女性誌やウェブメディアなどで数々の美容記事を手がけるライターの長田杏奈さん。ツイッターでは「おさ旦那/長田杏奈」として、美容のこと以外にも私たちを刺激してくれるメッセージを発信しています。
長田さんの初の著書『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)が6月に出版され、その発売記念トークイベントが2019年6月25日に TSUTAYA TOKYO ROPPONGI(東京都港区)で行われました。ゲストは、劇団雌猫のひらりささんと、She is編集長の野村由芽さん。
出版記念イベントは初めてという長田さんの、記念すべきイベントの様子を全4回にわたってリポートします。
筋トレって確かに書きましたけど…
ひらりさ:『美容は自尊心の筋トレ』、表紙がめちゃくちゃ可愛いですよね。
長田:ありがとうございます。牛久保雅美さんに装画をお願いしました。書店の美容本コーナーって、キレイな人の顔がどん!とあったりして、「行きまっせ! 美で!!」って感じじゃない?
ひらりさ:そっちの本に鼓舞される人も、もちろんいると思いますけどね。
長田:うん。ただ、そこに近寄れない人もいるかと思って。なので、美容本っぽくないフォントと、イラストにしました。フォントはゴシック体なの。女性のしなやかさを感じさせる明朝体ではなくて、ゴシック! ブロック! みたいな感じにしました。あとは、美の魔法がシャラララーという感じじゃなくて、わしはわしでやるというテンションで。
ひらりさ:禅の精神を感じる。
長田:でもね、美容のコーナーに並んでいるのを見たら、めっちゃ埋もれてて。「どこそこの脂肪ほぐしで痩せる!」みたいな本と並んでいるの。確かに『美容は自尊心の筋トレ』って書いたけど、そういう筋トレっていう意味じゃないんだけどなーって(笑)。
野村:惜しい(笑)。
ひらりさ:でも、いわゆる美容本を探しに来た人が偶然手にとってくれるといいですよね。
長田:うん。「私、自尊心とか間に合ってますんで」みたいな、そんな方にも届いたらいいなと思います。
自尊心って、自分のことだけ?
野村:確かに両方の方がいるなと思います。She isはどちらかというと、自分を肯定したいと願っている人に向けて場所をつくっていますが、一方で「自分は自分を肯定できているし、肯定できないという感覚は正直わからない。だから自分はShe isのメッセージにはあまりピンとこなかったけど、そういう意見もあるんだということが発見になった」って、率直に話してくれる人もいるんです。
だから、もしかしたら、普段は美容も自分の思いのままにケアできているし、ちゃんと自尊心もあってガンガン行くぜ!みたいな人も、杏奈さんの本を読んでなにかしらハッとすることもあるかもしれないですよね。
長田:「わしは強いんじゃ!」と言っている人も、何か感じてもらえるとうれしいですね。
野村:自尊心というと、自分のことばかりに目が向いているように思いがちだけど、この本を読むと、自分をケアすることは、他人を大切に思うことにも繋がるのだということがわかりますよね。
長田:「社会にはもっと大変な人がいるのに、飢えている子どももいるのに、何が自尊心じゃ」って思われるかもしれない。でも、自尊心を鍛えないと、困っている人、飢えている子どもにまっすぐな手を伸ばせないと思うんです。こういう言い方をして誤解を招くとあれなんだけど……。世界を変えるには自尊心からと本気で思ってるの。私は。
ひらりさ:私は長田さんの志を応援してます。自愛をして、自分で自分の機嫌をとるのは世界にもかかわっていると、本の中で取り上げられていた世界的な美の変化の話を読んでも感じました。
みんなで浮けば怖くない
長田:海外セレブが大好きで、いつも世界を見ているんです。セレブを自分にインストールしている。
ひらりさ:どうしてセレブが好きなんですか?
長田:視野を広げておきたいから。自分の身の回りにいる人たちだけに視点を合わせたくないなって。例えば、身近な人に「それ着るの?」と眉を顰められても、リアーナなら着るし、余裕でしょ!、みたいな感じで。
ひらりさ:リアーナ、素敵ですよね。
長田:リアーナ、お尻が大きくなってね。「太った」とか攻撃されても、「最高のケツじゃん」って自信満々で言い返して。
ひらりさ:私も前に長田さんをインタビューして以来、ツイッターでリアーナをフォローしているんです。彼女はFentyBeautyというコスメブランドをプロデュースしているんですが、そのアイテムを使った老若男女が、いろんなカラー・いろんなスタイルのメイクをして自撮りしているのを彼女がリツイートしたものがよく流れてきます。正解はひとつじゃない、それぞれの楽しみ方でいいみたいな思いを感じて、見ていて元気が出ました。
長田:あなたのその美しさはリアーナ公認じゃんって感じがして、いいですよね。
野村:まわりの目って気にしてしまうけど、ひとりひとりがやりたいことをやって、みんなで浮いたらいいじゃないっていう。
長田:そう。みんなでいっせいに浮けばいい。逆に、あなたはどうして浮いてないの?っていうくらいに。
野村:たしかに、セレブってそういう感じがありますよね。
長田:そういうところあるよね。変わり者たちの集まりだし、埋もれちゃだめなので。「一番すごいドレス着て来たね」「何あの髪型!」みたいな。それが賞賛でもある。そういう世界線をインストールしているんです。
野村:わかります。世の中から少しずれたことをすると、自分自身の立ち位置も変わるし、違った見られ方もするので、また視界が変わって見えるじゃないですか。それって面白いことだと思うんですよね。
長田:みんなそんなに他人のことは見ていないってことにも気づけるかも。
最終回は9月21日(土)公開予定です。
(構成:安次富陽子)
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情報元リンク: ウートピ
「みんなで浮けば怖くない」彼女がセレブウォッチを続ける理由