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39歳で結婚。子どもの無邪気な愛情に涙することも…女装お父さんの結婚と育児

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2005年に結成された切ナ色歌謡ロックバンド「実験台モルモット」コエ担当であり、2011年からは男の娘として女装モデルの活動もしている谷琢磨(たに・たくま)さん。プライベートでは1歳と3歳のお子さんをもつ親でもあります。

“谷琢磨、昭和52年生まれ、42歳、男、身長162cm、体重47kg、足サイズ23.5cm。歌と絵とお洋服と嫁様と娘が大好きな普通のお父さんです”

とTwitterで自己紹介する谷さん。女装モデルでありながら父親でもある谷さんが考える“普通”とは?

最終回となる第3回は、父親として子育てにどのように向き合っているか聞きました。

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家庭をもったことで逆に生産的になった

——谷さんが結婚されたのは4年前だそうですね。

谷琢磨さん(以下、谷):そうですね、39歳のときです。

——結婚してから何か価値観の変化などはありましたか。

谷:あまり大きく変化はなかったというか、そもそも僕が結婚するとか家庭をもつということ自体あまり考えていませんでした。自分の実家もかなり自由にさせてくれたタイプだったので、家族とはこうあるべきという理想や概念がなかったんです。

ただ、子どもが生まれてから仕事だけではなくて育児にも追われるようになって、今まで通りにはいかないぞということを痛感しました。けれど、それが結果的には自分にとってよくて。今までは何でも深刻に捉えて、悩みのループにハマってしまうタイプだったのですが、いまは時間がないのでムダなことをしなくなって、逆に生産性が高くなりました。よく「家庭をもったら時間がなくなった」という話を聞きますけど、僕の場合は逆でした。

——家族や結婚に対するイメージがない中で、結婚の決め手になったのは?

谷:女装モデルをしている僕でもいいっていう人が現れたんですよ。見た目は全然気にしない、と。僕の気持ちとしては……きっと多くの人がそうであるように、具体的に理由は挙げられないけど、その相手にピンときた。これ逃したらもうないかもしれない、この人なら結婚してもいいかもしれないと思ったのが大きかったですね。

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子どもから受け取る愛情に涙することも…

——そしたらお子さんも生まれて。自分の人生に子どもができるというのは、どういう気持ちでしたか?

谷:それまでは子どもに対して興味がなくて、自分のことで手一杯でした。でも、子どもが生まれたら完全に脳みそが入れ替わっちゃったみたいで(笑)。いまは子どものためなら死ねるって本気で思います。僕ですらそう思うんだから、実際にお腹を痛めて産んだ妻は余計にそうだろうなって。ちょっとお出かけしないといけないときも、抱きつかれて泣かれちゃって。こんなに愛されたことがないから、こっちも泣けてきちゃう

——自分は父親なんだなって自覚する瞬間ってありますか?

谷:正直、出産に立ち会って、出てくる瞬間まではぼんやりしていました。産声を聞いた瞬間に、うわーって思いましたけど、直前までは全く実感がなかった。あと、うちは無痛分娩だったので、よくある壮絶な出産シーンはなくて、すんなり生まれたのもあってまだフワフワした感じはあったかもしれない。

本当に強く実感したのは、子どもを産んだあとに妻が授乳室に行ったときです。出産して2時間後には、1時間おきに授乳をしないといけない。麻酔が切れて激しい痛みの中、ひとりでベッドから起きてエレベーターに乗って、寝ずに1時間に一度繰り返す。その姿に胸を打たれたし、自分だったらムリかもしれない、って思いました。

——確かに妊娠や出産において女性の負担はとても大きいものです。

谷:ただ、よく世のお母さんたちが無神経すぎる夫に切れる場面があると思うんですけど、それってある程度しょうがないことだなとも思うんです。たとえば産婦人科には親になるための心得などが書かれた冊子が置いてあるんですけど、ママになる人へと書かれた部分はとても分厚くて、いろんなことが書いてある。でもパパになる人へと書かれた部分は1ページくらいしかなくて、それも「自分のことは自分でする」みたいな小学生レベルのことが書いてあったりする。

