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野菜・タンパク質・油、何がいい? 逆流性食道炎の胃にやさしい食事とは?【専門医に聞く】

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逆流性食道炎で悩む人が急増しているといわれ、読者のお悩みの声も複数届いています。そこで「逆流性食道炎を治したい」と題し、連載にて兵庫医科大学病院の副院長で消化器病指導医・専門医、内科指導医の三輪洋人(みわ・ひろと)医師にその実態や治療法、自分でできるケア法を尋ねています。

前回(第6回)は、読者の経験を例に逆流性食道炎を悪化させる「勘違い食生活」を紹介しました。続いて今回は、胃酸の分泌を少しでも抑えて逆流を予防するための胃にやさしい食事について詳しいお話を聞きましょう。なお、これまでの内容は文末のタイトル一覧からリンク先の記事を参考にしてください。

三輪洋人医師

三輪洋人医師

キャベジンという物質が豊富な緑色野菜を食べる

——逆流性食道炎で胸やけや呑酸(どんさん。胃酸の逆流で酸っぱいものが込み上げてくる症状)がつらいとき、どのような食生活を送るべきでしょうか。

三輪医師:消化がいい食材を少量ずつ、毎日3食と決めずに4・5回に分けて、ひと口ごとにできるだけよく噛(か)んで、ゆっくりと食べてください。そうすると自然と食事の量が減少し、逆流する量も少なくなります。

ただし、寝る直前の食事はNGです。就寝中に胃で消化されることになって、横になっていることもあり、分泌された胃酸が逆流する可能性が高くなります。目安として寝る前の3時間は食事をしないことを心がけるとよいでしょう。

——消化がいい食材には具体的に、何を選べばいいでしょうか。

三輪医師:まず、キャベジン(メチルメチオニンスルホニウム)という成分が豊富に含まれるキャベツ、レタス、ハクサイ、ブロッコリー、アスパラガス、カリフラワー、ナノハナなどの緑色野菜に注目してください。

野菜

キャベジンとは、胃の粘膜を修復する作用や胃酸の分泌を抑える作用などがある水溶性の化合物で、戦後にキャベツのしぼり汁から発見されたことからこの名前がついています。多くの胃腸の治療薬の成分として使われていて、市販の胃の薬に同名のものもありますね。通称「ビタミンU」とも呼ばれていますが、ビタミンの一種ではありません。ビタミンと同じような働きをすることからこう呼ばれています。

キャベジンは水溶性で熱に弱く、熱すると流出します。温野菜に調理すると煮汁に溶け出ているので、煮汁ごと飲みましょう。

ほかに野菜では、消化酵素が豊富なヤマイモやダイコン、ネバネバしていて胃の内壁にやさしいオクラや納豆なども良いでしょう。

タンパク質には青魚、鶏のささ身、豆腐、卵

——タンパク質では何を食べればよいでしょうか。

三輪医師:青魚のサケ、マグロ、イワシ、サンマ、サバ、ブリ、カツオなどが推奨されています。これらの青魚の油には、DHA、EPA、α-リノレン酸などのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。

オメガ3脂肪酸が血液中の悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪を減らして善玉コレステロール(HDL)を増やすことはよく知られていますが、同時に、胃酸の分泌を抑える作用があることもわかっています。

——青魚が苦手な場合は何を食べればいいでしょうか。

三輪医師:ほかに消化に良いタンパク質では、豆腐や卵、鶏のささ身も推奨されます。食べ方としては、青魚だけや豆腐だけなどと偏ることがなく、先ほどお話ししたキャベジンが豊富に含まれる野菜とともに栄養のバランスが整うように組み合わせて変化をつけてください。

——油の中では、オリーブオイルが逆流性食道炎や胃炎にやさしいと聞きますが、本当でしょうか。

三輪医師:本当です。オリーブオイルにはオレイン酸という胃腸の働きに良い成分が豊富に含まれています。青魚の油と同じく、悪玉コレステロールを抑え、善玉コレステロールを増やすことや便秘の改善に有用であることも知られています。便秘は胃を圧迫するため、逆流性食道炎にとっては悪影響が大きくなります。

調理やドレッシングにはオリーブオイルを使いましょう。

201225_03_三輪先生

——昆布もいいと聞きました。その根拠を教えてください。

三輪医師:昆布のぬるぬるとした粘液は海の水溶性食物繊維と言われますが、これはアルギン酸という成分です。アルギン酸が食道の粘膜修復と胃酸の逆流防止に効果があることは科学的に多くのエビデンスがあり、逆流性食道炎の治療薬のひとつ、アルロイドGとはこのアルギン酸ナトリウムの5%水溶液です。

——胃や食道の粘膜の保護が重要となるのですね。そのために避けたほうがいい食材はありますか。

三輪医師:鉄則は、刺激物の飲食を避けることです。具体的には、熱すぎる料理、激辛、酸の物、酒、ゲップが出る炭酸飲料、胃酸の分泌を促すカフェインを含む飲み物、消化時間が長くなる肉や、脂肪分たっぷりのスイーツなどです。

聞き手によるまとめ

キャベジンを含む緑色野菜を調理して煮汁まで飲むこと、タンパク質では青魚、鶏のささ身、豆腐、卵、油ではオリーブオイル、それに、ぬめり成分が医薬品に活用されている昆布は逆流性食道炎にとってやさしい食事だということです。これらを少量ずつ1日4・5回に分けて、よく噛んでゆっくり食べるという食習慣を身につけましょう。

次回・第8回は、胃酸の逆流が少ないドリンクについて紹介します。

(構成・取材・文 品川 緑/ユンブル)

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【第1回】燃えるような胸やけ、重苦しい胃痛…逆流性食道炎の症状
【第2回】太りぎみ、食べ過ぎ、猫背…逆流性食道炎の原因を消化器病専門医に聞く
【第3回】炎症がないのに痛みがある!? 「非びらん性胃食道逆流症」とは
【第4回】逆流性食道炎で心臓発作!? 何が起こっているのか消化器病専門医に聞きました

【第5回】逆流性食道炎が悪化するとどうなる? 軽症の場合は?
【第6回】コーヒーやチョコ、酒でごまかせる? 逆流性食道炎の勘違い食生活

情報元リンク: ウートピ
野菜・タンパク質・油、何がいい? 逆流性食道炎の胃にやさしい食事とは?【専門医に聞く】

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