【今週のボヤき】
教育係として新卒の子や20代の若手の子の面倒を見ています。厳しい選抜を経て入社してきただけあってみんないい子というか、ギョッとする感じの子はいません。ただ、真面目すぎるせいか「役に立たないと」「早く会社に貢献しないと」と強く思っているきらいがあります。
ミスや失敗を必要以上に恐れていて、役に立たないと自分が存在している意味がないような発言をすることがあります。成長したいという意欲があるのはいいのですが、それで自分自身を追い詰めてしまったりしないかと心配です。
この前「そんなにがんばらなくていいんだよ」「新人は失敗することが仕事なんだよ」と声をかけたら「私のことを見込みがないと思っているんですか?」「先輩は呑気(のんき)ですよね」と言われてしまいました……。
「失敗を恐れるな」と上は言うけれど…
失敗は成功のプロセス、失敗を恐れるな、ミスは新人の特権、失敗とミスを重ねて成長しなさい。
優しい先輩や上司がよく言ってくれる言葉なのですが、この言葉を真に受けて後先考えずにジャンジャンバリバリ失敗を量産してもその失敗に価値はないんですよね。
胃がキリキリと痛むような、悔しくて眠れないような、自尊心が根こそぎ刈り取られてしまうような、そんな痛みを伴う失敗でなければ人は学ばないようにできているんですよ。
人が変化するときというのは、良くも悪くも傷ついたとき、失敗により傷つき、その痛みから学び、そして自己防衛のために変化していくということです。
失敗を良しとする失敗に価値はない、失敗は恐れてこそ、その失敗は価値のある失敗になるということですね。
そもそも「失敗を恐れるな!」と言う先輩や上司がその失敗の責任を取ってくれた例はあまり見たことがありませんし、その新人の仕事のフォローをしてあげる人もあまり見たことがありませんし、その新人の教育を真摯(しんし)にしている人もあまり見たことはありません。
「失敗を恐れるな!」と言う先輩や上司は、実際は軽薄な人に多く、その言葉には「私は忙しいからあなたに構っている暇はない、私の手を煩(わずら)わせないように、勝手に考えて勝手に仕事をして勝手に失敗して勝手に学んで勝手に成長してください」という意味が込められていたりするものなんですよ。
少し生意気なくらいでちょうどいい
そういう耳触りのいい言葉って結構いいかげんなものが多くて、昨今ではその内実がバレつつあるんです。
少し頭のキレる若者なら「失敗を恐れるな!」という言葉には騙(だま)されない時代になってきているということ、そういう意味で言えばちゃんと失敗を恐れて早く会社に貢献しようと努力している彼女は賢明だと私は思いますよ。
かわいげはないのかもしれませんが、そもそも仕事にかわいげは必要ありませんからね。
新人はかわいく育てなくても結構、少し生意気なくらいでちょうどいい。
かわいらしい新人が先輩や上司に好まれるのは、自分を追い越すことのない安心な存在だと感じるからでしょう?
生意気なのが気に入らないのは、いずれ自分の立場が危ぶまれるかもしれないと危機感を感じているからでしょう?
新人を優しさで抑圧しようとしている暇があったら、新人に負けないように自分自身が研鑽(けんさん)を重ねたほうが建設的かつ生産的だと私は思いますけどね。
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情報元リンク: ウートピ
「失敗を恐れるな」と言うけれど…新人に“可愛げ”を求める大人たちへ【DJあおい】