これは自分も含めてそうなんですけど、男性って「大人になったぞ」と自覚する瞬間がなかなかないんです。たとえば女性は生理がくることで身体的に自覚せざるを得ない瞬間があるけど、男性の場合は校庭で砂遊びしていたと思ったら、次の瞬間には会社に入社していた、みたいな意識の人もすごく多いと思う。

——男性にも変声期など身体の変化はありますよね。

谷:ありますけど、声変わりは生活自体に影響は特にない。でも、女性の場合は時間を使ったり苦労をしたりすることが生まれるじゃないですか。そうなると自分で望む/望まないにかかわらず、意識せざるを得ないのかな、って。

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パパもママも「可愛い」

——谷さんの場合は、お仕事での女装や、奥さんの出産の立会いなどを経て、女性への視線が変わったり、次第に父親としての自覚が芽生えたりしたんですね。子育てはどのようにやられているんですか。

谷:いま上の子が3歳で下の子が1歳なんですけど、妻と役割分担をして夫婦で子育てができています。ありがたいことに周りに理解がある人も多くて、お仕事中に子どもをお風呂に入れるために帰ったりもできているんです。イベントに出るときも、お風呂タイムをタイムスケジュールに入れていただいて、そこで一旦帰る、みたいな。

——お風呂タイム! 「いや、こっちは仕事なんだから、そういう時くらい奥さん、やってよ」みたいな気持ちになりませんか? 要するに、仕事が優先で育児は「手伝い」の延長線上にあると思ってしまうというか……。

谷:ないですね。「手伝う」ってそもそも他人事だから言える言葉ですよね。自分の役割じゃないと思っている。そうすると自然に相手に任せてしまったりするんだと思います。バンドでいえば、サポートメンバーみたいな立ち位置。そうじゃなくて、僕は家族のオリジナルメンバーですから、手伝うという概念がないんです。

——「女装しているお父さん」が、お子さん自身や周囲の環境に影響を与えてしまうかも、ということを考えることはありますか?

谷:考えますね。やっぱりパパが女装だし、うちは僕も妻も両家ともにシングルマザーの家庭で育っていて、その上を辿っても祖父がどちらも亡くなっている。親族の中で唯一の男性が僕ひとりなんです。だから男性という存在に対して、偏った知識で育ってしまうかもしれないという心配はしています。子どもたちがパパとママを間違えることはないんですけどね。「ママ可愛い」と同じように「パパ可愛い」と言ってくれたりします。

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社会的に生きていく上で必要な折り合い

——パパも「可愛い」なんですね。もしお子さんの生活にデメリットが出てきたら、女装をやめる可能性もあるのでしょうか。

谷:考えていますし、そろそろ幼稚園に入る頃なので、少しずつ対策も考えています。お仕事のことなので具体的な話はできないのですが、僕の仕事で子どもが傷ついてしまうようなことがないようにしたいんです。自分が何か言われる分には全然問題ないんですけど……。

——自分はよくても、お子さんもいるとそうは言っていられないというか。

谷:家庭をもつということは、自分以外の誰かに何が起こるかというところまで目を広げる責任があると思っています。「自分はこうだから」って頑固オヤジになるつもりはないんです。譲れないところがあったとしても、「その先に自分が望む未来があるのか?」って一旦考えるようにしたい。

——女装をしていることに特別なバイアスがかからない時代がきたらいいですよね。

谷:そうですね。実際すでに、「変な人」とか「危険な人」といった余計なバイアスがかかりづらい時代になったと感じている、という人の話はききます。

僕の場合は家庭をもったことで信用度が一気に上がった気がします。それが良いこととは言い切れませんが……。目印になるんでしょうね。初対面で得られる情報でしか判断せざるを得ないときに、結婚して子どもがいる、というのは不思議とすごく好印象

でも、実際には家庭があっても、借金まみれだったり虐待をしていたり、ひどいことをしている人はたくさんいるわけじゃないですか。だから家庭をもつことと人格が直結しているとは、あんまり思えないんですけどね。

*この取材は3月末に行われました。
(聞き手:安次富陽子、構成:園田もなか、撮影:大澤妹)

情報元リンク: ウートピ
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