忙しい日々の中で、つい後回しにしてしまいがちな掃除。とりあえずさっと掃除機をかけているから大丈夫……と思っていませんか? 私の掃除のやり方って本当にあっているの?
意外と知らないお掃除のコツについて、清掃用品のレンタルや販売、ハウスクリーニング事業を行うダスキンの広報担当、古屋洋さんにお話を伺いました。
部屋干しすると…ちょっとにおう
——前回は寝室のお掃除についてお話を伺いましたが、夏場は部屋のにおいも気になります。とくに梅雨時期は洗濯物の部屋干しが増えるせいだと思います。私の場合、基本的に年中室内干しですが、この時期は部屋も洗濯物もくさいと感じることが増えます。
古屋洋さん(以後、古屋):一人暮らしや日中お仕事をされている方は、どうしても部屋干しになってしまいますよね。最近の住宅は密閉性が高いので、よけいににおいがこもりがちです。
——あの独特のにおい、なんとかなりませんかね?
古屋:洗濯物を匂わせないようにするポイントは次の5つです。
■部屋干しの5つのポイント
1. しっかり除菌
2. 洗う前の洗濯物は洗濯カゴに
3. 干し方を工夫(アーチ干し)
4. グッズを上手に利用
5. 洗濯機のクリーニング
——5つもあるんですか?
古屋: 5つといっても、3つはいつもやっている洗濯のやり方を変えるだけですし、1つは年に数回の作業です。ちょっと面倒かなと思うのはひとつめの「しっかり除菌」ですが、これはやっておくと劇的ににおいの原因になる雑菌を減らすことができます。
洗濯機を洗濯カゴがわりにしてない?
——においの原因って雑菌なんですか?
古屋:そうです。とくに夏場は雑菌が繁殖しやすいので、極力雑菌を減らして、素早く乾燥させるのが洗濯の鉄則。そのためには、洗濯機で洗う前に洗濯物を漂白剤に10~15分程度つけておくことをおすすめします。漂白剤は衣類の黒ズミやシミなどを落としてくれるだけでなく除菌効果もあります。
——んー、ちょっと面倒な作業ですね。
古屋:そうおっしゃると思いました(苦笑)。では漂白剤は後々自分に見合った方法で掃除が習慣になったらということにして、次の3つは現在行なっている洗濯のやり方を見直すだけなので、取り入れやすいと思いますよ。
洗濯物がくさくなりやすいという方にお話を聞くと、洗濯機を洗濯カゴ代わりに使っているという答えが非常に多い。どうせ洗うんだから、洗濯するまで洗濯機に放り込んでおけ、というのは雑菌を増やす最大の原因になります。やっていませんか?
——……あー。いつもじゃないです、けど、たまには?
古屋:はい、まずはそれをやめましょう。洗濯物は洗濯カゴに入れて、洗濯をする際に洗濯機に入れる。それだけでも、だいぶ違うと思いますよ。
次に干し方です。においを軽減させるためには素早く乾燥させることが重要。干し方をちょっと工夫するだけで、乾きは早くなります。
——たしかに、あの独特のにおいは生乾きのにおいですよね。
アーチ型に干して風通しを意識
古屋:干し方のポイントは「風通し」。長いものを外側に、短いものを内側にして、アーチ型に干すことで風通しがよくなります。洗濯物は10cm程度の間隔をあけて干します。
また、なるべく空気が触れる面を増やすことが肝心なので、タオルなどをハンガーに干す場合は、ぴったり二つ折りにせず、片側を短くして空気に触れる面積を広げましょう。
——なるほど。今まで何も考えず、手にとったものから干していました。生活感あふれる洗濯物が目に入ると、部屋をきれいにしようという気持ちまで薄れてしまいますが、アーチ型の干し方なら、見た目も美しくていいかも。
古屋:そうそう。掃除や洗濯はやる気が出る方法を考えることも大切です。早く乾けば見苦しく見える洗濯物を干しておく時間も短縮できます。その手助けとなるグッズも上手に活用しましょう。
たとえば、扇風機やサーキュレーター、除湿機などです。風を当てれば当然乾きは早くなるし、水気は下に落ちていくので、除湿機に水分を受け取ってもらえば、洗濯物が効率よく乾きます
エアコンの風がくさいです
——洗濯カゴを使う、干し方を工夫する、グッズを利用する、これはすぐに実践できそうです。
古屋:その調子です。最後に洗濯機のクリーンニング。1か月に1回くらいは洗濯機の中をさっと水拭きしたり、フィルターの掃除をしてください。また年に1回程度、専門業者に掃除を依頼することで、より洗濯機を清潔に保つことができます。
——においといえば、エアコンから出てくる空気がくさいと感じることがあるんですが。
古屋:しばらく使っていなかった場合、運転を始めたときににおいが発生します。これは使用していなかったときに繁殖したカビが吹き出されるから。できれば運転前に業者に掃除をしてもらってから使い始めることをおすすめします。実際に当社でもGW明けからお盆にかけて、エアコン掃除の依頼がかなり増えます。
——業者にお願いするのは若干ハードルが。まず自分で掃除をしてもいいんですか?
古屋:もちろんです。エアコンをつける前に、まず室外機をチェックしてください。使用していない間にゴミが溜まったり汚れでホースの詰まりなどがないか確認しましょう。
エアコン(室内機)は、フィルターを水洗いし、その周辺は中性洗剤できれいに拭きます。手が届きにくい上部は伸縮モップなどを使ってほこりを除去しましょう。
それから、スイッチを入れて10分程度試運転をします。中に発生したカビが一斉に吹き出してくるので、必ず窓を開けて、エアコンから少し離れた場所からスイッチを入れてください。
——カビが吹き出てくるんですか! こわ!
古屋:カビの生育条件は「酸素」「栄養(ほこり)」「温度」「水分」。エアコンはカビの温床なんです。
ですから、シーズン中は2週間に1回はフィルター掃除をしましょう。掃除機やモップでほこりを除去できればOKです。カビの発生を防ぐのはもちろん、運転効率もよくなるし、故障の減少にもつながります。最近のエアコンには自動機能としてついているものも多いと思いますが、運転後に30分程度の送風をかけて機内を乾かすこともカビを発生させないためのポイントです。
そして洗濯機同様、年に1回、シーズン前のタイミングでプロにクリーニングを依頼すれば完璧です!
(聞き手:安次富陽子、構成:塚本佳子)
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情報元リンク: ウートピ
部屋干しすると、ちょっとにおう…洗濯のテクニック5つ