫。

ウィーンでは、ドレスアップして数十万円のチケットを買ってオペラを聴きに行く人がいる一方で、同じ劇場でも立ち見席など安価なチケットは当日でも売られており、学生や一般の人がカジュアルに観劇を行なっている。

日本でクラシックコンサートに行こうと思ったら、まず何を着ていけばいいのかと悩む人も多いようだ。特別なドレスコードがない限り、はっきり言って普段の格好で全く構わないわけだが、周りがきちんとしているようだと心もとない気持ちも分かる。

一方ウィーンでは、そもそもチケットの値段に大きな差があるし(当日販売の立見席は数百円から)、ドレスアップしないと入れないこともなく、また旅先であるが故に、分からないことを質問しやすいのも利点だ。

これを初めてのクラシック音楽参加に利用しない手はない。チケットは現地の劇場で直接買うか、日本からでもインターネットで購入することができる。

町の教会でオーケストラを楽しむ人々。演奏者との距離が近く、響きもよいのが見どころ

町の教会でオーケストラを楽しむ人々。演奏者との距離が近く、響きもよいのが見どころ

また、ウィーンの街頭の至る所にモーツァルトのような(実際にモーツァルトカツラをかぶったコスプレさんもいる)扮装(ふんそう)のチケット売りがいる。ダフ屋というと高額で売りつけられるのではと不安になるが、ウィーンでは観光客相手ではあっても、意外にリーズナブルなものを用意していたりもする。

片言の日本語が話せるアルバイトを使っていたりして、このダフ屋さんたちと会話し情報を仕入れるのも楽しいものだ。特に今日明日などの開催間近チケットは売ってしまいたいという意識もあって、まとめて安くしてくれる。

また、安いチケットでも「この席の前に柱があるから見えにくいよ」とか「この公演は日本語字幕のあるオペラだよ」などと教えてもらえ、直接会話することで得られる情報もある。ぜひ怖がらずに話を聞いてみてほしい。「やっぱり買わない」と言っても、そこはあちらも慣れたもので、別の旅行者に話しかけにいくので気にしない。運良くリーズナブルにチケットが手に入ることもあるので、英語やドイツ語、日本語でトライしてほしい。

国立歌劇場は通りを挟んだ横にホテルザッハー。ショッピングをしてからカフェ、チケットを買うことのできる便利な立地

国立歌劇場は通りを挟んだ横にホテルザッハー。ショッピングをしてからカフェ、チケットを買うことのできる便利な立地

チケットを買ったときに、「お兄さんだったら、このチケットを使うときに何を着ていく? フォーマル? カジュアル?」と尋ねてみるといい。だいたいが「今のあなたの服装でOK」とにっこり笑ってくれることだろう。日本人女性はそれくらい問題ない場合が多いので、ぜひ旅の楽しみに音楽鑑賞に行ってもらいたい。

本場ウィーンでのクラシック音楽入門ができたら、これであなたもりっぱな音楽通。一度それをクリアできれば、次は自分で好みを見つけていけばいい。クラシック音楽は小難しく聴くものではない。何百年という時の流れに精査されて残ってきた芸術を自分の体で浴び、心で感じていくだけで豊かになれる素晴らしいツールである。

ウィーンで得たその体験が、またひとつあなたの魅力になるだろう。

情報元リンク: ウートピ
数百円でクラシック音楽を堪能…! 冬こそウィーンに行ったほうがいい理由

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