ダイエットへの偏った思い込みを矯正し、正しい知識とメソッドを手に入れようというこの連載。前回は「体重を落とすだけのダイエットは体型を崩す」「ボディメイクを実現するためにはある程度の運動が必要」という事実が判明しました。
それでは、どんな運動をどのくらいの量こなせばダイエットに効果的なの? という疑問がムクムクと湧いてきた筆者。引き続き、ダイエットに適切な運動量と具体的なメソッドを身をもって運動による身体の変化を実感してきたアスリートならではの視点で、柳澤哲さんに教えていただきます。
頑張りすぎは厳禁 目安は毎日続けられる量
——前回のお話を聞いて、運動をしてみようという気持ちになりました。でも正直、どれくらいの頻度や負荷で行えばいいのかわかりません。
柳澤哲さん(以下、柳澤):基本的には、次の日もまったく同じトレーニングができる負荷が理想的です。負荷は人によって変わってきますが、例えば30分のランニングをして3〜4日休まなくては続けられないとすれば、それはオーバートレーニングです。
——久しぶりに運動して全く動けなくなっちゃうこと、あります(苦笑)。
柳澤:最初は15分からでいいと思います。ダイエットのための運動は、頑張っちゃダメなんです。張り切り過ぎると、だんだん運動を負担に感じるようになってしまうので……。まずは自分の疲労感と向き合いながら、1週間、毎日続けられる量にトライしてみてください。
——週に1回、まとめてジムで運動するような人も多いと思うのですが、それはだめですか?
柳澤:やらないよりはいいと思います。基本的に人の筋肉は、一度体験した運動を記憶するようにできているんです。何年かぶりに自転車に乗ったら、意外と前と変わらず乗れたというのもそういう理由ですね。ただし、ここでもオーバートレーニングにならないように運動量は調整してほしいです。
階段の一段飛ばしで美脚を手に入れる
——心配なのが、日頃運動不足なので、ほんの少しの運動でも筋肉痛になってしまうのでは? ということです。
柳澤:人の筋肉には、筋肉痛になりやすい「速筋」と、なりにくい「遅筋」があります。簡単に説明すると、短距離走やウェイトリフティングなど瞬発的に強い力を発揮するのが速筋、立つ、歩く、座るなど継続的に力を発揮しているのが遅筋です。この機能を使い分ければ「筋肉痛のリスクはあるがより効果的な運動」と「筋肉痛の出ない継続可能な運動」を意識的に行うことができるんです。
——つまり、筋肉痛にならずに毎日継続できる運動がしたいなら……。
柳澤:遅筋を効果的に使う運動がおすすめです。日常の動作にほんの少し負荷を与える程度でできるので、どんな人にでも取り入れやすいと思います。まず基本姿勢ですが、できるだけ立つことですね。座っている時に比べ、約2倍のカロリー消費が見込めます。
——2倍は大きいですね! 通勤の電車内では立つように心掛けたいと思います。他にはどうでしょうか。
柳澤:エスカレーターやエレベーターを使わずに、階段を使うこと。特に登りでは、可能なら一段飛ばしをするといいですね。脚をスリムに見せるためには、ももの裏側やお尻に筋肉がついていることが大事。一段飛ばしをすると、脚が地面から離れている時間が長くなる分だけ、脚の裏側が鍛えられるんです。上げた足が階段と水平になることを意識するといいでしょう。
——なるほど。今日からできそう。オフィスでできることは何かありますか?
柳澤:座りながらできる簡単な運動があります。椅子に浅く座り、膝とくるぶし同士をくっつけます。そのまま垂直に膝をあげて30秒キープ。これを1日3セットやるだけで、お腹がへこんでくるはずです。簡単なようで意外と効いてくるこのトレーニング、ぜひ試してみてください。
——次回は、ダイエットに効くウォーキングについてのトピックをご紹介します。
(取材・文、撮影:波多野友子)
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情報元リンク: ウートピ
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