梅雨バテや夏バテ、残暑バテのセルフケアとして、オフィスや通勤電車で押しやすいツボについて、「残暑バテで体がだるい… デスクでさっとツボ&ストレッチ6つ【鍼灸師が教える】」でご紹介しました。
その続編として今回は、自宅でリラックス時や寝る前に押したいツボについて、前回に続いて鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長に教えてもらいました。
足のつり、食欲、胃腸の働きをセットでケアするツボ
(1)ツボ・湧泉(ゆうせん)を刺激する
足の裏のへこみにあり、全身にエネルギーを送る源とされるツボです。名称のとおり「力が泉のように湧く」という意味です。心身の疲れ、けんたい感、憂うつ感、イライラ感に作用し、頭から首、肩までの血流を促してコリをほぐし、めまいや立ちくらみにも有用です。疲れたときの万能ツボとして覚えておきましょう。
<ツボ「湧泉」の位置>
足の裏の土ふまずよりやや上、足の指でグーをしたときにできるへこみの部分。左右にあります。
<刺激法>、
両方の手のおや指を使って強めにひと押し5~10秒を5~10回、くり返しましょう。ゴルフボールやツボ押しボールなどを踏んでゴロゴロ転がすのもいいでしょう。心臓に近い左の足の「湧泉」から先に刺激するとよいでしょう。
(2)ツボ・足三里(あしさんり)を刺激する
夏の就寝中のつらい症状は「足のつり」でしょう。原因は、発汗によるミネラル不足、また薄着による冷えとも言われますが、寝る前にこの「足三里」のツボを刺激しておくと、足のつり、むくみ、歩きすぎや立ちっぱなしなどによる疲れ、冷えを抑えるように働きます。
また、暑さバテで起こりやすい胃のもたれ、胃痛、食欲不振、便秘や下痢など、胃腸の不調に作用することでも知られるツボです。
<ツボ「足三里」の位置>
「足三里」とは、「膝のおさらから、三寸下がったところ」を意味します。膝のおさらの外側にあるへこみを見つけ、そこから手のおや指以外の4本の指を揃えた幅の分を下がったところ。左右にあります。
<刺激法>
手のおや指、もしくは、ひとさし指・なか指・くすり指を揃えて、強めにひと押し5~10秒を3~5回、くり返しましょう。手のひらや指先で足三里の周辺をさするのもいいでしょう。左右で痛みかたに差がある場合は、痛い方をよく刺激してください。
(3)ツボ・腎兪(じんゆ)を刺激する
読んで字のごとく、腎臓の働きに関係が深いツボです。体の水分のめぐりを促し、全身がけだるい、疲れる、元気がない、腰がだるい・痛い、尿が近い・遠い、月経痛、下半身が冷えるといったときの万能のツボとして知られます。また、歩き疲れた、立ちっぱなしのほか、デスクワークで腰が疲れたときにも有用です。
<ツボ「腎兪」の位置>
体の側面でろっ骨の一番下を探し、背骨に向かって水平にたどります。おへその真後ろと背骨がぶつかるところでもOK。その背骨のポイントからひとさし指となか指をそろえた幅の分だけ左右の外側へいったところ。
<刺激法>
両方の手のおや指を背中に回し、強めにひと押し5~10秒を5~7回、くり返しましょう。また、両方の手のひらで腎兪の周辺をさするのもいいでしょう。さらに、寝転んで、腎兪の位置にゴルフボールやツボ押しボールをはさんでごろごろとするのも有用です。
下半身の動から上半身の静のストレッチへ
(4)腎兪押し+腰まわし
立ち上がって足を腰の幅よりやや広く開き、(3)で紹介した「腎兪」のツボを両方の手のおや指で押しながら、腰を右回しに30回、次に左にも30回ほど回しましょう。これを1セットとして、2~4セットくり返します。終了後、両方の手のひらで、腎兪を中心に上下に20~50回ほどさすりましょう。
(5)上体伸ばし(ヨガの子どものポーズ)
ヨガでいう子どものポーズです。床に正座をして、鼻から息を吐きながら上体を前に倒し、両方の手を前方に伸ばしながら床につきます。額は床に軽く触れます。全身の力を抜き、体の緊張が腕の先に抜けるようにイメージしましょう。そのまま自然呼吸で30秒ほどキープします。
昼間の疲れをリセットし、イライラや憂うつ感をニュートラルな状態にして、心身ともにリラックスします。寝る前に布団の上で行ってそのまま眠りにつくのもよいでしょう。
一連のツボとストレッチを3日ほど毎晩、寝る前に続けてみると、疲れた、ああしんどいという気持ちが落ち着き、睡眠中の足の冷えやつり、トイレの回数が減りました。食欲がなかったのですが、翌日の朝食を食べることもできました。夏バテは気分にも大きく影響するのだと気づいた次第です。試してみてはいかがでしょうか。
【前回】残暑バテで体がだるい… デスクでさっとツボ&ストレッチ6つ
(構成・文 品川 緑/ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
寝る前に残暑バテケアのツボ&ストレッチ 4つ【鍼灸師が教える】