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花粉症の人は風邪をひきやすい? 耳鼻咽喉科専門医に聞く

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花粉症でつらいときに、「どうやら風邪の症状も現れてきたみたい。どうすればいい?」と悩む人が多くいます。花粉症と風邪はどう違うのでしょうか。また、併発するとどうなるのでしょうか。耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)の遠山祐司院長は、「花粉症の症状があるときに風邪をひくと、鼻水や鼻づまりはさらに悪化し、つらくなります」と話します。2回に分けて、詳しく聞いてみました。

花粉症と風邪は「鼻水」「目」「発熱」「発症期間」が違う

はじめに遠山医師は、「花粉症の症状は花粉が、風邪の症状はウイルスが、それぞれ体に入らないようにする、または追い出すための防御反応です」と話し、花粉症と風邪の違いについて次のようにまとめます。

<花粉症>
□鼻水はサラサラと水っぽくて透明。
□鼻づまりは左右両方の鼻に症状が現れる。ただし、左右の鼻腔(びくう)を隔てる仕切り(鼻中隔・びちゅうかく)の形状によっては片方だけつまることもある。
□くしゃみは突発的に連続して出ることが多い。
□目のかゆみがある。
□のどのイガイガとした違和感や痛みがある。
□咳(せき)はたまに出るが強くない。
□発熱はあまりなく、あっても37度5分ぐらいまでの微熱。
□頭がぼおっとして重い感じがある。
□花粉が飛散している数週間~数カ月の間、症状が継続的に続く。

200313_花粉症と風邪_前編01

<風邪>
□鼻水は1~2日目は花粉症と同じようなサラサラタイプだが、3~4日経つとネバネバとした黄色い状態に変化する。
□鼻づまりは左右のどちらか片方ずつ。
□くしゃみは花粉症ほど連発することはなく、ときどき出る程度。
□目のかゆみはない。
□のどが腫れて痛む。
□咳が強く出ることがある。
□発熱は約38度以上になることがある。
□ズキズキとした頭痛、また筋肉痛や関節痛、寒気もある。
□こじらせて気管支炎や肺炎にならない限り、3日~2週間で改善する。

200313_花粉症と風邪_前編02

「花粉症と風邪の決定的な違いはこれらの症状の中でも、花粉症の場合は花粉のシーズン中にずっと症状が出続けるのに比べて、風邪の場合は3日~2週間程度で改善することです」と遠山医師。

花粉症のときには風邪をひきやすい

では、花粉症の人は風邪をひきやすいということはあるのでしょうか。遠山医師はこう説明をします。

「あります。花粉症の症状が現れている最中には風邪をひきやすくなるのです。理由は、先ほど挙げた花粉症の各種の症状がしんどくてストレスになり、風邪のウイルスに感染しやすいこと、また、鼻づまりが原因で口呼吸になるため、口の中が乾燥してのどに炎症が起こりやすいことなどが挙げられます」

そもそも体調が悪いときには風邪をひきやすくなりますが、花粉症の発症や重症化もそれと同じでしょうか。

「そうです。睡眠不足や疲労で体調が悪いと免疫力が低下します。花粉が飛散している時期と重なると、花粉症を発症しやすくなる、また花粉症の場合は症状が重くなりがちです。

その逆もしかりで、花粉症を発症すると、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみや涙でしんどくて、免疫力が下がって風邪をひきやすくなるわけです。花粉症と風邪は悪循環の関係にあります」と遠山医師。

花粉症の人が風邪をひくと鼻水・鼻づまりが悪化する

では、花粉症と風邪を併発したとき、その症状はいったいどうなるのでしょうか。遠山医師はこう説明を続けます。

「花粉症の患者さんは、アレルギー性鼻炎の3大症状である『くしゃみ・鼻水・鼻づまり』を少なからずきたしています。そこに風邪をひくと、それらの症状はさらに悪化します。しつこくてしんどいことになります」

想像すると恐ろしいですが、ここで遠山医師は、花粉症と風邪を併発したときの注意を次のように話します。

「とくに気を付けたいのは、花粉症と風邪を併発すると鼻の症状は強くなり、鼻づまりも長引いて副鼻腔炎(ふくびくうえん)になる場合があることです。副鼻腔炎が慢性化すると、鼻の周辺にある空洞の「副鼻腔」が炎症を起こして膿(うみ)が溜まる蓄膿(ちくのう)症になります。

また、花粉症と風邪のダブルパンチで免疫力、体力が低下するため、風邪による炎症が気管支や肺にまで及ぶ気管支炎や肺炎にいたるリスクも大きくなります。熱が38度以上出た、のどが腫れて痛む、ズキズキと頭痛がする、咳が出る、寒気がする、筋肉痛や関節痛があるなどの場合は、風邪との併発を疑いましょう」

花粉症の人は、花粉が飛散している時期には風邪の併発や、つらい病気に発展しやすいことを覚えておく必要がありそうです。しんどさが強くなってきた、花粉症と風邪のどちらをどうケアすればいいかわからないと思う場合はどうすればいいのでしょうか。

「しんどさがいつもと違うなと思った場合は、早めに、花粉症も風邪も診断と治療が可能な耳鼻咽喉科を受診してください」と遠山医師。

花粉の飛散時期に鼻やくしゃみの症状が現れたら、まずは花粉症なのか風邪なのかを考えてみる、ただしどちらか一方だけを疑うのではなく、両方を発症している可能性も想定するべきということです。

では、併発した場合はどう治療するのか、花粉症と風邪のどちらを先に治すのか、セルフケアや予防にはどうすればいいのかなど、次回の後編につづきます。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
花粉症の人は風邪をひきやすい? 耳鼻咽喉科専門医に聞く

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